第23話 風早き決断 - 下関、奪還の余韻

石田三成と伊達政宗は、兵士たちを引き連れ、緊迫した緩衝地帯を越えて、煙る戦場を目指していた。彼らの間には、統一軍の新たな戦略があり、どんな困難も打ち破るという確固たる信念があった。しかし、下関に到着すると、想定外の光景が二人を待ち受けていた。


予想していた戦火と砲声、士気を落とした武士たちの姿はどこにもなかった。代わりに、その地は静寂が満ち、勝利の余韻に浸っていた。西日本の武将たちの士気は、伝えられた使者たちの情報をもとに既に天に昇り、彼らの行動は稲妻の如く迅速であった。戦略が練られ、兵が動かされるよりも早く、勝利は彼らの手中に収まっていたのである。


「この勝利は、何だ?」伊達政宗が驚愕した声を上げる。


「私たちの戦略が届く前に...」石田三成が言葉を続けた。


彼らの目の前には、武士たちが武器を下ろし、家族や友人との再会を喜ぶ姿が広がっていた。使者たちが伝えた統一の志は、西軍武将たちにとって、敵を打ち倒すための最大の励みとなっていた。彼らは、戦略を待つことなく、自らの決断と勇気で朝鮮軍を圧倒し、下関を奪還していたのだ。


石田と伊達は、自らが持ってきた戦略が、すでに過ぎ去った戦いの記録となったことを悟り、同時に、この士気の高さこそが、日本統一への道を確かなものにするという深い確信を共有した。そしてその夜、二人は下関の奪還を祝い、九州へ渡る計画を新たな気持ちで語り合った。すでに始まった勝利の連鎖は、今後の戦いにおいても彼らを勇気づけるものとなるのであった。

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