第5話 新たな仲間

「ブルーノ!早く!」

「イエローズわかっているわ」

二人は隣国の偵察から急ぎ帰ってきた。

とにかく速く香奈と婆さまに話さないといけないと気が急いて落ち着いてなんかいられない。

香奈と婆さまが居ると言われた部屋のドアをいき追いよく開けた。

「ブルーノ、イエローズ。どうしたの?」

香奈は突然開いたドアを見て驚く。

「ブルーノ、イエローズ。もう少し、静かに入って来れないのか?」

婆さまにいわれてブルーノは恥ずかしさが出てきた。

イエローズはそれよりも早く話しがしたかった。

イエローズが息を切らしながら、今見てきたことを説明した。

「香奈、どうしよう」

婆さまは香奈に聞くと香奈は少し考えた。

「姫様はどうおもわれていますか?」

「姫様は覚悟を決めている。隣国の皇子もこちら側につく事を決めた」

婆さまの答えに香奈はあ笑みを浮かべる。

「それじゃ!計画通りに進めましょう」

香奈も覚悟を決めた。



香奈はブルーノと一緒に花音たちのところに行った。

今後、協力してもらいたい事もあったのでその話をする為に。


「皆んなに協力してもらいたい事があるんです」

香奈は花音、カッシー、リユウに頭を下げて話したところ三人とも快く協力してくれる事になった。

三人から返事をもらったころ、イエローズが空からやってきた。

「私も空を飛びたい」

花音が言うとカッシーとリユウも飛びたいと言い出した。イエローズとブルーノは仕方なく私たちに空の飛び方を教えてくれた。

「それにしても、王位を継ぎたいからって妹を他国に売る様なことが平気で出来るって事は許せないわ」

花音はさっきから怒っていた。

余程、理解し難いなのだろ。カッシーとリユウは複雑な表情をしている。

花音は怒りながらも飛び方を真剣に聞いている。その集中力はすごいと感心した。そして香奈も負けずに集中して飛べるようになっていった。

「隣国の皇子は信用できる人物なのか?」

カッシーが聞いてきた。

「それは確認済です。」

ブルーノが答えた。

香奈もそれを聞いて安心した。

その後、4人は何ができるのか話し合って、計画を立てた。 



「隣国の皇子が味方についていても心配だから隣国の内部の情報は逐一調べた方がいい」

カッシーの提案に一同考えこむ。

前線の魔法使いは私とイエローズがします。それ以外にも協力してくれる魔法使いたちはいますのでその者たちに協力を仰ぐつもりです。

ブルーノが言うとカッシーはできるだけ人数は最低限にした方がいいと言ってきた。

「どうして?」

イエローズが聞くと裏切り者がいるかもしれないからとカッシーが言った。

「私たちは何をすればいいの?」

香奈が聞くとカッシーは平然と言う。

「姫様にもしものことがあったら救出しないと行けないからその時はよろしく」

「カッコいい!」

花音が感嘆の声を上げる

香奈も感心する。

いざとなったら姫様を助けないといけない。その為の情報収集に準備をして待機しないいけない。



「いいか! コレは戦争になる可能性もある。気を引き締めてことに当たるように。それぞれ得意な魔法をきちんと使えこなせるように練習をしておくように」

カッシーの言葉に気が引き締まる。失敗は出来ない事だと改めて思う。

「なんか、部活みたい」

花音はたのしそうに浮かれている。

香奈は楽しむ余裕なんかなかった。

―8―

次の日から本格的に魔法の使い方を教えて貰った。魔法は簡単に言うと気力と体力が必要でどちらか一方がたりないと上手く作動しない事がわかった。

香奈は考えこんだ。気力と体力の両方を自在に操る方法を。

花音とリユウ、カッシーはすぐに操れるようになったが、香奈はなかなかうまくいかない。

それともっと別の事が気になっていた。

「何考えているのですか?」

リユウに聞かれてごまかそうとしたけど諦めた。

おそらく香奈の考えているのが読まれているようだ。

「カッシーってどんな人かな?」

リユウが分かると思わないが聞いてみた。

「大学生で経営者だけど」

リユウの回答に二度驚く。

自の記憶に残るカッシーが現実を帯びる。

何処かでみた記憶があった。

大学生で会社を作った人だ。

どうりで会話に安心感がある。

これからのこともしっかり考えいそうだ。

リユウもギフテッドといわれている人物だ。

香奈は先行き安泰だと思う。

『何か心配事はありますか?』

リユウに聞かれてドキリとした。年下のリユウに心配されていた。

「もう、大丈夫です」

香奈笑みを浮かべて答えた。

リユウはそれを聞いて安心したのか自分の魔法の練習を始めた。

香奈も自分の魔法の練習をした。

少しずつ正確性がでてくるようになったとき、花音が暴走した。

「花音!」

カッシーが花音を後ろから抱えた。

花音の掌から出ていた火の玉が弧を描きながら空を舞った。

香奈は驚きの余り腰を抜かした。

「あそこは村人の居住地だ。日の玉を投げこめば、ひとたまりもなく村人たちは死んでる。」

カッシーがいいたいことが分かると花音は恐しくなったのかその場に座り込む。

リユウがそばにいき宥めている。

香奈はうごけなかった。

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