20
午後のアトリエの絵の作業はとても捗った。帰り際に絵を見せてもらうともうほとんど完成しているようにのぞみの目には見えた。
「すごい」とのぞみは言った。
のぞみはその絵の奥を覗き込むようにしてじっとその絵を見つめた。
そこに描かれているのは間違いなく自分だった。なのにその絵の奥にあるものを見通すことがのぞみにはできなかった。自分の知らない自分がそこにはいるみたいだった。本当にまるでパラレルワールドがあってその世界に住んでいるアイドルではない普通の高校生になったのぞみが描かれているみたいだと思った。(架空の双子の妹がいて、そのアイドルではない妹の絵が描かれているみたいだった)
「この絵なんだけど、完成したらアトリエに飾ってもいいかな?」としずくは言った。
「恥ずかしいから絶対にだめです」としずくを見ながらのぞみは言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます