作者様は何を思ったのか、一作だけでもエタってみせる!という妙な挑戦心がみなぎったせいで勃興してしまいます。エタらせる為の企画としてやっているのに、本心にはどこか抗う精神が立ちはだかり、そのせめぎ合いの中、物語は進行します。そんな倒錯した思念体を思わせる感情の筆跡が魅力的な本作。軽妙な綴りも小説の枠を超えて、音の領域にまで広がりを見せ、改めて作者様の多大なる経験値の深さと、慈愛に満ちた温かさとを感じつつ、エタりの本懐としての訴えが心の耳朶を打ちます。
この物語に終わりはない?ーーそう、エタに続くのですーー敬愛なる作者様より