第20話 復讐鬼

あっ…

想定外だけど、見える!にーにのステータス!ふへへ…じゃなくて!

体力は回復してる。でも、これはデバフ?

"脆弱"

詳細、見えるかな…「"鑑定"!」

…見えた!


脆弱

・正気を保つには体力と精神力が削られる

・体に負荷がかかればかかるほどその値は増幅する

・状態異常に完全耐性を持つ


「なに…これ…」

さっき"鑑定"でにーにの体力が8240あるってことがわかってる。

「………。」

「…"精製"」

私は、睡眠誘導のポーションを作った。

心を殺して、飲ませる。

これが今私にできる最善。

「"鑑定"」


お兄ちゃんはこれで最小の労力でいられる。たぶん。

「…ねぇ。冬華さん、私たちのこと、見てるんでしょ?いつもそうだったよね?」

自分でもわかるくらい、声色が重くて、冷たい。

「見てるのはわかってる。聞き逃げるならそれでいいよ。元々信用なんかしてなかったから。

これは、あなたがやったの?それともアリエボのせい?またはそのどちらでもない?

…答えないんだね。卑怯者_」

「…"精製"」 幸運を1つ。それを飲む。

「"精製"」 筋力増強を1つ。それを飲む。

「"精製"」 速度上昇を1つ。それを飲む。

「"精製"」 拘束を3つ。

「"精製"」 幸運を10本、それを2本ずつ「"調理"」

「私からお兄ちゃんを奪おうとするなら、それと同等のものを私が奪うだけ。それ以下じゃなにがなんでも許してやらない。」

兄を背負う。さっき作った拘束デバフで、

私の足と、兄の足をそれぞれ。そして私の首前に兄の手同士を。

復讐の炎を灯した身は、止まることを知らず。

ただ歩幅を進めるのみだった。

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