第6話 挑戦者のスタートライン

「うん…。ごめん、全っっっ然追いつかないけど、きっとそうなんだろうね…。従うしか方法はなさそうだし。」

櫻良に内容を伝え終わったのち、アリエボに指令が届いた。

「…今、指令が届いた。ひとまず、動こう。内容は、っと。魔敵イニミコスの殲滅…?

それくらいなら、別に僕に任せる必要なんてないだろうに。」

「んーお兄ちゃんならとりあえず写真に収めたら終わるし、そういう意味で捕らえられたんじゃないかな?こう…なんていうか…お掃除屋さんみたいな…?」

「…だったらいいけどな。」

ぴこんっ。

アリエボにメッセージ通信が届いた?

「えっとなになに…『指令中のみ牢屋の鍵を開ける。終わったらまた入ってくれ。入らないと…。』

あの人こえぇよ…。」

「…なんか漫才でもしてるみたいだね?」

「確かに向こう側に敵意がなさそうにも感じるな。でも、警戒はしておくに越したことはない。魔敵イニミコスを倒しに行こう。」

僕と櫻良は指定された場所に移動し始めた。

目的地はこの研究所の中にあるらしい。

だとしたら、殲滅に重きが置かれているというよりは、趣味ウェポンの性能を試されているという気がしてならない。

今はどちらにせよ、動かない手はないが。


目的地に到着したとき、僕は納得した。

「げぇぇ…まじかよ。」

「あんなのもカメラに収まるのかな…?」

研究所の中の一室。かなり大きな部屋にたどり着いた。

その部屋に居座っていたのは、スカープライノーサウスの群れだ。

しかも現物ではなく、おそらく仮想データのものだ。

基本的にはあのような仮想魔敵イニミコスは低級魔敵イニミコスを対象として召喚し、趣味ウェポンの練習をするために使うものだ。

それというのにスカープライノーサウスなんていう超級魔敵イニミコスを3体も召喚しやがって…。

「櫻良。部屋の外で待っていてくれ。カメラに写しさえすれば勝てる。回復が必要になる場合は想定したくないが、もしその時がくれば回復どころではないだろう。一応、やばそうになったら合図を送る。扉を少しだけ開けて、投げ込んでくれ。」

「そんな…危な…。いや、そうだね。お兄ちゃん、信じてるよ_」

互いの信頼を視線で見せ、アイコンタクトで行動に入る。

僕は3体を写せる角度へ、櫻良は部屋の扉を目指し、同時に動き始めた。


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スカープライノーサウスについて

角が"するどいサイ"です

通常では、危険区域として指定されている場所にしか生息していないような、超級魔敵イニミコスです。

基本的にはパーティを組み、40~50人がかりでようやく1匹倒せるかどうかといった強さを誇ります。

さて、才斗はどのようにこの3体を倒すのでしょうか。

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