第24話 再臨する夢の城

九州の地は想像以上に速く、日本統一軍の手に落ちた。圧倒的な連携と士気の高さによって、一握りの抵抗は容易に抑え込まれ、九州の各地が再び平穏を取り戻す。国内の覇権はほぼ統一軍のものとなり、新たな時代の序曲が静かに奏でられた。


物語は次の場面、将来の中心となる彦根城へと移る。如庵の未来技術によって設計されたその城は、革新的な美しさでありながら、機能性と堅牢さを兼ね備えていた。ここには石田三成と徳川家康が目指す、安土幕府再興の夢が息づいている。


城内では将軍職に就くべき豊臣秀頼の座を巡って活発な議論が交わされる中、三成は議論を牽引し、秀頼の将来像を丹念に描き出していた。彼の中には、豊かな未来をこの地に実現するという明確なビジョンがあった。


家康は一方で、三成の横で目を閉じ、内省にふけっていた。彼は新たな幕府の将来と自己の立場を考え、乱世の終焉と永続する平和を願う心を天秤にかける。この新しい安土幕府が、その願いを叶えるための舞台となることを信じていた。


豊臣秀頼の身の回りの準備が整う城の一室では、新たな政権の基盤が静かに固められていた。開幕が迫る新幕府に必要な様々な手続きや儀式が緻密に計画され、城はその歴史的瞬間を待ちわびていた。


三成と家康は、新時代の幕開けを共に見守りつつ、それぞれが抱く夢を実現するべく歩み続ける。二人の眼差しの先には、希望に満ちた未来が広がっていた。そして、彼らの夢と希望が叶う新たな歴史が、ここ彦根城から始まろうとしているのだった。

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