145「相棒」と「全領域異常解決室」と浅見光彦ミステリードラマとメジャーリーグのお話


●「相棒」と「全領域異常解決室」と浅見光彦ミステリードラマ


 11月6日に放送されたドラマ「相棒」と「全領域異常解決室(← このタイトル、本当に覚えられない)」、とても面白かったです。


 まず「相棒」ですが、キノコが国際紛争の火種になりかけるという話で、よくこんな脚本を思いつくなあと関心しました。でも始まって早々に格闘シーンになって殺された人の役をやったのが山口馬木也さんで、この人「剣客商売」の秋山小兵衛の息子・秋山大治郎役をやった人ですよ。


 身長180センチで屈強な体格ですから、犯人役をやった人のようなひょろい体型の人に負けるとは思えないんですがね(笑)。


 一方で「全領域異常解決室」、「ラスト3分間で全てが変わります」という触れ込みでしたが、本当にびっくりしました。

 以下、ネタバレになります。




 ラスト3分よりも前からびっくりする展開だったんですが、まず妖怪?「ヒルコ」だと思っていたあの人物が、実はそうではなかったこと。

 そしてまがりなりにもギリギリ、ミステリーであり刑事ドラマのていを成していたこのドラマが、実はそうではなかったことがはっきりしたあの最後の言葉、「僕も神です」。


 TBS系で2010年に放送され、その後映画にもなった「SPECスペック〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」をご存じでしょうか? これ、サブタイトルの「警視庁」なんちゃらを見た時点で、刑事ドラマと思ってしまいますよね?

 でも実はSFだったんですよね。だから映画化にあたっては、サブタイトルは外していました。そうしないと詐欺になってしまいますからね(笑)。


 これから先、「全決」もSFファンタジーの話になっていくのでしょうか? しかしそれでは、ユースケ・サンタマリアさんや成海璃子さんが演じている刑事たちはどうなるのでしょう? まさか蚊帳の外ってことはないでしょうから、この先どうなるのか楽しみです。


 そしてもう何度目かもわからないくらい書いてきたTBS系ドラマ「新・浅見光彦シリーズ」。今週も集中放送があったんですが、辰巳琢郎さん、沢村一樹さん、速水もこみちさんと続いてきたこのシリーズの中でも、平岡祐太さんが演じた光彦の推理の過程が一番わからない。


 光彦は「平家伝説殺人事件」において、高知県から名古屋市まで瞬間移動テレポートでもしたかのように素早く移動し、萌子が高知で犯人に殺されることを千里眼か予知能力で見て、「しまった」と言ってまた高知県へテレポート?して駆けつけます。


 沢村一樹さん版と平岡祐太さん版の「漂白の楽人」、「後鳥羽伝説殺人事件」、「平家伝説殺人事件」、「華の下にて」。見比べるとどれも「どうしてこうなった?」というくらい違います。いずれも平岡祐太さん版の方が、無理がありすぎます。


 殺されるはずの人が殺されず、死なないはずの人が殺される。殺される時期も場所も、原作とは異なっている。元気な人が、半身不随に描かれている。重要なトリックも省略されている。


 この脚本に、よく監督やプロデューサーが「OK」を出したものです。浅見光彦ファンクラブも、これにはクレームを入れたんじゃないかな。



●「タモリステーション」とメジャーリーグベースボールのお話


 11月8日に放送された「タモリステーション」、今シーズンの大谷さんの活躍を総括してくれたのはありがたかったです。

 もう一つ感じたのは、元ヤクルトスワローズの古田敦也さんが出演していたんですけど、彼が「フルカウント」のことを「ツー(ストライク)スリー(ボール)」って言ってたんですよね。


 そうなんですよ、私たちの世代では「ストライク」のカウントを先に言うのが当たり前で、メジャーリーグではなぜか「ボール」のカウントを先に言うので、日本でもいつの頃からかそれに合わせるようになったんですよね。


 以前は日本プロ野球がメジャーリーグの選抜チームを招いて、日本選抜チームと11月に試合をしていたんです。日米野球は戦前からの長い歴史があるのですが、たぶん長いこと問題になっていたのが日米の「ストライクゾーン」の違いと、「ボール」カウントを先に言うメジャーリーグ式のカウントコールだと思います。


 その後国際大会が開かれるようになったので、日米野球は廃止になりましたが、ストライクゾーンが違っていては試合にならないので、メジャーリーグ式が標準とされるようになりました。日本プロ野球でも、メジャーリーグ式に改められた当初は相当な混乱があったと思います。


 なぜメジャーリーグではボールカウントが先なのか調べたところ、有力な説がありました。要約すると、日本人は投手戦を好み、アメリカ人は打撃戦を好むから、ということのようです。


 そういえばドジャースの試合を見ていると、ドジャースの投手陣だけでなく相手チームのピッチャーも、けっこうアバウトなコントロールの人が多いことに気づきます。

 だからフルカウントになることが多いし、3者連続四球や押し出しなんてことも多い。最近日本のプロ野球を見ていないので比較はできませんが、見ていた頃は日本のピッチャーはコントロールが良かったです。


 これも調べてみると、やはりボールの違いが原因で、メジャーリーグのボールは日本のボールと比べて2割ほど滑りやすいそうです。やはりアメリカでは打撃戦が好まれるので、甘い球が来やすいように、打者に有利になるようにしているのではないかと勘ぐりたくなります。


 メジャーリーグでトミージョン手術を経験しているピッチャーが多いのは、ボールが滑りやすいから、コントロールするのに肩や肘に余計な力がかかるため、とも言われています。


 とすると、ピッチクロックと同様、メジャーリーグは選手の身体に加わる負担というものをまったく考慮していない、と言えるのではないでしょうか。資料がないのではっきりしませんが、おそらくリーグの運営陣に選手のOB、それも打者出身のOBの方が多く関わっているのかも知れません。


 今までも再三言ってきていることですが、全米アメフトプロリーグはプレイヤーの身体を最優先に考えてルールを改善したり、プロテクターやヘルメットなどの道具も改善してきています。

 それに比べてメジャーリーグは、プレイヤーの身体など興業の道具にしか考えていない。大谷さんたちプレイヤーがかわいそうでなりません。



●本日の猫


 チロルが発情期になってから1週間になりますが、まだ治まりません。年間回数が少なくなった代わりに、症状はひどくなっているような気がします。化け猫度合いが増幅しているようです。


 私が年を取ってきたせいか、チロルの発情期に対応する私の体が年々しんどくなってきました。エッセイをこれだけ書くのに1週間かかっているのもそうですし、先日はゴミ出しもできませんでした。

 朝8時までにゴミ出ししなければならないのですが、朝起きて目覚まし時計を止めた後、不覚にもまた寝落ちしてしまったのです。ほぼ1時間半ごとにチロルと追いかけっこになっているからです。


 明日の朝もゴミの日なので、出さないと大変なことになります。でもこいつ(チロル)は狡猾なやつで、キャリーケースに閉じ込められているときは「出してくれ」と普通の声で鳴きますが、出してやったとたんに「引っかかったな」とばかりに化け猫声になるんです。


 いくらなんでもあと数日で治まるとは思うんですがね・・・。

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