巡り合えたら 2023/10/03

 いつかきっと運命の人と巡り会える。

 昔はそんなことを思っていた。

 だって運命の赤い糸で結ばれているんだから。

 どんなに辛いことがあっても、それを支えに頑張ることができた


 けれど巡り会えることはなかった。

 運命の人はいないないんだと思った。

 私は一生死ぬまで一人なんだんだと。


 でも違った。

 今はもう運命の人が隣りにいる。

 きっかけはこのアプリ。

 自分の事を入力するとAIが判断して、アプリがあなたにおすすめの人を紹介してくる。


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「うんめいのひとが、きっとみつかる、っと。ふう」

 婚活アプリの紹介文の下書きを終えて、ふうと、息をつく。

 とりあえずの文章なので、書き直したいところはあるが、後で直すことにしよう。

 何事も急いではいけない。


 背伸びをするとアプリの企画書が目に入る。

 運命の人と出会える、ね。

 謳い文句が本物ならば、誰にとってもとって魅力的な言葉だ。

 もちろん例外はいる。

 それはすでに運命の人に出会った人々である。

 私?私はこの仕事が終わったら、出会う予定だ。


 私の運命の相手、それは諭吉さんである。

 浮気なんてしない。この世で信じられるのは彼だけ。

 そういえば、近いうちに栄吉さんになるが、これは浮気になるのだろうか。

 いや、両方囲えば問題ないな。


 さて、そろそろじゅうぶん休んだから、仕事を続けよう。

 未来の運命のあいてのために


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