第2話 最後のシャッター
大抵、こういう悪い予感は当たることが多いものだ。
僕なんてもろにそう、そうに決まってる。
「あー…そうかぁー。」
さて、どうしようか。朗報と、悪報がある。
まずは朗報から。
”良くないやから”のご登場ではなかったみたいだ。
そして悪報は、っと。
「多いなぁ、、まったく…。」
まあまあの数のリンプリザードとのご対面。
「私の
櫻良の大事なフライパンが空に飛んでいる。
まーたあいつは面倒ごとに巻き込まれたのか。
正直、本当にめんどくさい。
…ん?待てよ?
「もしかしたら…。僕にも…。」
そう考えた瞬間、"あの時"のように僕のカメラに違和感を覚えた。
やってみてから考えるしかないだろう。ミスはできないが、やらない選択肢はもはやない。
その決意を胸に、僕は首から提げているカメラのレンズに目を向ける。
「今度こそ、僕の期待に応えてくれ…!
レンズ越しに見えるリンプリザード、数はざっと…8体。
まとめて全部仕留めてやるさ。櫻良のためにもな…!
全個体がレンズに収まった、その瞬間、僕は叫ぶ。
「櫻良!画角から外れろ!早く!」
「お、お兄ちゃん!?…わかった!死角を教えて!」
「こっちの壁に寄ってくれ!」
櫻良は理解したと言わんばかりに頷き、駆け足で移動する。
その間も、僕はリンプリザードたちをレンズに捉え続ける。
櫻良が画角から外れた瞬間、
…カシャッ。
シャッターを切った。
周りの他の客は、リンプリザードから逃れるように遠く離れていたため、そちらにも被害はない。
…勝ったぞ。この賭けに。
あの8体のリンプリザードはいなかったかのように姿を消した。
そう、僕の
「お兄ちゃん、ありがと…。」
「櫻良とフライパンが無事でよかったよ。」
「…それより、お兄ちゃん、まさか…。」
「あぁ、僕の
「よかったね!!これで私たちも認められ_」
「いや、僕はこの
「そんなに強大な力があるの…?」
「…この
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人物紹介
外出するときは必ず、愛用しているカバンに、少し深底のフライパンと、ドリンカー(飲み物を作る道具)、包丁などの調理器具を入れて肌身離さず持っている少女です。
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