天狗、東京に現る!

どうこく とうきょうステーションホテル】


かった、みんなたね」


 エントランスでかいをしているぶんむすめたちけ、おりはそうった。


たち何処どこったんだい?」

義理母かあさん。たちは、そちらのふじわらさんのむすさんがいらして、あるいてしん宿じゅくアルタにきましたよ」


 ちちおやが、おりうしろにしんげんけてそうせつめいすると、しんげんよこあずさかるくガッツポーズをする。

 しんげんはそんなあずさいちべつしたあとひとごとう。


なんじんやつたずねて来てたのか……」


 そして、つづけてあずさたずねる。


「それより、しん宿じゅくアルタとったらそこそこきょったはずひらおかさんのそくからだよわかったはずだいじょうでしょうか?」


 きみたけしんぱいしてしんげんがそううと、あずさうれしそうに信玄しんげんかってう。


からなら、しょうがくせいていがくねんえんそくきょたいしてわりません。このていげるなんじゃくものなどおとこではない、それにたいりょくけたいとったのはむすほう。そのためおりさんたちって、たいりょくともだちれててもらったのだから」

「そうえば。ひらおかさんがおっしゃっていた、しまこうせいしょうむすさんもいらしてましたよ。たしかにアレならようくんたのんでせいかいだ。むすさんがああうタイプのきらいなら、ウチのたい耀ようだとケンカしかねない」


 そうったたい耀ようちちおやに、たい耀ようははおやはんろんする。


しゅうくんいては、わたしほくくんほうちかかんじながするけど?」

わたしようくけど、みんな如何どうするね?」


 おりことに、たい耀ようははおやことかえす。


わたしばんをしています。みなさんでってください」

「それならわたしのこります。アナタ、おとこけてないかちょうだい


 ははおやがそうつづけると、たい耀ようちちおやう。


「それじゃぁばんたのむよ」

おれてきには、義理母かあさんやきみみたいにはってしくはないんだけど」

「アンタ如何どうする?」


 おりはそうって、あずさ信玄しんげんかおけた。


わたしきます。今日きょうは、貴女あなたいっしょるのがごとですからね」


 そうったあずさに、おりあきれたようかえす。


「アンタはむすきびしいのか、あまいのかかんないねぇ」

ふじわらさんは如何どうします?」


 あずさにそうかれ、しんげんすこかんがえてからへんをする……


わたし此処ここに……――」


 いや、しようとしたのだが……

 たい耀ようちちおやに、ことさえぎられる。


ふじわらさん。むすさんがわざわざいにたとことは、あまいっしょにはないのでしょう。いっしょきませんか?」

「……ですがはなしをくと、じんつまいにったはず。もしつまじんかったらなんとわれるか……」


 信玄しんげんがそうかえしたので、おりしんげんもんう。


「いいとしこいて、おとこなさけない」

「そうはわれましても……」


 そこまでったしんげんは、ぶんまわりのせんあつまっていることき、すこかんがことつづける。


かりました。きます、いっしょけばいんでしょう!」

「それじゃぁ、まりだね」


 おりがそううと、フロントがかりのボーイがおりかってはなけてる。


きゃくさまはなしがまとまりましたら、こちらにがいしゅつろくねがいします」


 そうわれたおりは、まわりのきゃくぶんたちていることき、とつぜんずかしくった。



 ★★★★



ごろ しん宿じゅくじょうくう


ちょうこんかい貴女あなたおもようにやりなさい。貴女あなたこうどうこせば、スセリたちなにかしらのこうどうこすでしょう」


 ときったはんしゃけっかいなかときにそうわれたみおかえす。


「……かったけど、どうして?」

ときめるのはけっこうつかれるのよ。ピンチにったらたすけてあげるから」

だいじょう?」


 すこしんぱいそうにそうかえしたみおに、ときう。


貴女あなたぶんしんぱいをなさい。ほら、あそこのいろいMのたてものなかに、どもたちはいってく」


 そうって、かなりはなれたからマクドナルドをゆびときに、 みおもんう。


ぼくえない」

「あら、ゴメンなさい」


 ときはクスクスわらいながらそううと、 みおけっかいからめんまでのきょかくにんし、ときにおねがいをする。


「ねぇ、したまでろしてくんない?」

「ゆっくりぶんりなさい。もしものときは、たすけてあげるから」


 しかしときにそうわれ、みおこまった。


たかいなぁ……)



 ★★★★



  ざわ ざわ ざわ


なんだ、うえからどもりてくるぞ!」

さつえいなにかか?」


 マクドナルドのなかせきすわりながらハンバーガーをべていたじんが、そとさわがしいことう。


そとなにったのか?」


 まどからそとかくにんしたじんは、せんようたちもどし、ことつづける。


「そうやぁかあさんがってたけど、きょうぐんってとこおにてんたらしいぜ」

じん、そんなばなしんじてるのかよ?」


 修治しゅうじがそうこたえると、じんくびよこる。


「そんなわけ……――」


 そしてじん修治しゅうじことていしようとすると、ようがそのことさえぎってう。


「それが、るんだなぁ」

なんだよ? ことるみたいなかただな」


 じんようにそうかえすと、たい耀ようはなしをつづける。


ぼくはそのきょうぐんんでるからね。しょうせようか?」


 そうったたい耀ようかたらで、ほくそとけてっていた。

 あいそとっているちょう

 かくれてよううかがっていたスセリは、ちょう姿すがたかくにんするとオモイカネにねんかくにんる。


(「オモイカネ、ちょうあられたわ。そっちにたりる?」)

(「る。スーファミとかものあそんでいるが、どちらかがにせもののうせいは?」)


 ねんでそうかえしたオモイカネに、スセリはすこかんがえてからへんかえす。


(「にせものつくれるのなら、わたしでは調しらべきれない…… ありがとうオモイカネ」)


 そうねんわると、スセリはオモイカネとのねんり、ちょうめながらおもう。


じょうきょうてきには、あのたちしかないんだけど。流石さすがにこれじょうせんさくか……)


 スセリはちょうしょうたいさぐるのをいったんあきらめ、てんまるねんおくる。


(「てんまるちょうしょうたいさぐるのはいったんあきらめます。あとをおねがいしていかしら?」)

(「しょういたしました……」) 


 スセリがオモイカネやてんまるねんをしているあいだに、ようたちはマクドナルドからて、ちょうかいをしていた。


「このロボット、ラジコンとかじゃないよね?」


 きみたけちょうんだマルてそうたずね、そのことちょうくびよこってう。


「このマルたしおみってうんだっけ?」


 そんなかいをしているどもたちを、つうこうにんたちそうにながめている。


  ジャラン


 ようたちみみに、しゃくじょうおとこえてる。


「そのかいわしぜてもらおうか……」


 ようたちこえほうかおけると、まえひかりはしらなかからてんまるあらわれ、ちょう錫杖しゃくじょうう。


わしさましょうたいなどきょういが、ぜんったときりはかえさせてもらうぞ」

「オジサンのちからぼくかないのはかってるでしょう? ぼくこうげきるならべつだけど……」


 そうちょうかえすと、てんまるかんがえる。


わしこうげきしないことかいしているか、やはりなにっているとみたほういが……)


「ヒョー」


  ガシャコン


 マルきながらてんまるんでたので、てんまるひるがえしてかわすと、しゃくじょうマルたたけた。


「ヒョー!」


 ダメージをけたマルが、ふらふらとちょうもともどって姿すがたて、てんまるさいかんがえる。


ごたえがったとことは、すべてをかえせるわけではいといことか。それよりも……)


だいじょうマル?」


 ちょうしんぱいそうにマルにそうったので、てんまるちょうけてう。


「やはりさまひとおさなか! オン、ヒラヒラケン……」

「おめなさいてんまる!」


 スセリがそうっててんまるまえあらわれ、てんまるじゅもんちゅうだんうしろに退くと、スセリにねんはなす。


(「スセリさまさきほどことどおり、わしゆうにさせていただく……」)


  ジャラン ジャラン


 しゃくじょうまわし、おおまわりをしながらてんまるう。


「オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ! ことよ、さくようものうごきをめよ」


 するとようほくえんじょうけっかいふうめられ、ちゅうく。


よう! ほく!」


 たい耀ようがそうさけぶと、てんまるようほくかって、ことくぎす。


下手へたことかんがえるな…… おまえたちがいわらべが、きず姿すがたたくないならな。まぁ、そのなかではたすけもべんだろうが」


マル!」



 ちょうめいれいで、かくからマルてんまるかってんでく。


「ヒョー!」


 しかしてんまるは、しゃくじょうとははんたいづちしゅつげんさせ、それをってマルはらった。


「ちっ、たらんか……」


 そうったてんまるづちて、たい耀ようてんまるく。


「それはおにまるってたやつだろう、なんでおまえってるんだ?」

「フン、彼奴あやつからけたのだ。そしてわし使つかえんとおもうでないぞ!」


 てんまるはそうって、づちねがいをいながらる。


がんぜんわらべおもいをだいし、わらべあやかしとせん。ぼんのうづちよ、われねがいをかなたまえ!」


 するときみたけしゅうじんきゅうひざくるしみす。


ぼくおとこらしく……」

やつなんだ、おれは、おれは……」

とおさん、かあさん……」


 そのようが、スセリにかってう。


「スセリ!」

よ、いまじょうきょうじゃ……」


 スセリがにそうかえしたそのときどもたちうしろのほうからじょせいこえがする。


じん!」


 こえあるじじんははおやふじわら すず

 ははおやこえいたじんは、がるとすずほうき、そのままフラフラとたおむ。

 じんり、じんかかえたすずじんう。


じんしっかりしなさい。じん!」


 いっぽうようているてんまるに、ククリからねんる。


(「ころあいいは、かったみたいね」)

(「これは貴女あなたがねか?」)

(「メディアとかしょくしゅひつようでしょう? おりもスセリもりょうしょうしています」)

(「そうことですか……」)


 ククリのねんで、すずあらわれたじょうなっとくしたてんまるは、きみたけしゅううごかなくったことかくにんしてう。


ちたか……」


 きみたけしゅうはそれぞれひかりにつつまれると、ひかりはべつ姿すがたって、ようたちまえ姿すがたあらわす。


 きみたけはなくちくわえ、じょうはんしんムキムキのふんどし姿すがたで、サイド・チェストのポーズをり8メートルほどきょだい

 しゅうはピエロのよう姿すがたる。

 すずふた姿すがたおどろいて、たい耀ようたちく。


「これは如何どうなっているの? あのたちたしじんともだちはず!」

「とにかくいまぼくかんかせぐから、みんなげて。マルきょだいして!」


 そうって、ちょうそでからキーホルダーをかかげる。

 するとあたりがいっしゅんくらくなり、あしもとつきけをしたけいばんような、ほうじんかびがり、ちょうまえたい耀ようげんえいがれ、そのげんえいきょだいはくどうきょうわると、いつのにかちょうマルなかた。

 ちょうつぶやく。 


なんだ、……まえちがう?」


 いっぽうたい耀ようたちは、すずマルれているうちに、そのはなれた。

 それにいたしゅうう。


ってよ、マイフレンズ。ボクをきらってげないデェェェェ!」


 そうったしゅうは、たい耀ようたちんでけてく。

 ときはそれをかくにんすると、ちょうねんはなす。


(「ちょうづちじゅばくほうほうおしえてあげるわ」)

(「ときちゃん?」)

(「あいこころくだけばいのよ。それとこうげきめいれいをするときは、げんいっしょめいれいなさい」)

(「それはかったけど、こころくだくってどうするの?」)

(「そんなのかんたんよ。あいいま姿すがた、あのきんにくなら、きんにくていすればい」)


 そんなちょう……とうか、マルよううかがっているてんまるかんがえる。


(やはりおそってはんか、とはえこのままではらちかんな……)



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