動く月

すこすぎ きょうぐん まきはたやましんりょうじょまえ


「おっかあ、ありがとう」

かえりは、此方こちらおくっていきますので」

みおかあさん、ありがとう」


 みおかおるときがそううと、みおははおやちゃいろけいワゴンにっていえかえってった。


みおしんりょうじょめてるので、かおるおもい、みおしつもんをする。


「どうかしました?」

きんちょうする……」


 そうへんかえしたみおに、ときあきれてう。


びょういんわけじゃないんだから」


 するとみおくびよこり、かえす。


びょういんれてるからだいじょう。そうことじゃなくて、らないひとうのがきんちょうする……」


 みおのそのへんに、ときさらあきれてう。


きんちょうって、アンタねぇ。うのはかおる従兄妹いとこよ」

「ですがしょたいめんですし、あまいけくんもともとひといがとくなタイプではりません。わたしれてたのですから、あまおこらないであげてください」


 かおるがそうフォローをしてくれるが、ときくびよこみおう。


「もうすこしシャキとなさい、そんなんじゃろく大人おとなにならないわよ!」

ろく大人おとなってなに?」


 みおにそうかえされ、ときなやだまむ。


(…… …… ……)


 そんなたりて、かおるときう。


ふしさん、あまいけくんがいきびしいんですね。わたしはもうすこあまかんじかとおもってました」


 かおることに、ときほんすこおこりっぽくかえす。


如何どうことよ、わたしみおしゃじゃないわよ」

なんだよ!」


 さらときことみおおこってそうかえし、ふたたがいにそっぽをいてしまう。

 たりふんかおるあわててう。


わたしうのもへんですが、従兄妹いとこしんぱいしますので、ふたともケンカはめてください。こっちです」


 そうったあとかおるしんりょうじょちゅうしゃじょうから、しんりょうじょうらまきはたやまげんかんまでたりあんないした。


  ピーン ポーン


「すみません、かおるです」


 インターホンをらしたかおるが、インターホンしにそううとげんかんのドアがく。


  ガチャン


「いらっしゃいかおるくん、それと……」


 むかえたは、たがいにそっぽをいているみおときて、かおるたずねる。


かおるくんふたはどうしたんです?」

じつさきほどわたし所為せいでケンカしてしまいまして……」

なにやってるんです、貴方あなたは……」


 あきれてかおるにそうに、ときがおつくう。


はじめまして。みやもとくんわるくないわよ、みおいのがわるいんだし」


 ときにそうわれたみおは、あからさまにげんわるかおをしていた。


(まぁおこってかえしたってことは、だとかくるのよねこの……)


 そんなことかんがえているときかおに、みおいったんけてからすこかんがえ、あいさつをする。


「……ごめんください」


 みおのこのこうどうはクスクスわらい、かおるときのクスクスわらいをおもう。


「えっと……いらっしゃい。とにかくいえはいってください」


 がそううと、さんにんくつまきはたやまげんかんがる。


「「おじゃまします」」


 かおるときがそうあいさつをしながら、さんにんあんないされリビングにかう。

 リビングにとうちゃくすると、りょう百合香ゆりかがスーパーファミコンをしてた。

 みおときいたりょう百合香ゆりかは、ゲームにポーズをけて、ふたほういてあいさつをする。


「よう、いらっしゃい」

はじめまして」


 たりあいさつたいして、ときがおあいさつかえすが、みおごんうなずく。


はじめまして」


 ときあいさつわると、みおこうどうらなかったりょうみおう。


「おいチビ。ひとたんだから、もうすこしキチンとあいさつをしろ」

「ゴメン……」


 みおあやまると、百合香ゆりかつづける。


「おにいちゃん。しょたいめんのちっちゃいに、そんなことわなくても……」


 かんちがいをしている百合香ゆりかに、かおるせつめいをする。


ちがいます百合香ゆりかさん。あまいけくんは、わたしどうきゅうせいです」


 それをいた百合香ゆりかみおあたまげ、りょうおどろう。


「ゴメンなさい!」

「マジかよ……」

「いいよ、れてるし」


 みおがそううと百合香ゆりかあたまげ、こんときはなしをつづける。


たりともわるいけどわたしかみ如何どうおもう。なんだけど、コソコソわれるのきらいなのよ」


 そう言われたりょうすこかんがえてから、へんかえす。


「そんなモンにすんのはおんなれんちゅうか、おまえこときなやつだけだろう」

りょう!」

「おにいちゃん!」


 りょうこと百合香ゆりかおこると、りょうすこしムッとする。

 そして、それをときはクスクスわらう。


なんだよ!」


 ときわらわれもんったりょうに、ときほほみながらあやまる。


「ゴメンなさい」


 そしてときおもう。


(このたちおなようかいが、なんわたしたち兄妹きょうだいないのかしらねぇ……)


 あねおとうとことおもかべながら、ときがそんなことかんがえていると、ときみおう。


「すみませんが、わたしみんなものようをしてきます。すこってください」

「それならわたしつだいます。りょうくん百合香ゆりかさんは、しばらたりあいをおねがいします」


 かおるがそうつづけてうと、かおるだいどころかった。

 だいどころいたふたは、だれだいどころかってないことかくにんし、かおるがオモイカネをごえぶ。


「オモイカネ、ください」


 ばれたオモイカネは姿すがたあらわすと、ごえう。


たりともろうきみはあのふた如何どうおもう?」

「さっきったばかりなのでかりません。ほんとうにあのたちてきなのですか?」


 ごえでそうかえに、オモイカネもすこなやんでごえかえす。


「それはわたしわからん。だいいちいまわたしにはスセリにきょうりょくするしかほうほうはない……」


 そうったあと、オモイカネはかんがえる。


(スセリはちょうてきだとけているふしる。だがどもたちはなしをかぎり、どもたちちょうてきとはにんしきしてはいないし、わたしもあのてきだとはおもえない。ちょうわれわれあざむいているのか、それとも……)


 いっぽうリビングでは、ときいまじょうきょうかんがえていた。


こうからオモイカネの気配はいかんじる…… とことは、ふたわたしたちからはなれたのはオモイカネとなにそうだんするためか。かぜまるおにまるは、かぜまる……ろうともだちいえことかくにんしてる。つまりとうきょうっているのはスセリとてんまることあそびにわたしさそったとことは、わたしうたがわれているのでしょうね。いつわりがバレたとはおもわないけど、とうきょうかぜまるいのでれば、此方こちらからたせてもらうわよ)


 ときは、ゲームをみおわった百合香ゆりかごえたずねる。


「ねぇ百合香ゆりかちゃん、ちょっとトイレしてくれないかしら?」

「それならかいだんちかくです」


 百合香ゆりかごえでそうかえし、ときごえでおれいう。


「ありがとう」


 リビングをてトイレにかうときに、りょうはゲームにポーズをけてたずねる。


何処どこくんだ?」

「おにいちゃん、こうときかないのがエチケットよ」


 いもうとおこられ、りょうはムッとしてゲームにもどった。

 りょうこえで、ときこうどういたときようかくにんすると、ときはトイレにはいってく。


  ガシャ 

   キウゥゥ ガチャン


 トイレにはいったときは、とびらめてごえじゅもんとなえる。


ひとみしときほうよ。われひとなんじ姿すがたうつたまったものゆえわれなんじあやつるモノとれ。アドウェルサス、テンプス、フォギィトゥ」


 するとかいときまり、まわりがくらった。


「さてっと……」


 ときみおよこにワープすると、 みおじゅもんける。


ときほうよ、神籬ひもろぎなんじことわりからかいほうせよ!」


 するとみおからだひかだし、みおまったときなかうごけるようった。

 とつぜんことおどろいているみおに、ときう。


おどろいた、みお?」

「コレ、どうってるの?」

わたしかんめたのよ。ようするとつかれるから、あまりやりたくはいんだけど…… くわしくはあとせつめいするとして、スセリのところくわよ」

「それはかったけど、姿すがたしたらバレない? ときもともどすんだよね?」

「それなら、もんだいいわ」


 そうったときむねまえに、しろはんとうめいちいさなかがみあらわれる。


「これはじょう玻璃はりのかがみうつれたモノをうつり、かたちとするわたしじゅぶつ。これがあればわたしたちわりわりをことる、さわっみて」


 ときにそうわれ、みおじょう玻璃はりのかがみれると、かがみしろひかったあとみお姿すがたへとわりみおごんおどろいた。

 そのようをクスクスわらいながらわったときは、じょう玻璃はりのかがみをもういちまいしゅつげんさせ、みずからのわりをつくる。


「そのかがみ、いっぱいるの?」


おもいそういたみおに、ときう。


わたしちからにはかいすうせいげんるのよ、ワープとかではだいじょうなんだけど…… そんなことよりきましょうか、貴方あなたたちよろしくね」


 そうわれたわりのいったいは、みおもとに、おなかっこうでスタンバイし、もういったいはトイレにワープする。


みおへんしんを」


 ときうながされ、みおはポケットからキーホルダーをし、じゅもんう。


「トゥ、エゴゥ、インヴァラスウス、ルクス」



 ★★★★



はんすぎ とうきょう しん宿じゅく


「おいきみたけだいじょうか?」


 ようたちしちにんはないのすえきはやすみながらあるきでアルタまでことった。

 そのゆうは、きみたけたいりょくつくりのため

 ちなみにどうきょだいたい8㎞ぐらい。

 やすやすみ、きみたけあずさからもらったいちまんえんいをしながらで、しょようかんおおよそ2かんはん

 そのはないできみたけようたちぶんとしかくしていたことや、たいりょくけたいことしゅうじんにバレてしまいおこっていた……

 が、しん宿じゅくころには、きみたけおこげんくなって……とうよりは、にそうにっているとったほうじょうきょうっていた。

 きみたけとはたいしょうてきに、ようじんたいりょくゆうり、ほくたい耀ようすこつかれをせていて、しゅうつうつかれをせていた。


 しん宿じゅくえきちかくで、マクドナルドをけたようう。


「そうやぁおまえ、マックってはいったことある? テレビではことるんだけど、おれちかくにはくてさぁ」

「それならはいってみる。ぼ……おれがおごるから……」


 きみたけすこすわりたいためそううと、よううれしそうにかえす。


「よっしゃ、マジかよ。そんじゃ……」


 よろこんでいるように、たい耀ようる。


「「よう!」」

なんだよ」


 おどろようたい耀ようう。


たかろうとするんじゃない!」

「そうよ、みっともい!」


 つづけてにそうわれたようは、ムッとしてかえす。


「そううつもりでったんじゃねぇよ!」


 ケンカをはじめそうなようと、たい耀ようほくめにはいる。


さんにんともみちあるきながらケンカはめようよ……」


 そんなにんていたしゅうは、きみたけがおう。


「ほら。おまえ所為せいでああったんだから、めなくていいのか?」


 そうわれたきみたけは、しゅうかるにらけておもう。


(おまえうな、クソ……)


 きみたけようたちせんうつし、にんはなける。


おれはいってみたかったんだ、だからようくんおこらないで……」


 さらほんしんにんかってう。


「それと、すこきゅうけいさせて。」


 じんはそんなきみたけに、しんぱいそうにく。


「おい、ほんとうだいじょうきみたけ?」


 すると、きみたけちからへんかえす。


「どうにか……」




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