秋🍁 2023/9/26

「探せ、今日のテーマは秋だ」

ここは脳内会議所。

今かつてないほどに怒号が飛び交っていた。

「いくら出不精部屋の一人暮らしでも、秋らしいものの一つくらいあるはずだ。部屋中を探せ」


秋🍁というテーマは意味が広すぎる。なにかきっかけを探すために、調査隊は部屋を調査を開始した。

しかし何も出てくる気配がない。

「こちらアルファ。ありません」

「こちらベータ、同じく見つからない」

「ガンマだ。だめだ。ないぞ。この部屋の主は秋の気配を感じていないのか?」

部下たちが弱音を吐く。

「泣き言は任務を終えてからにするんだな。探せ。見つかるまで帰れんぞ」

挫けそうになる部下に発破をかけるが、正直自分も諦めそうになる。


「調子はどうかね」

声の方へ振り向く。司令官だ。

「は、部下も頑張っていますが進捗はよくありません」

「ふむ、仕方あるまい。今回はダジャレでも良いものとする。多少強引でも良い」

「ありがとうございます。聞こえたなお前ら。ダジャレでもよいとのことだ。気合い入れろ」

「「「ラジャー」」」

部下たちは調査を再開する。


しばらくしても部下からの報告はない。

無理か。撤退の言葉が頭をよぎる。だめだ、弱気になってはいけない。

「ありました」

沈みかけた思考が、部下の声によって引き戻される。

「よくやったアルファ。ものは何だ」

「洗面所の鏡に映る自分です」

「なんだと、それがどう秋と関係するのだ。オチをつけてみろ」

「もう見飽き(秋)ました」

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