【再掲】第31話 脱線
◇
あたしの大きなメロン二つに興味津々なウィラに対して、ちょっとしたクイズを考えた。
ウィラが利用したことあるのかはわからないけど、間違いなく頭のいい彼女の事だ……今はちょっとだけ、おっさん化が進んでいるけどね?
「ナギのチョモランマの秘密なぁ~、気になってもうてうち、このままやと夜しか眠れへんで?」
「おう、普通に寝てるな?」
「「HAHAHA!」」
駄目だこのおっさん、早くなんとかしないと悪化することだろう。
早いところ出題しないと大変なことになる。
「そらな、睡眠の方が大事やからな?」
「確かに……ところでウィラ、富士山は見たいか?」
「あんたいきなりなに言うとるんや? ここにチョモランマがあるやろ?」
「ああ、なんと二つもあるぜ?……って、そうじゃねえよ!」
「「HAHAHA!」」
「冗談や、あんたもノリ突っ込み冴えとるやん?」
「関西人に褒められて光栄だよ。それで富士山はみたいか?」
「せやな、寿司、天ぷーらも追加してええか?」
「ウィラ、ご飯ならさっき食べたでしょ?」
「「HAHAHA!」」
「冗談や、うちまだそないな歳とちゃうで?」
「All right, クォーター分のジョークだろ?」
「ナギ、あんたうちのことようわかっとりますなぁ? ほんでクイズなんやろ?」
「お前、本当に頭がいいな? そうだよ、そんなウィラに問題だ。富士山が見れて、なおかつさっきのお前の願いが叶う場所がある……それはいったいどこなんだろうね?」
「おっ、ほんなら当てにいってええか?」
なんとなくイメージぐらいは湧いてくるだろうし、ウィラには優しすぎる問題かもね?
その割には悩んでいる様子だし、ウィラの性格的にもうワンクッションあってもいいかもね?
「賢いウィラちゃんには簡単だろうな?……だが、それじゃあ面白くないだろうし、もう一回ボケてもいいぞ?」
「ナギぃ、ほんまにうちのこと、ようわかっとりますなぁ? そら簡単すぎるんやから、もう一回ボケようか悩んどったんやで?」
やっぱりと言うのか、ウィラの楽しみたい、楽しませたい気持ちが伝わって来ていたのを感じた通りだ。
おいおい、今日出会ったばかりなのにここまで通じ合えるなんてさ、本当……人生って面白いよな?
「ナギ、今からでも航空チケットって取れるんか? 羽田から伊丹までやったら富士山見えるかもしれへんな。ま、飛行機のチケットがあれやったらな、新幹線の自由席ならいけるかもしれへんで?……ナギ、ボケッとしとらんではよ行くで?」
「そうだな、ところでお前……さっきの願いは?」
「あぁ~、それやとナギのチョモランマの秘密、どうやって解明すんねん? ポロリ期待してもサラシ巻いとるから無理やな……どっかで脱げばエエんとちゃうか?」
「おい、なに勝手にあたしを変態恥女扱いしてんだよ?」
「「HAHAHA!」」
「ほんならナギ、車手配してくれへんか?」
「ああ、一応単車と車なら運転出来るぜ?」
「そらええな!……って、なんでやねん! あんたまだ免許取れる年齢とちゃうやろ?!」
「あたしさ、今月の19日が誕生日だからさ、単車の免許なら取りに行けるぜ?」
「ほんまか? そら誕生日祝わなあかんな!
ナギ、プレゼントはなにが欲しいんや?……って、あんたそれまで無免やないかーい!?」
「「HAHAHA!」」
全く、流石は日独系狐顔美人の関西人だけあって、キレッキレのボケとツッコミだね?
富士山が見れる場所ってお題から、ウィラが飛行機、新幹線と順当にボケてくれたものの、車と来たから思わず口を滑らせたらさ、とんだやぶ蛇だぜ?
「そうそう、とりあえず教習所通うか、合宿にしようか迷うぜ?」
「せやな、はよ免許とらなあかんな……って、なに話逸らしとんねん!? あんたが元ヤン言うてもな、それ内緒にせなあかんで?……ナギぃ? あんたなに目ぇ逸らしとんねん? うちな、怒らへんからこっち見ぃや?」
ああ、まさに正論だね?……ま、ここは多く語ることもないだろうし、なんとか誤魔化そうとするあたしの視線は右へ左へ。
さっきのウィラが見せた、気恥ずかしさからくる時の反応とは違ってさ……ああ、こいつ怒らせたら怖いタイプだ……そんなウィラがさ、半笑いと言うか、口角が吊り上がって笑顔そのものなんだけどさ……目が笑ってないんだよね?
まったく、クイズのはずが……飛行機、新幹線と来ただけに、とんだ脱線だよな?───。
◇
───おまけ。
オッラ!
香坂 凪沙は、青春の一ページを刻み始める。 ーリトルビッチ・アンタッチャブル Days1 こうして二人は親友になったーをここまで読んでくれてありがとう!
本作の作中において、ナギが無免許運転を匂わす発言があったね?
もちろんこの作品はフィクションであって、創作におけるキャラクターのフレーバー要素にしか過ぎないけど、例えばそうだね……みんなの住む日本国だったらさ、道交法第64条(無免許運転の禁止)を違反しているし、重い刑罰が課せられるんだ。
だから、これはあくまでフィクションであり、みんなはちゃんと免許を取得して、安全運転をするんだよ?
わかったね? ラティーノとの約束だぞ?
それじゃ、また会おうな? アディオス!───。
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます