第7話

その後も何個か授業があり、今は昼休みに入った。

私と実香は二人で昼食の弁当を食べることにした。

前の時間から私の様子を伺っている美香は私の顔を見ながら言ってきた。


「まだ元気無いね。大丈夫そう?」

「うん、もう大丈夫だよ。」

「本当に?そうは見えないな。」

「本当だって、ほら弁当食べよ。たださえ美香は食べるのが遅いんだから。」

そう言い自分を誤魔化した。ただそれを見逃さなかった美香は。

「嘘だね。結はそうやって自分を誤魔化すよね。話なら聞くよ?弁当よりも結のほうが大事だよ。」


私は箸を動かす手を止めた。

「話聞いてくれるの?」と実香に質問。

「もちろん」と美香は答えた。


そう言ってくれて嬉しかった。少し気持ちが楽になった。

そう思い美香に思っていることを話した。


「私どうすればいいのかな。今まで好きで好きで堪らなかったのに今になって気持ちがどんどん無くなったような気がして。」

そう言う私に美香は優しく答えてくれた。

「そうだねー。もし諦めたくなければ諦めなくて良いと思うよ。でも迷ってるくらいならもう諦めた方が良いと思うよ。ちょっと厳しいこと言うとそのくらいかな。でも結が好きなのも分かる。なかなか諦められないんでしょ?」

「うん。」

「沼るよねー。それほど魅力があるんだろうね。」

「もう魅力しか無いよ!あの人は自分から話しかけて来てくれて、優しく接してくれたりしたり。私が言う事否定もしてくれないし。本当に好きで最高な人だよ!」


私は思っていること全てを言った。今日の板里君はあんなんだったけど、結局のところ良い人なんだと思った。そしたら美香はニヤリとしながらこっちを見てきた。

「ほら好きじゃん。好きな理由も言ってるし、良いところも言えるし、本当は好きなんでしょ?なら自分に正直になりなよ。いつまでもクヨクヨしてると相手も何処かに行ってしまうぞ!好きって気持ちをまずは自分が受け止めなきゃだよ。」

美香が言っていることは間違ってないと思った。確かにまずは自分が板里君の事を好きということを受け止めなきゃと思った。


「確かにそうだね。私少し間違ってたかもしれない。美香の言う通りだよ。」

「そう思ってくれるなら嬉しいよ。でもね、自分を攻めすぎても良くないよ。たまには自分を褒めてあげないと自分を保てなくなるぞ!」と言葉を強くして私に言ってきた。

「うん、そうするよ!ありがとう実香!」

「いいよいいよ!今度なにかお礼してね。」

「あ、はい。分かりました。」

そう言い私たちは少ない時間で弁当を急いで平らげた。


今回、実香に言ってもらったことは間違ってなかった。

私は言ってもらったことを無駄にはしたくないと思い、近い日いつか絶対行動に移そうと思った。

別に付き合えなくても良い。ただその時の気持ちを板里君に伝えられれば良いだけなんだ。

そして時には自分を褒めるんだ。今日みたいにクヨクヨせずいつまでも美香みたいな元気な人でいたい。そして楽しむ。

今を楽しむ、今を楽しみ悔いの残らない恋をしてみせる。

いつか実香に「思いっきり楽しんだよ」って良い報告ができるようになりたい。

付き合えなくても良いとは言ったがどうせならこの恋を実らせたい。


そう心に決めた私はすこしだけ


強くなった気がした。



いつか叶う恋と信じても良いのでしょうか―――

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