第18話 休みの連絡
「とりあえず、これからの学校生活なにかあるか分からない。自分の首を絞めないように慎重に行動しないと」
愛ちゃんと関係を持ってから3日ほどは、愛ちゃんも学校に来
ていたが、最近また来なくなった。
ここで安心してはいけない。
裏をかくと、いつ現れるか分からないのだ。だからこそ、いつ目の前に現れてもいいように、それなりの緊張感をもって行動をしないといけない。
俺としても学校には来てほしい。高校生活を満喫して欲しいとは思うが、複雑な気持ちだ。
「そうえば、今日恋来てないよな」
「朝連絡しても返事ないから俺も心配なんだよ」
いつも、待ち合わせをして学校に来ている俺と恋だが、予定の時間に来なかったので何度か電話を掛けたが、応答がない。
メッセージをしてみても返信がなく、心配していたところだ。
「体調崩してるとか?」
「それならまだいいけど。事件とかに巻き込まれてたらどうしよう……」
「家庭内事件に巻き込まれる可能性なら十分にあるよな」
不吉な笑みを浮かべてくる真人。
「変なこと言うなよお前」
「凛久に連絡なしに学校休むとか絶対裏があるって」
「ないだろ普通に」
「今頃、恋が愛ちゃんにキレてるかもしれないぞ」
「んなバカな」
そう思ったが、 実際その可能性が少しでもあるのが怖い。
恋が俺に連絡を入れずに休むなんてことはまずありえない。
前、風邪を引いて恋が休んだ時はちゃんと俺に連絡をしてくれた。
となると、俺に連絡もできないくらいなことが起きている。
「やばい、なんか冷や汗搔いてきた……」
バレた……もしかして、バレた?
もしバレたとしたらなら、辻褄が合う。
俺に怒って連絡をしてこない。それで姉妹喧嘩が勃発&俺の顔を見たくないということで学校に来ない。
……そうでないと思いたいが、体の震えが止まらん。
最悪のシナリオに怯える中、
「凛久くん~? いる~?」
教室のドアが開くと、プライべートでは絶対に聞きたくない声が聞こえる。
「今日はタイミングが良すぎるぞお前!」
「え、どうゆうこと?」
困惑する愛ちゃんに、俺はそそくさと目の前まで移動する。
「恋の行方知ってるか? 俺がお前にそれだけが聞きたかった!」
「私もそのことについて話そうと思ってたんだけど……」
俺がグイグイと迫ってくるのに、少し引いた表情を見せる愛ちゃん。
「それで? 恋は」
真剣な眼差しを向ける俺に、愛ちゃんは重い表情のまま耳打ちをする。
「私たちのことがバレてその……喧嘩になってお姉ちゃんは当分学校に来ないか
も……凛久くんとも連絡しない……というか拒絶されてた」
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