第2話
あの人と言うのは隣のクラスの
板里くんは私が一年生の時に同じクラスで好きになった人。
ー 一年生の頃 ー
春の頃、入学してしばらく経ちそれぞれ部活を決める時間になった。
教室にいる人は隣の人と部活に関して話していたりした。実香は私と席が離れており、話しかけるには遠すぎた。
そして実香は早速友だちが出来ており、その人達と話していた。つまり私は一人だった、誰とも話せず私一人で何の部活にしようか考えていた。
その時、隣に居た男子が話しかけてきた。
「ねぇ、部活決まった?」
そう、板里くんだった。私は話しかけられたことに驚き、顔が赤くなり熱くなった。こんな事はあまり経験したこと無かったからだ。
何か返さないといけないと思い「う、うん、でも迷ってるんだよね。」と答えた。
「何と迷ってるの?」
答えられなかった、陸上をしたいと言える自分がどこにも居なかった。
陸上をしたかったが中学の時の怪我がトラウマになり、するのが怖くなった。
でも陸上をしたい自分も居た。複雑な気持ちになり私は黙り込んだしまった。
それを察したのか板里くんは優しい口調で言ってくれた。
「自分がしたいことをしてみれば良いと思うよ。これに関しては他人が決めることでは無いし自分で決めれば良いと思うよ。もし結さんのやりたいことが見つかったら俺は応援するよ。」
嬉しかった。こんな事を異性の人から言われるのは多分初めてで何か頑張ろうと思った。私はこの人の為に、自分の為に、頑張ろうと思った。
そして会話の中で疑問に思ったことがあった。
「え、なんで私の名前知ってるの?」
板里くんはしれっと会話の中に私の名前を入れていた。
名前を言った覚えも無いので、私はかなり疑問に思った。そんなところに板里くんは笑いながら説明してくれた。
「ほらよく友達の子が君の前を呼んでるからそれで覚えたっていうか。」
「え〜?盗み聞きしてたの?」
「いやいや!隣りにいたら聞こえてくるんだもん、しょうがないよね。」
「まぁしょうがないか。」
そして私はまだ名前を知らなかったので名前を聞いた。
「名前なんて言うの?」
「あ〜まだ言ってなかったね。俺は
私は板里くんの名前を聞いた時また一つ関係が進んだと思った。
「板里くんさっきはありがとうね、そしてよろしく!」
私は笑顔でそう言い、入る部活を記入する紙に ”陸上部” と記入した。
この時点で私は板里くんの事が少し気になり始めた。
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