第7話 エロ差分には代えがたいエロさがある。
「さぁ、スカートをたくし上げてくれ」
俺は起こしに来てくれた幼馴染に、催眠アプリを起動させた画面を見せつながら、そんな言葉を口にしていた。
ここ最近、恵理に起こしてもらった後は、このようにスカートのたくし上げを要求する日々が続いていた。
まさか、こんなに幼馴染の履いているパンツが気になる日が来るとは思わなかったな。
……なんか、やってることは悪徳貴族の朝みたいだな。
まぁ、これも催眠アプリを手にする男の特権ということで、なんとか。
そんなことを考える俺をそのままに、今日も恵理はゆっくりとスカートをたくし上げてくれた。
羞恥に染まる顔と微かに潤んだ瞳。それらがこちらから逸らされて、微かに熱い息を漏らしたように見えた。
滑らかな吸いつきたくなるような太ももを晒して、そのまま流れるようにスカートをさらにたくし上げていって、そのままいつものようにパンツの下の部分だけを露にさせた。
現れたのは淡い空色をしたパンツの一部だった。下の部分しか見えていないが、それでも十分すぎるくらいの魅力がそこにはあった。
俺はいつものようにじっとそのパンツに視線を向けて、幼馴染のパンツを堪能しようとした。
しかし、そこで一度止まった手は、そのままさらにスカートをたくし上げていった。
いつもはそこで止まっていたはずのスカートの裾がゆっくりと上げられていき、俺の見たことのない景色を露にさせていく。
「え?」
徐々にパンツの下から上げられていくスカートの裾。それはそのままパンツの全体を晒しながら、可愛らしいおへそがちらりと見える位置まで上げられた。
露になっていたのは淡い水色のパンツの全て。パンツの上部には少し色の濃い青色の小さなリボンが付いていて、そのリボンから左右に分かれて下方向にフリルのような物が拵えてある。
初めて全体で見たパンツを前に、俺はしばらく言葉を失って魅入っていた。
パンツは部分的に見ることで、それ以上のものを想像させる物のだと思っていた。
しかし、その考えは違っていたかもしれない。
そう思わせるほどの魅力がそこには広がっていた。
「恵理……」
そっとたくし上げられたスカートの中にあるパンツ。俺は芸術的なその姿に魅了されて、手伸ばしてそれに触れようとーー
「いや、いかんいかん! 俺は紳士だ。変態であっても紳士でなければならないんだ」
俺はそのパンツへと伸ばした手をぴたりと止めた。
働いたのは自制心と紳士である心、それと罪悪感とか色んな感情だった。
それになにより、昨日固い決意をしたばかりなのだ。
そう、この催眠アプリに効果があると分かってから、俺はこのアプリの危険性も考える必要あると思った。
このアプリの危険性。それは催眠し放題なので、どこまでも要求する気になったらできてしまうということだ。
本能のままにこのアプリを使ってしまっては、恵理になんでも要求し放題になってしまう。
それはさすがに、一紳士としてやってはならないような気がした。
そして、悩んで悩んで悩み抜いた結果、俺は一つの答えにたどり着いた。
しばらくの間は、際どい所を触るのは禁止にすることにしよう。うん、しばらくの間は。
一体、その辛抱がいつまで続くか分からないが、変態紳士として際どい所へのタッチは封じたばかりだった。
それを思い出した俺は、そっと伸ばした手で空だけを掴んでぐっと堪えた。
でも、ただ堪えるだけではいつ暴走してしまうか分からない。
いや、どれだけ性欲に支配されているんだよとツッコみたくなるとは思うが、思春期男子の性欲というものは勢いが凄いのだ。
ただ勢いが凄いからといって、その全てを許してくれと言うつもりはない。
勢いが凄いのなら、それを少しでも緩和させる必要がある。ただ我慢するだけではなく、その折衷案として色々考えなければならないのだ。
さしずめ、今日の折衷案としてはこれがいいだろう。
俺はそんなことを考えると、スマホを軽く操作した後、スマホのカメラの先を恵理の方に向けた。
レンズを通して見た恵理は、恥ずかしそうに頬を赤く染めたまま、たくし上げたスカートをそのままにしていた。
そんな恥じらう乙女の姿を眺めながら、カシャッという音と共に、本日分の催眠は終了したのだった。
「啓介くん、スマホ見ながら歩くのは危ないよ」
「大丈夫だって、信号で止まったときしか見ないから」
そして、通学中。俺は催眠の解けた恵理の隣を歩いていた。
何も知らなそうな恵理をそのままに、俺は周りを警戒して、後ろに誰もいないことを確認してから今朝撮った恵理の写真を眺めていた。
そして、パッと視線を隣に向ければ、普段学校で見るような制服のスカートをたくし上げていない恵理の姿。
少しえっちな恵理と普段の恵理を見比べることで、えっちな写真の方はよりエロ差が強調され、普段の恵理の方もそのエロさに引っ張られる。
日常と非日常が対比してそこにあるというエロさを前に、俺は声にならないような声を漏らして感動していた。
触るのはさすがにマズい、それなら触らずにこのアプリを堪能する方法を探るしかない。
そんな思いから夜遅くまで考えた折衷案。折衷案というにしては、少しエロ過ぎた気もするが。
さすがに、何度も見ていると恵理もその視線に気づいたようで、何か言いたげにこちらを見ていた。
少しジトとしていながら、恥じらいを帯びているような視線。
微かに頬が赤いような気もするが……ん? なんだろうか?
俺はそのまま学校が近くなるまで、ちらちらと日常と非日常の違いを堪能したのだった。
あとは、家に帰ってからゆっくり見るとしよう。
そんなふうに考えても、休み時間の度に今朝撮った写真を確認してしまいそうになってしまっていた。
それでも、さすがに学校で恵理がスカートをたくし上げている写真を見るわけにはいかない。
どんなタイミングでそれがバレるか分からないし、バレたときに言い訳のしようがない。
俺はそんな危険性と、自分が紳士であることを何度も思い出して、その誘惑を何とか断ち切ったのだった。
それでも、登校中にスカートをたくし上げた姿を何度も写真で見てしまったせいで、普段の恵理の姿がいつもよりも少しエッチに見えてしまった。
あのスカートの中には淡い水色の下着があるんだと思うと、不意に恵理が視界に入ったときなどに必要以上に視線で追ってしまったりもした。
いつもよりもちらちらと恵理の方に視線を向けてしまったせいか、今日はよく恵理と目が合った。
なんか授業中にSNSの通知が来ていて、スマホを少しいじったときも目が合ったな。
その時が一番顔が赤かった気がしたけど、何かあったのだろうか?
少し考えてみても、結局その真相は分からなかった。何より、帰るころにはそんな考えもすっかり忘れていたしな。
早く帰って今朝撮った写真を見るとしよう。
下校中の俺の頭の中は、そんな思考でいっぱいになっていた。
そういえば、今日は恵理が家に帰ってから、俺の家に来るまで少し時間がかかってたな。
まぁ、たまにはそういう日もあるだろう。
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