第20話 放浪

 ガンマンの宇都宮は姉が住む町、鹿沼へ向かう途中、砂漠のど真ん中で下着一枚となった男、神馬を拾い上げる。彼はかつて無法者だったが、仲間の裏切りに遭い身ぐるみ剥がされたという。立ち寄った町で神馬は裏切った仲間の一人を見付け出して射殺し、そこで偶然かつての仲間だった頭師と再会し、彼から仕事話を持ちかけられる。しかし、足を洗うつもりでいた神馬は断り、宇都宮と一緒に鹿沼へ行くことにする。


 二人は別の町で理不尽な理由で逮捕されそうになったガンマンの城島を助け出すが、町の保安官善光寺から、宇都宮の弟、大輔が女絡みのトラブルで処刑になることを知らされる。宇都宮は大輔を助け出そうとするが、神馬が裏切った仲間を見付け射殺したため、逮捕されてしまう。大輔と頭師は脱獄して宇都宮と合流し、途中で善光寺の追手に見付かるが、城島に助けられ難を逃れる。3人は城島を仲間に引き入れて鹿沼に向かう。


 4人は鹿沼に向かう開拓民の一団と遭遇し、彼らの全財産を奪った強盗団から金の入った金庫を取り戻す。その後、神馬は強盗に夫を殺された真理子と共に入植地に同行し、城島は家族がいる開拓地に向かい、宇都宮と大輔は姉夫婦の家に向かう。しかし、鹿沼では土地の独占を企む牧場主、雑司ヶ谷が傍若無人に振舞っており、城島の開拓地は焼き討ちに遭い、彼の父、伝助も雑司ヶ谷の手下に殺されてしまう。真理子と別れて町に入った神馬は酒場の女、寧々と意気投合するが、その酒場は頭師の所有物であった。彼は雑司ヶ谷の手下として保安官を務めており、神馬はインフルエンザになった龍造寺の代わりに頭師に雇われて酒場の用心棒となる。


 宇都宮は大輔と共に今市に移住することを決め、真理子に別れを告げに行くが、そこに雑司ヶ谷の手下たちが現れ入植地を襲撃する。宇都宮は大輔と共に雑司ヶ谷の手下を撃退し、雑司ヶ谷との対決を決意するが、油断したところを捕まってしまい殺されそうになる。駆け付けた城島に助け出された宇都宮は彼の家に匿われ、彼の代わりに大輔に危険を知らせに行った城島は、ギャンブラーの堂島に騙され頭師に捕まり投獄されてしまう。


 雑司ヶ谷の手下たちは宇都宮の姉夫婦の家を襲撃し、放火した後に大輔と甥を連れ去っていく。雑司ヶ谷のやり方に憤った神馬は彼の元を去ろうとするが、頭師は寧々の身の安全を盾に肩入れしないように脅迫する。しかし、寧々に励まされた神馬は宇都宮の元に向かい、同じ頃に城島も妹、バニラに助け出され、宇都宮と合流する。三人は雑司ヶ谷の牧場を襲撃して大輔と甥を助け出し、決着を付けるため町に向かう。雑司ヶ谷は町で待ち構えており銃撃戦となる。


 雑司ヶ谷は宇都宮に手傷を負わせるが、追跡中に宇都宮の愛犬ドーベルマンに喰い殺され、頭師は神馬との一騎打ちで倒される。城島はバニラと共に町を離れ、神馬は新しい保安官に任命される。宇都宮と大輔は二人と姉家族と別れを交わし、今市に向けて旅立つ。

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