第6話
翌日から魔法の練習を本格的に始める。
相手国も魔法使いがいるのでどんな攻撃をしてくるか予測をして対策を練った。
それはブルーノとイエローズが偵察に行っていたのである程度予測は出来た。そしてブルーノが言っていた協力してくれる魔法使いたちを紹介してもらい更に対策を練った。
カッシーが気にしていた姫様の身の安全のために偵察隊を編成して事にあたり、隣国の詳細を確認する任務も任せる。
後は姫様の婚礼の日を待つばかりになった。
婚礼が近づいてくると王子の周辺は慌しくなっていった。
その様子もブルーノたちの偵察で動きは全て把握することが出来ていた。
準備を進めていくうちに香奈は不安に押し潰されそうになる。そんな時、決まって花音が励ましてくれた。
香奈は自分に出来る事を精一杯やろうと心に決めた。すると落ち着いてきた。
姫様の婚礼に付き従うのはブルーノ、花音、カッシーに決まった。イエローズと香奈、リユウは後方支援にまわり何か問題が起きた時すぐ動けるよう待機になった。
何も起こらない事を祈りながら当日を迎えた。
「レオナルド殿、お久しぶりですね。」
わが国の皇太子、イルドは上機嫌で隣国の皇太子レオナルドに挨拶をした。
マリーは花嫁衣裳に冠をつけて、王位継承者としてレオナルドに会っている。レオナルドはブルーノ。イエローズ、香奈達を一通り見てからマリーを見ていた。その眼差しはとても優しく温かみを感じた。
「レオナルド殿。マリーを好きにしてもらっていい。いらなくなれば他国に売り飛ばしてかまわないぞ我が国では用無しの姫だからな」
イルドは更に上機嫌で話す。
香奈は怒りを覚えた。せそれはブルーノやイエローズも同様だったようで身体が動いていた。
「今は我慢して下さい」
カッシーがイエローズを止めていた。
「でも!」
イエローズが反論しようとしたが、それも止められる。
「もっと効果的な方法で反撃した方がいいですよ」
カッシーが悪戯ぽく囁く。
それを聞いてイエローズは納得したようで笑みを浮かべた。
両国の婚約式が終わるとマリーはレオナルドと一緒に部屋に行った。
イルドは隣国の大臣達と話しこんでいた。その周辺にはブルーノが言っていた協力者の魔法使いたちがいた。
香奈の脳裏に言葉が流れ込んでくる。イルドと隣国の大臣達の会話だ。
イルドは皇太子の立場を保証してもらえるよう念入りに話しこんでいた。
隣国の大臣達はマリーの王位継承権の確認をしている。
この内容はすでに偵察隊から報告かに上がっていたので余り驚きはしなかったがマリーの王位継承権の確認をしているのはやはり気になる。
両国はマリーの王位継承権をどのよう使うつもりなのか?
会話の糸口から推察できないか真剣に考えていた。
それにしてもイルドの態度にはひ不愉快でしかない。カッシーはイルドを見ていた。ふとした瞬間に笑みを浮かべいた。
何か思いついたのかこちらをみて笑った。
「レオナルドは信頼できるだろ」
カッシーが言ってくる。
香奈まもその意見に賛成だ。マリーへの対応に優しさを感じる。だが、
「イルドは要注意だな」
カッシーは顎に手を当てて考えている。
カッシーもイルドの行動に疑問視を向けているようだ。
何かあればイルドが行動を起す時だと思った。カッシーが偵察隊の魔法使いたちに何か合図を送っていた。
魔法使いたちは一斉に姿を消した。
カッシーが何を指示したのかわからないが不安はない。
そのうち教えてくれるはずだから。
香奈たちは偵察隊の魔法使いたちと一緒に空を飛んでいた。
それは姫さまの救出の為だ。
カッシーの想像だとそろそろ隣国が動きだすのではないかという事だ。
偵察隊の魔法使いたちが先導で香奈たちがその後ろにつく。
「ここから気をつけてください」
魔法使いたちに言われて気を引き締めて空を飛ぶ。
地上から何か飛んできた。
見ると火の球だ。先日の花音を思い出す。
「アレが当たったら死ぬね」
花音がびっくりした様子で言ってくる。
確かにアレが当たったらひとたまりがない。魔法使いたちの戦いはこんなカンジなんだと分かる。
しばらくすると攻撃は収まってきた。
魔法使いたちはある建物に入って行く。その後について香奈たちも入って行く。
建物の中はごく普通の部屋の作りがあった。
新室と残り2部屋。その内の一部屋に姫様がいた。
「あなたたちが香奈と花音ね。あとはカッシー?」
姫さまに知ってもらっている事も驚きだがすごく若く見えて驚きを隠せない。
香奈は姫さまの服装が気になった。
体型を隠す様な服装にお腹回りがふっくらしている。
「あゝ、これね」
姫さまも香奈の考えが分かったようでお腹に手を当てて笑顔を見せた。
周囲に隣国の人たちがいないことを確認してから話始めた。
「この国がどう出るか確認する為に一芝居打つ事にしたの」
姫さまの説明にカッシーが食い付く。
「レオナルド様は何と?」
「大丈夫だと言っているわ」
「ですが、バレたらただではすまないなのでは?」
「そうなんだけど、最初の一歩はこちらからがいいだろうとなって」
姫さまは困惑していた。
たしかにここまで反応するとは思わなかったようで戸惑いが見えた。
カッシーは何か考えている。香奈はその様子を見ていた。
姫さまに危険が及べば救出しなければいけない。その為、佳奈は部屋の様子を頭に叩き込む。
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