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 午後のアトリエの絵の作業はとても捗った。帰り際に絵を見せてもらうともうほとんど完成しているようにのぞみの目には見えた。

「すごい」とのぞみは言った。

 のぞみはその絵の奥を覗き込むようにしてじっとその絵を見つめた。

 そこに描かれているのは間違いなく自分だった。なのにその絵の奥にあるものを見通すことがのぞみにはできなかった。自分の知らない自分がそこにはいるみたいだった。本当にまるでパラレルワールドがあってその世界に住んでいるアイドルではない普通の高校生になったのぞみが描かれているみたいだと思った。(架空の双子の妹がいて、そのアイドルではない妹の絵が描かれているみたいだった)

「この絵なんだけど、完成したらアトリエに飾ってもいいかな?」としずくは言った。

「恥ずかしいから絶対にだめです」としずくを見ながらのぞみは言った。

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