第31話 特捜部Q
龍造寺捜査課長は、未解決事件捜査班の特捜部Qに降格・配属された。というのは、応援を待たずに彼が強引に捜索に入り込んだ容疑者宅で銃撃を受け、龍造寺は重傷、同僚二人のうち一人は殉職、もう一人は再起不能の重傷を負うという失態を演じたからである。
龍造寺は未解決事件の捜査資料を整理する中で、自殺とされている資料に興味を持つ。女性で新進気鋭の政治家、天童時子で、時子は弟との船旅の途中で行方不明となり、その後も何も発見されないまま船上からの投身自殺と結論づけられていた。しかし、龍造寺は時子が誘拐されたのではないかとの疑いを持った。龍造寺は助手の城島とともに捜査を始める。捜査の過程で栃木県警に協力してもらったのがバレて、職務の範囲をこえているとして停職処分を受け、身分証を取り上げられるが、それでも粘り強く調査を続ける。
時子は自殺したとして捜査は終了されていたが、実は死んでおらず、長久手という男によって圧力室に加圧されて監禁されていた。犯行の動機は、時子の父親が運転する車が、長久手の家族が乗った車を追い越そうとしたときに、時子がいたずらで運転している父親に後から目隠しをしたために対向車線前方から大型トラックが来るのに気付くのが遅れ、あわててトラックを避けるために長久手一家の車を巻き添えにして転落させ、長久手の父親と妹を死なせていた事故を恨んでいたことである。生き残って車椅子生活をおくっている母親、虹子を介護しながら料理人をしていた長久手は、ある日テレビに時子が新進気鋭の女性政治家として登場しているのを見かけ、恨みを隠して接近・誘拐し、1年以上にわたって監禁していたのである。
龍造寺と城島は時子が監禁されている圧力室を探し出し、今にも死にそうな時子を救出し長久手を逮捕する。二人の粘り強く、命がけの捜査によって事件が解決したことで、木村警察署長は二人を刑事に復職させる。
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