第8話 未知への強化

「さぁ、経験値になってもらうぜ?」

僕は、思いっきりモーラボールに素手で殴りかかった。

今、倒すためには、こうするしかないのだ。

低級魔敵イニミコスとは言っても、こちらが素手であれば雑魚もザコではない。

1体を集中して攻撃しているものの、周りにはたくさんのモーラボールに囲まれている。

体はすでにボロボロだ。

だが、これは想定の内だ。

だからさっき、しっかり打ち合わせをしておいたじゃないか。

僕は、カメラを上壁に向け、フラッシュをつけて、シャッターを切った。

すると、打ち合わせ通り、櫻良が手のみを入れて回復料理を入れてくれる。

味わう暇もないが…っと。

もちろん「完全復活だ…!」

モーラボールの素魂量は1000。

一撃でどれくらい素魂量を減らせているかはわからないが、1体に集中して殴りかかっているんだから、200回程度は殴っているだろう。

これを永遠に続ければ、必ず倒すことができるはずだ。

…っと?アリエボにメッセージ通信が。

魔敵イニミコスの素魂量の残量はこのアリエボを介して知ることができるぞ。ぜひ役立ててくれ。』

こえぇな…ずっと監視されてんのかよ。

さてさて…ヤツの残魂量は_80…?僕の素手、意外と強いのか…?

だったら、話は早い。ここにいるモーラボールをこの素手と櫻良の力で狩りつくすだけだ。

1体目、2体目、3体目…

櫻良の回復能力を乱用しながら狩っていく。

4体目…5体目を倒した時、体全体に衝撃が走った。

初めての体験だったが、言わずもがな、これが趣味ウェポン機能拡張完了の合図であるということが分かった。

『アリエボには自分の取得した能力を把握することができる機能がある。うまく活用してくれ。』

…またか。

まあ今回は助かったのでよしとしよう。

_何々…"カメラに写したものを復元・削除・複製する能力(小)"

なるほど…こりゃ使えるな。

僕は周りにいるモーラボール簡単にカメラのシャッターで切り取った。

そして_

「削除!!!」

…経験値めちゃくちゃ簡単に手に入るんですけどーーー。

とりま、これで多分スカープライノーサウスは攻略したも同然だな。

さて、戻るか_


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素魂量について

魔敵イニミコスの体力のことです

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