第3話 皇子の思惑

「アイツがどうなろか関係ないだろう。この国のためになるんだから、本望だろ。なんか文句があるのか?」

この国の第一王子は自信ありげに喚き散らしている。

周囲にいるこの国の重臣たちは反論を躊躇っていた。

いくら正妃の子ではないと言うが王の子であることは事実だ。それを政治の道具のような扱いをしていいいのか躊躇している。

同時に同じ部屋に潜んでいたブルーノとイエローズは怒りを抑えるのに必死だ。これが婆さまからの依頼でなければ、飛びかかって殴り倒したい衝動に駆られていただろ。

二人にとって天使のような王女、マリーの行く末を心配した。その為、衝動に駆られるのを必須に抑える。

その後も息を潜めて探っていると次々と王子の思惑がでてきた。

ブルーノとイエローズはそれを阻止する方法などを考えた。

王子はひと通り騒いで気が済んだのか、部屋から出ていった。

「ブルーノ」

イエローズが心配そうに近付いてきた。

「なんとかしないとね」

ブルーノもそれだけを言うのが精一杯だった。

とりあえず、婆さまに報告することが最優先だから、戻る事にした。

「そうか」

婆さまはは二人の報告を聞いてそのひと言だけ言った。

「婆さま!姫様の為にもなんとかしないと!」

「まあ、落ち着け」

「婆さま!これがおちつけられる訳がないです!」

イエローズが叫んだ。

「策は考えている」

「どうするつもりで?」

ブルーノが聞き返す。

「姫様には隣国の皇子に嫁いで貰う」

「?」

「婆さま?」

「姫様も承諾済みだ。それに香奈から有意義な提案があった」

「香奈から?」

「どんな提案ですか?」

ブルーノが聞き返す。

「王子が姫様を騙して何かをしようと画策するのだからこちらはその裏をかけをればいいと言われた。」

「その裏って?」

イエローズは未だ理解出来ていない様子だ。

「ブルーノ、隣国へ行ってもらいたい」

「行って何をすればいいのですか?」

ブルーノが確認すると婆さまは笑いながら行けば分かるとだけ言った。


半信半疑ながらもブルーノは旅立った。

出発直前まで香奈に後をよろしくと言っていた。

香奈はブルーノにとって姫様はとても大切な人物なのだと感じた。

ブルーノが何かを掴んでくるのを期待して佳奈は送り出した。

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