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 その日は森に雨が降った。のぞみはいつもの白いパーカーに短い白いハーフパンツという格好で愛車の白い自転車を漕いで雨の降る森の中を移動していた。

 静かな雨。気持ちのいい優しい雨だ。黄色いレインコートを着るか悩んだのだけど着ないことにした。のぞみは雨が好きだったからだ。

 雨の日だったので、今日も森ではなくてアトリエでの作業になった。

「おはようございます」

と言って玄関を開けると、まず白いバスタオルを手渡された。一瞬バスタオルを手渡されて、あれ? 今日はもしかして本当に裸になるのかな? とのぞみは思ったのだけど、そうではなくて寒いからまずはお風呂に入ってという意味だった。(そう言われてのぞみは顔を真っ赤にした)

「ありがとうございます。じゃあ遠慮なくお風呂いただきます」と言ってのぞみはお風呂場に移動をした。着替えの服はもともと少しだけしずくの家に置かせてもらっていた。絵の具で服が汚れてしまったことが最初のころに一度あったからだった。

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