第4話 正反対な姉妹
なんとも言えない空気が流れる中、
「お姉ちゃん、こんないい人をよく見つけたわね」
俺の顔をマジマジと見ながら言う。
「え、なに?」
唐突な発言に、俺は前のめりになって聞き返す。
「お姉ちゃんがお兄さんみたいないい人見つけられるの超意外だなーって」
「え、うん。そうなの?」
「だって、デート行った度に自慢されるしどんな人かなーって思ってたんだけど本当にいい人だったなんてねぇ~」
「自慢されてたのね」
「うん。気持ち悪いくらニヤけながら自慢されるよ」
「お、おう」
なんか嬉しいな。
恋にとっては自分の恥ずかし姿を妹にバラされただけなんだけど、こっちからしたらいい事を聞いた。
「だから、お姉ちゃんの彼氏がどんな人か一回会ってみたかったんだよね~」
パァーっとした笑顔で言う愛ちゃん。
あれ、案外姉の彼氏と浮気した事気にしてない……いやいや普通気にするだろ。
でもこの表情を見る限り全く気にしてないような気もするが、どうなんだろうか。
「そうえば、お兄さん名前は?」
うん。絶対気にしてない。名前聞く余裕さえあるもんな。
「菊池凛久だよ。君の事は―――」
「私は愛でいいよ~。恋じゃなくて愛だからね?」
「大丈夫、もう間違えない。……多分」
街中ですれ違ったらまた間違えそう。そのくらい恋と愛ちゃんは似ている。
名前も似てるしな。『恋』と『愛』恋愛に関わる言葉だし。
「流石にもう間違えないでしょ。だって私、お姉ちゃんと全然違かったでしょ?」
と、谷間を強調させながら言ってくる。
確かに違かった。
胸の大きさも愛ちゃんの方が一回りくらい大きかったし、下の毛も無かった。
声は似ていたが、より激しいのは愛ちゃんの方だったし。
……って姉妹の体を比べてはならん。
これじゃぁただの変態だ。
「ま、お姉ちゃんより良かったでしょ? 私」
「何が」
「エッチ、上手かったでしょ」
「………どこからその自信が出てくる」
「お姉ちゃんより私経験あるしー、胸も大きいからそうかなーって」
顎に手を当てる愛ちゃん。
もしや、恋と違って愛ちゃんはビッチなのか? 恋は付き合うのも初めてって言うくらい男性経験がないって聞いてるけど、多分、愛ちゃんはその逆だな。
じゃなきゃ初対面の男とホイホイホテルになんていかない。
ホント、顔は一緒なのに性格は正反対だなこの姉妹は。
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