69 またまた『浅見光彦シリーズ』、その他


⚫またまたドラマ『浅見光彦シリーズ』で考える著作権問題


 今、CS-TBSで毎日『浅見光彦ミステリー』のドラマを放送しているんですが、前のエッセイの第75回でも書いたんですけど、2023年に辰巳琢郎さんの『聖地巡礼ドキュメント番組』が作られてまして、その中で「原作に忠実に作られていた」というお話をされていました。


 辰巳さんは1994年から2000年までの13作で主演を務めていたのですが、仮にこの13作がほぼ原作どおりだとすると、その後随分原作から離れていってしまっているんです。


 例えば『蜃気楼』という作品では、1998年の辰巳琢郎さん版では被害者の女性がファッションデザイナーだったのが、2013年の速水もこみちさん版では着物作家という設定に変更されています。

 着物作家というのはちょっとハードルが高いのではないかと思いました。それと、被害者の富山の薬売りの孫も、2013年版では薬売りを引き継がない設定になっていました。


 こういう違いが、2017年から始まる平岡祐太さん版の『新・浅見光彦シリーズ』ではさらに大きくなっていて、2017年版の『漂泊の楽人がくじん』では、被害者が殺される場所とタイミングが全く違ってたり、札束の入ったバッグを持ち去られるトリックの場面がなくなっていました。


 2018年の『後鳥羽伝説殺人事件』では、被害者の死に方と殺される場所・犯人たちの生い立ち・犯人を追い詰めるヤマ場の場所が違っていたほか、共犯者が殺されずに自首したり、殺されるはずの人が登場しないなど、違いはさらに大きくなりました。


 同じく2018年の『平家伝説殺人事件』では、犯人と共犯者が恋愛関係になっていたり、犯人の一人が凄くいい人に描かれていたり、殺される場所が全然違っていたほか、フェリーから転落したように偽装するトリックも使われませんでしたし、光彦より先回りして犯人が平家の里を訪れていたり、完全に時間軸がおかしくなっていました。

 また、「離れたくないです」と言って光彦とキスして、すぐに背を向けて去って行く稲田いなだ佐和さわの心情が全く理解できませんでした。


 これも同じく2018年の『華の下にて』では、殺されるはずの人が殺されずに最後まで元気でいましたし、逆に殺されないはずの人が殺されていました。連続殺人の順番も違っていましたし、華道家の人の設定がカフェのマスターに変わっていましたし、華道家の娘がサーファーだったり、全然関係ない人が刑事役で重要なポジションになっていたり、もう滅茶苦茶でしたね。


 次の『天城峠殺人事件』は一度も再放送されていないので、内容はわかりません。


 原作の内田康夫先生は2018年3月13日に亡くなっており、その後は遺族が著作権を管理しているものと思われます。平岡祐太さん版のシリーズがあまりにも原作を改編するので、「これ以上はドラマ化して欲しくない」ということになっているのではないでしょうか?



⚫浅見光彦ミステリードラマに出てくる橋


 その浅見光彦ミステリードラマですが、旅情ミステリーだけあって、観光地を車で巡る場面が多いですね。でも2000年代の初め頃までは、これ本当に車が交差できるんだろうかと思うほど道幅の狭い道路が多かったです。


 中でも2005年と2018年に作られた『平家伝説殺人事件』のラストの方で、光彦と稲田佐和のキスシーンの舞台となった、四万十川に架かる橋(※原作でのキスシーンの場面はここではありません)は、まだあるんだろうかと思って、Google マップのストリートビューで探してみたら、まだあったんですよこれが!


 新谷しんたに橋(通称「茅吹手かやふくて沈下橋ちんかきょう)」?)というその橋は、欄干もなくて渡るのが怖くなる橋なのですが、付け替えられたり改修されたりもせず、そのままの形で残っているんですね。


 これはもう浅見光彦ファンの聖地になっているんでしょうから、なくすわけにはいかないでしょうね。



⚫何のCM?


 ドラマ『相棒』などで、最近よく見かけるコマーシャルがあるんですが、見るたびに何のコマーシャルなのかわからなくなります。『相棒』は録画してあるので、ちょっと確認してみます。


 わかりました、「明電舎」という会社?のコマーシャルでした。「代表取締役」の挨拶がホームページに載っているので、会社だろうと思うのですが、「明電」ではなくて「明電」なんですね。

 本社は東京都品川区にありますね。資本金170億7千万円で、国内及び海外にグループ会社をを広く展開しているようです。1897年創業という歴史ある企業のようですが・・・。


 コマーシャルでは、バスケットボール部のレギュラーになれなかった少年が泣いていて、水場で顔を洗ってその涙を流してしまう。そのとき、


「電気よ、浄化しろ」「電気よ、潤せ」「電気よ、届けろ」「電気よ、動詞になれ」というテロップが表示され、最後に少女がホースで水まきしながら「何しとるん?」とか言ってますが(※よく聞き取れません)、何で方言?


 結局このコマーシャル、何を言っているのか、何を言いたいのか、よくわかりません。


 その昔、「エリマキトカゲ」というトカゲが走っているコマーシャルがありました。調べてみたら、1984年のようです。実はこれ、三◯自動車のコマーシャルだったのですが、後ろ足立ちで走るトカゲの映像のインパクトが強すぎて、何のコマーシャルなのか思い出せないという現象が起こりました。


 明電舎のコマーシャルは、このときの印象に近い感じがしましたね。

(※個人の感想です。某有名動画サイトでは絶賛するコメントが並んでいますが、まさかヤラセじゃないよね?)


 なお、初代『ウルトラマン』の第10話に「ジラース」という怪獣が登場しますが、私はこれ、エリマキトカゲのコマーシャルに影響を受けたと勘違いしていたのですけど、1966年の作品なので、私の勘違いだったようです。

 この怪獣、ゴジラのスーツに襟巻き状のものをつけただけなんですよね。



⚫新作ミステリーの進捗状況


 第2話まで書き終わりました。合計5000字くらいです。でもあと1話で終わるのか、それとも2話になるのか、まだ先が見えません。いずれにせよ、10000字前後の短編になるだろうとは思います。



⚫本日の猫


 ミミは少食な猫で、廃棄するカリカリフードが最も多い、残念な猫です。値段の高いカリカリを朝晩一包みずつあげているのですが、それでも残しがちです。


 一方でチロルにも同じく高いカリカリフードをあげているのですが、こちらは1~2時間おきに少しずつ食べます。相変わらず皿の上で食べないで、皿からテーブルの上に弾き出して食べます。こんな食べ方をするのはチロルだけです。

 片づけるのが大変なので、できれば皿の上で食べて欲しいです。


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