第5話 三姉妹の陥落。

シィアの陥落はあっという間の事だった。

「お前と心を通じ合わせたい!」と向かってきたシィアに、「まずは名前で呼ぶ仲から」と提案をして、最初はシィア主導で動くが、芳しくない内容に口惜しそうにするシィア。

そこに沢山久郎が「まず一度だけ、俺の願いを聞いてよ」と言うと、沢山久郎が上になりシィアに対して思い切り動く。

動いてみて思ったが、案外乱暴になりがちで、シィアを悪く言えないと気付いたり、ジェンタの優しさに気付いて感謝をした。


「ダメだ!これでは!」と慌てるシィアを、「このまま、もうすぐなんだ」と言って黙らせた沢山久郎はさっさと果てる。

それでも少し遅めにした。


だが、今までの日々からしたらあっという間の結果に、シィアは顔を真っ赤にして「嘘…。私が上だと1時間動かなきゃダメなのに、もう?まだ、20分」と驚いている。


「お願いを聞いてくれてありがとう。約束だから元に戻るよ」


シィアを退かして仰向けになる沢山久郎を止めて、「…私が下でもいい。頼む。久郎のいいようにしてくれ!私を強くしてくれ!」と願ってくる。


沢山久郎は勝ったと思った。

そして沢山久郎主導のセックスになると、シィアは果てそうになる度に「待て、今はダメだ!」と必死にもがく。

名残惜しそうに腰を止めて「何でダメなの?俺はもう少しだったのに」と言いながら、話さないシィアに「隠し事?心が通じてないから仕方ないよね。後でジェンタに聞くよ」と言えばシィアも果てた時の話をする。


「約束なんだ。私が果てて久郎だけが強くなっては意味がないから、私たちは我慢していたんだ」


責任感から本当に辛そうに話すシィアに、「2人だけの秘密にしようよ」と言う沢山久郎。


シィアが「え?」と聞き返すと、「黙っていればバレないよ。シィアが先に果ててもその後で俺が果てればシィアは強くなれるんだよね?今だって後少しなのに辞めちゃったしさ」と言った沢山久郎は、「もしかしたら同時だったかも」と呟くと、シィアは真っ赤な顔で、「同時!?同時なら効果はもの凄いことになる!あっという間にジェンタ姉さんに追いつける!」と喜んだ後で、「久郎…。内緒にしてくれるか?」と聞く。


「勿論だよ。今話してみたら、シィアは可愛らしいから応援したくなったよ」


シィアはこの言葉で即座に陥落した。

だが沢山久郎は序列は忘れない。

ジェンタを勝たせて、シィアは増えたと言っても20回に届かないようにする。

それでも8回だった頃からしたら大躍進で、ホクホクになりジェンタと共に父親にコツがわかったと報告をして褒められていた。


こうなると何もかもが面白くないのはイェイロになる。

だがイェイロは頑固で自分のやり方で沢山久郎を犯す。


だが長い生活である程度コントロールが効くようになった沢山久郎は、なかなか果てないし、更にはあくびまでしてしまう。

それでも意地になっていたが、3日目には涙を流して「なんで!?何でダメなの!?」と身を捩って叫んだ。


何があったかはイェイロから聞くまでもなかった。

シィアは「お父様に褒めてもらえた!つい嬉しくてイェイロ姉さんにも、「久郎が温存されているから助かる」と言ってしまった」と報告をしてきて、ジェンタは「むぅ。シィアと増えたのが不満だよ。仕方ないけど私の分を無くさないでよね?まあ次はイェイロだから休んでね」と言っていたので、同じ言葉をイェイロに投げかけたのだろう。


長姉のプライドはズタズタのボロボロだろう。

沢山久郎はこのタイミングで「何があったの?」と声をかけた。


「シィアも回数が増えた!たった3日で大岩を砕いて見せた!それなのに私は回数が増えない!」

「それはシィアが俺の願いを聞いてくれたからだよ」


「シィアに対する願い?」

「シィアの動きは乱暴で良くないから、俺が動かさせて貰ったんだ」


「そんな、約束と違う!」と怒るイェイロに、「でも結果は出た。ジェンタもシィアも結果は出ているよ」と言うと、イェイロは項垂れながら「何か願って」と言った。


「まだイェイロのことがよくわからない。だからまずは俺を名前で呼んでみて。呼びながらしてみて」


沢山久郎の指示で動くイェイロは何度も「久郎」と名を呼び続ける。

そして普段より早く沢山久郎が果てると、「やったわ…」と喜びを口にした。


小さな成功体験。

イェイロは立て続けに沢山久郎の名を呼んで動いてみるとまた久郎は果てた。


だが徐々にペースが落ち込んで緩慢になってしまう。

慌てるイェイロに「イェイロ、願いができたよ」と言うと、「言って!教えて!願って!」と詰め寄ってきた。


願い自体はシィアとジェンタを合わせたような願いにして、動く許可とキスなんかの許可を得た上で「イェイロの顔が見たいんだ」と言う。

訝しむイェイロに「名前を呼ばれた時は最初は良かったけど、無表情、無反応はあくびが出てしまうよ」と説明する。


「なにそれ?」

「だからイェイロが気持ちよさそうな顔をしてくれたら、あっという間だと思う。それはシィアもジェンタも見せてくれていて、イェイロだけ見せてくれてないんだ」


一瞬頷きかけるイェイロだがそれは無理と拒んでくる。


「なら今度は動いてみるから、途中で我慢できなかなったら、気持ちよさそうな顔をして」と言って沢山久郎が動くとイェイロはすぐに身を捩って逃げようとする。


沢山久郎は逃がさないように身体を押さえつけて「顔、誤魔化しきれないよ。素直になって」と言うと、「なってない」、「なってない」と言いながらも、顔は蕩けて来たので沢山久郎は成功体験を与える為に果てた。


「イェイロの顔が可愛くてすぐだった」と沢山久郎が言うと、「これは仕方のない事」と呟いて表情を隠さなくなるので、「声も聞きたい。気持ちいい時は気持ちいいって言ってよ」と指示をすると、イェイロはすぐに恍惚の顔で気持ちいいと言うようになる。


だがまだイェイロからは果てた時のルールの話を聞き出さないようにしていた。

それはイェイロはシィア程単純ではないので、踏み込みすぎるとボロが出るからで、待つことにすると更に3日過ぎた時にチャンスが訪れた。


イェイロも回数は増えたが、15回に届くかどうかでシィアにも追いつけず、ジェンタは雲の上の存在になっていた。

ジェンタは実は過小報告していて、それは沢山久郎から「もっと回数を増やすために俺が動きたい。沢山してジェンタに喜んで貰いたいんだ」と言って半分の時間を沢山久郎が動いて、同時を狙いながら回数を加算していく。

今は35回平均なのだが30回平均と嘘の報告をしている。


落ち込むイェイロを抱き寄せて「どうしたのイェイロ?」と聞くと、「私だけ回数が伸び悩んでるの」と素直に答えてくる。

心の中で笑った沢山久郎は、「それは仕方ないよ。俺が果てそうなのに、イェイロは途中で止めて何処かに行くじゃないか」と言うと、「それはわかってます。でもダメなんです」と言って首を横に振る。


「何がダメなの?真面目なイェイロが悩むくらいなんだよね」

沢山久郎が優しく聞くと、イェイロはようやく果てた時の話をする。


沢山久郎はシィアとした話のように「内緒にしようよ。俺も回数が少なくて怒られるイェイロは見たくないよ」と言ってみたが、イェイロさ陥落しかけながらも「それはダメなんです」と言った。


ここまでも想定通り。

沢山久郎は見逃さずに「平気だよ。イェイロを信じるから言うけど、シィアもだよ」と言った。


「え?」

「シィアも後少しでやめるから回数が伸び悩んでいたから、内緒にしたら回数が増えたんだ」


そんなと怒る訳もなく「だから良いんだよイェイロ。俺はイェイロに強くなってもらいたいよ」と言うと、「内緒にしてくれますか?」と聞いて来て、「勿論。俺も協力するよ。後さ、魔法に興味があるから教えてくれる?」と聞き返せば、イェイロは拒まなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る