星座 2023/10/05

俺が星座に興味がないのには理由がある。

俺も小さい頃は、星が大好きでよく望遠鏡を覗いたもんさ。

将来は星を研究する博士になるのが夢だった。


あれは七歳の頃だったか、妖怪に出会った。

出会ってしまったんだ。

その妖怪は言った。

「お前の夢美味そうだな。食ってやる。寄越せ」

そう言ってあいつが手をかざすと、俺の胸から小さな光の玉が出たんだ。

その光の玉は、ゆっくり妖怪のほうに飛んでいって、そのまま食べてしまったんだ。

妖怪は満足したのか、そのままどっかに行っちまった。


それからはお察しの通り、星に全然興味が無くなってしまって、それっきりさ。

え、嘘だろって。

本当だよ。

というわけで、星座に興味なんてないから、俺はこのまま帰らせてもらう。

だから興味無いんだってば。

名誉?

そういうのにも興味はない。

だから、やめろ。

何回も言ってるだろ。

やめろ。

俺を星座にしようとするのをやめろ。

俺は星座になんてなりたくない。

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