第5話 落とし穴の始まり

あんまり書きすぎると、その反動でしばらく書かなさ過ぎてしまうので、本当はいけないんだけど・・・書きたいときは書きたいよね。

ましてや、精神疾患持ちが休職して復帰したその後ってあまり情報とか無いような気がするので、記憶があるうちに記録しておきたい。

これが発達障害特有の「過集中」ってやつなんだけど。過集中は薬にもなれば毒にもなるので、使うタイミングを間違うとまずいことになる。燃え尽き症候群が隣り合わせなので、命取りになりかねない。

とか言っておきながら、書いちゃうんだよね・・・。


さて今回のお話は、先程あったように「復帰のその後」である。

復帰プログラムやって、医師の事前診察も保健審査も通って晴れて復帰!とはなったものの、その後はどうかというと・・・。

私の場合、うつが再発した。復帰したあとの状態は、本当に人によりけりだと思うけど、私の場合は再発した。

実際、医学的にも復帰後は一度うつの波が来ると言われているけど、私の場合はそんなもんじゃなかった。うつの大波、多分リワークやってたときよりひどかったように思う。まず、体が動かない。倦怠感がひどい。出勤してもひたすらやる気になれない。完全に抑うつ状態だった。そのせいで、平日5日間出勤できたことは、最近までほとんど無い。年次休暇も1学期で使い切ってしまった。それだけ、私の抑うつはひどかったのである。その原因は、もともとトラウマがたくさんある場所に行かなくてはならないことと、体力が十二分に回復していなかったためだった。

体力の回復は、歳を重ねるごとに運動することが求められる。しかし、一度落とし穴にハマった私には、外に出ることは非常に困難な状態になった。一日中寝たきりに近い状態で過ごし、出勤できないことを悔やむしかなかった。その有様は、登校拒否する不登校児と同じだった。そのことに県が黙っているわけがない。せっかく復帰したのにこの有様では、欠勤も危ぶまれる。というか私は年次休暇を使い切ったあと、欠勤もしてしまった。

で、この欠勤ってやつが非常に厄介な存在で、私はつい最近までこの欠勤の数に怯えながら生きていた。だって、(正当な理由がある場合は別)欠勤が20日超えるとクビになってしまうからだ。でも、体は動かないし精神はすり減っていった。今年度になって、私はやっと念願のホームグラウンドの機械科に異動になったものの、他のスタッフと相性が悪く、また先程の章にもあった記憶喪失により、今まで培ってきたものをすっかり忘れてしまった。それで、勉強し直したいと思って本を開いても内容は頭に入ってこない。完全な役立たずになってしまったのである。だからうつ病は恐ろしい。今まで当たり前にできていたことが、一気にハードルが上がったり、忘れてできなくなってしまったりする。しかも、私は旋盤実習で手伝おうとした結果、切削する厚みを間違えて足手まといになってしまうという大ミスをしてしまう。もともと無かった自信がますます削がれていった。おまけに今年の夏の暑さは異常で、体力も精神もどんどん削がれ、私は疲弊しきってしまった。そんな私に、県はあるジャッジを下す。県指定の病院へ診察に行け、というのである。それには、ある法的な理由があった。

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