第4話 魔王は怒る


「魔王様、何をなさっているのですか?」

『魔物はこっち』と偽の看板をさしている魔王に、お化けランプが呆れる。


「勇者の動向を調べていたのだ」とごまかす。


 頭を横に振るお化けランプ。


 きまりの悪い魔王は、嘘をつき通すために実際に勇者の後を追った……。


 何気なく見に行ったが、そこには驚愕の光景が! 多くのモンスターが殺され、血の海が広がっているではないか!


「お前はか弱きスラミンじゃないか! ゴースタンまでも切り捨てられている。お前は、お前は……。勇者というのは心を持たないは悪魔なのか!!!」


 地面に両手を叩きつけ泣き叫んだ。辺りに地震のような激しい振動が起こる。歯を食いしばり血が出る。その顔は鬼のような形相だ。


「絶対に許さなんぞぉぉぉ!!」


 叫び声がはるか遠くの山までこだまする。

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