口の悪い医者

 

第1話

患者「最近、頭痛が酷いんです」


医者「そうなんですか」


患者「僕、これはきっと5G電磁波のせいだと思うんですよ」


医者「わかりました。それでは電磁波から脳を守るためにアルミホイルを頭に巻いてみてはいかかですか?」


患者「さっきよりも頭痛がよくなった気がします。でも、先生は巻かなくて大丈夫なんですか?」


医者「えっと……私ですか?」


患者「ええ。先生は僕と違ってハゲているので電磁波の影響を受けやすいと思うんです」


医者「ああ、大丈夫ですよ。私はあなたと違って陰謀論なんて信じていないので」


患者「陰謀論なんかじゃありません」


医者「じゃあ、どうしてあなたよりもハゲている私が頭痛を起こさないんですか? 個人差があるにしても、私はハゲているので電磁波の影響を受けやすいんですよね?」


患者「……ごめんなさい」


医者「(わかればいいんですよ)。人のコンプレックスいじるとかマジでキモい。こいつ、早く雷に撃たれて感電死すればいいのに」


看護師「先生。心の声が漏れてますよ」


医者「(ごめんごめん)。本当にキモい患者の相手は疲れるわ」


看護師「先生。まだ直ってないです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

口の悪い医者   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ