第23話 ケィの能力。

ケィの能力は簡単に言えば、強い男に放たれた精をそのまま力に還元できる事だった。


「まあ簡単に言えばよ。強い男が相手ならある程度はできるけど、弱い男だと紙装甲で弾除けにもならないのよ」

「だから俺とやろうとしたのかよ」


「そうよ。久郎なら間違いなく強いもの」

「で、お前とやった男が死んだのは?」


「簡単よ。アイツらちょっと中出しさせてやったら、彼氏面してクソウザいから攻撃や防御のタイミングで、精を使って押さえつけて動けなくしたのよ」

「成程な」


「で、私から聞きたいのは久郎の力の方よ。なんであんなに強いのよ。去年よりも強い。この一年、外に出たのは地下のダンジョンに数回行っただけで、ひたすらメイドを抱いただけよね?それで強くなるってもしかして私と同じ能力?」


沢山久郎は「まあ似たようなもんだ」と返した。


「放った精を受けて強くなる私と、女を抱いて強くなる久郎って相性良さそうだけど?」

「パス。これ以上強くならなくても勝てるだろ」


沢山久郎の返しに困り顔で、「私、今は全部使って丸腰なのよ?こんな状況で外に放り出す気?」と聞くケィに「知らね」と返すと沢山久郎。


「それに今のままだとキングに勝てないわよ」

「何?」

「だって本気の私と久郎の戦いなのに、世界が壊れないように守れたのよ?その力を戦いに向けたら久郎なんて血だるま確定じゃない」


言っている事は間違いではないがどうにも手が出しにくい。

そんな時に調停神の声が聞こえてきて、「その子も強化に加えなさい。裏切れないように誓約魔法をジェンタから教わって」と言われてしまう。


沢山久郎は「マジかよ」と言ってから、ジェンタに「調停神の声がした」と言うと、ジェンタは「聞こえたよ!女神様ってば酷い!」と怒りながらも誓約魔法を教えてくれて、ケィに「俺を裏切らない魔法をかけていいなら今から8時間だ」と言う。


ケィは素直に従うと沢山久郎の強化を受けた。

ケィは沢山久郎が与えてくる暴力的な快感に立ち向かえずに必死に逃げようとしたが、沢山久郎は「お前が望んだんだろうが!しっかりしやがれ!」と言って責めを止めない。

8時間キッチンと強化したされたケィは実力がついたことに驚き久郎を見る。


「それが俺の力だ。俺だけじゃなくて相手まで強化されるから相手を選ぶんだ」

「ますます相性バッチリじゃない!10年分溜め込んできた精に匹敵するわ!ありがとう久郎!」


飛んで喜んで「これからもよろしく」と言うケィに対して、「もうやだ」と言う沢山久郎。


「えぇ?そんなこと言わないでよ!これならガンガン戦えるって、もう精切れに怯えてコソコソする必要無いって!」と言いながらケィは部屋まで着いてきてしまう。


その顔と姿を見たアルとジービィは何があったかを即座に理解して、沢山久郎にヤキモチを妬いてしまった。


この日から更に沢山久郎の苦難は続く。

朝昼晩、昼夜を問わずアルとジービィ、そして部屋に突撃してくるケィに強化に付き合わされて、ヘトヘトになって寝ればイェイロ達からコレでもかとヤキモチを上乗せした強化に苦しめられる。


「調停神の野朗…、本当に日本に帰れんだろうな?フカシだったら承知しねえぞ」が口癖になりながら、ひたすら強化に付き合わされる。


沢山久郎はジャッカとサルドンに「ここまでありがとよ。4番を倒した先は一応バラバラらしいから感謝してる」と挨拶をして4番との戦いに挑む。


昨年同様に毒霧を出されると、沢山久郎は「イェイロ、風で吹き飛ばせ」と命じて毒霧を一度無効化してから4番におかわりを要求し、次は「ジェンタ、頼む」と言う。

ジェンタの力で毒の無効化を済ませると平然と歩いて4番を殴り沈めた。


大歓声の中、キング達は「遂にここまで来たか!強者よ!」と喜びを口にする。


「思う存分戦いを楽しもう!お前も持てる力の全てを出し切るがいい!」


沢山久郎は「やだやだ」と言いながらも、この日々を受け入れ始めていて「まあ期待は裏切らないよ」と返していた。


世話人達も沢山久郎の勝利に喜び、ご馳走を用意して待っていて、そこにはアルとジービィとケィまでいてお祝いを催してくれた。

沢山久郎はケィに呆れながらも「ありがとよ」と言って宴会を楽しんだ。

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