一章 出会いと再会
第3話
「……What?(なんだ?)」
──ひえっ。ボコボコにされるやつだ。
内心テンパリながらも外人と会話を続けてしまう。
「えーっと、その、…来崎茜 is cute……?」
なにやってるんだっ!俺!アホすぎないか。穴があったら入りたいんだが。早く会話を終わらせろよ。
「Hahaha!!That's hilarious!!(お前面白いな!!)」
むっちゃ笑われた。俺の顔を客観的に見たら茹でダコみたいになってる事だろう。
「So what are the real requirements?(で、本当の要件はなんだ?)」
外人の眼光が俺を捉えた気がした。
「sorry. I just spoke to you by mistake.(ごめんなさい。間違って話しかけてしまっただけなんです。)」
中学生でも作れそうな英文を作る。知っている英単語を並べ立てて、その場を乗り切ろうとする。
「Really. Excuse me, but could I see your student ID? I'd be in trouble if I was a suspicious person.(そうか。済まないが念の為お前の学生証を見せてくれるか?不審者だった場合困るんでな)」
「OK」
俺は学生証を外人に見せる。外人は若干驚いたような顔で俺の顔をまじまじと見つめた。
「Can you understand English?(お前、英語を理解できるのか?)」
「To some extent(それなりには)」
「I checked my student ID. Are you still in high school? Isn't it amazing?(学生証は確認した。それにしても凄いじゃないか。まだ高校生だろ?)」
「Maybe it's the result of hard work.(努力の賜物ってやつなのかもな)」
「Hahaha!!favorite. That's it. This is the Akane Kurusaki you were talking about.(気に入った。そうだ。あの方がお前が言っていた来崎茜様だ。)」
外人が体をどけ、俺が中を見やすいようにしてくれる。目に飛び込んできたのは、数々のスタッフが忙しなく走り回っている姿。
だが俺の目を1番引いたのは椅子に座っている女の子だった。幻想的で、その子の周りだけ空間が違った。次元が違う。人目見ただけであれが来崎茜だと分かる。一つ一つの動作が様になる。
髪型は肩あたりで綺麗に切りそろえられたショートカット。身長は小さめ。庇護欲を掻き立てられるような容姿。まるで世界の中心であると言わんばかりの容姿だった。だめだ。言葉に上手く表すことが出来ない。
「Sigh. You too? I was so fascinated by it「(はぁ。お前もかよ。見とれやがって)」
外人の言葉で我に返る。どれぐらい見惚れていたのだろう。そのくらい俺には衝撃的だった。
その時。来崎茜が俺の方を見た。1生徒がボディガードと親しくしているのを見て不思議に思ったのだろう。
来崎茜は俺の方を見て固まった。俺と来崎茜の視線が交錯し、そのまま時間が過ぎる。
「……えっ?」
来崎茜が発した疑問の声は外人に遮られて俺には届かなかった。
「Are you an acquaintance of the girl?(お前、お嬢の知り合いかなにかか?)」
「No, I just saw it(いや、今初めて見たところだ)」
「that's unusual. How can a young lady be interested in other people, let alone men(珍しいな。お嬢が他人に、しかも男に興味を持つなんて)」
その時学校中にチャイムが鳴り響く。来崎茜を見に来ていた野次馬たちが口々に感想を言い合いながらどんどんと散っていく。
「Well, I'll go too.(俺も教室にもどるわ)」
「Well then, I think we'll meet again soon.(じゃあな、またすぐ会うことになると思うがな)」
外人がボソッと言った言葉はその場から離れていた俺には聞こえなかった。
___________________
後書き!!
はいっ!ってことでようやく次の話から接点が生まれていきます。前置きが長すぎて申し訳ないです。もう少しだけお待ちください
少しでもこの作品の続きを見たいという方がいらっしゃいましたら星などで評価頂けると泣いて喜びます!モチベにもなりますしね!ではでは!
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