第8話
前書き!!
公開してから約12時間程。星の数が9個になりました!このペースは前まで書いていた現代ファンタジーを超えるペースでもあります。久しぶりにランキングに入りたいなぁなんてことを思いつつ、目標の10万字まで走り切ります。
やっぱり応援してくれている人がいるっていうのは自らの心の支えになります。
え?そういうのいいから早く本編みせろ?
前書きとか書いてないとやってられないんです(切実)!!目障りかもしれませんが、これからも私という作者を応援して頂けらば幸いです!
ちなみになんですが喉と鼻が終わってまして、回復次第学校に行きます(泣)
今日のような更新ペースはほとんどないと思ってください
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監督が出て行った後、俺は席に座り必死に台本を読み漁り始める。監督が言った通り、主人公のセリフは少なめであった。これなら大体1時間で終わるかな。
集中した俺に近づくものは一切いなかった。いや、実際には少しはいたのだろうが、今の俺にとっては全てがノイズとなってしまい、何も耳に入ってこなかった。
「やっぱりお兄ちゃんは凄い」
と熱っぽい視線で来崎茜が言っていたのも何も聞こえなかった。
達也が集中してからは撮影現場は殺伐とした空気感になってしまった。和気藹々とした現場は今や誰も喋ってはいない。いや、誰も喋れなかったというべきか。
それ程までに異様な雰囲気を醸し出していた。
いつの間にか携帯を右手に携えて監督が戻ってきていた。
「え?何この雰囲気?」
「ほら!あの子ですよっ!」
監督とスタッフがヒソヒソと話し合う。監督が信じられないものを見たと言わんばかりに目を見開いた。
「うちはとんでもない掘り出し物を見つけてしまったのかもしれないねん。あの集中力を上手く使えれば……」
監督がボソボソと呟く。その目は一点を見つめており、キラキラしていたが、眼光だけは鋭かった。
思えばこの時からだった。監督からロックオンされたのは。
そうこうしている間に1時間がすぎた。それと同時に達也が顔を上げる。
「台本全部読みましたよ?」
「え?もう呼んだねん?」
「はい」
「監督が言った通り、主人公のセリフが少なかったので」
監督が訝しんだ目で俺のことを見てくる。おおよそ1時間で覚えきる量では無かったからだ。実際もう覚え切った。頭の中には全て入っている。
「とりあえずやってみるねん。準備をはじめて」
スタッフたちがそそくさと準備を始める。俺と元主人公役の俳優は席の場所を入れ替わる。
俺の後ろに来崎茜がいる。緊張しない。といえば嘘だ。実際には物凄く緊張している。感覚が研ぎ澄まされ、心臓がドクドクと速いテンポで血を送り出しているのが分かる。
「ふっー。」
ゆっくりと深呼吸をする。まずは俺のセリフからだ。
今の俺を演じるだけだ
お前なら簡単だろ?
お前は自分すら騙し通せるんだから。
「3.2.1.アクション!!」
「———!!」
俳優や女優そしてアイドルまでがこの瞬間息を呑んだ。
完璧な人間の才能という暴力に充てられてしまった。
「——っ!?嘘!!?」
小さな声でそう呟いたのは西宮奏。ブルーナイトのセンター。さっきまでの達也とは纏っている雰囲気が違った。いや、そうじゃない。雰囲気はそのままだ。なんというか、達也だけが別次元に行ったようだった。
どこかでこれと同じ感覚に陥った。
あぁ、そうだ。来崎茜だ。
茜ちゃんと同じ雰囲気を纏っているんだ
それから奏は達也から目が離せなくなった。
あの子なんて言うんだろう?終わったら名前を聞きたい。なんてことを胸に秘めながら。
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