第3話 家族になるらしい

えっと、神様の言っていたこと通りにいくと、ステータス表示って心の中で唱えるんだっけ。


…わ!びっくりした。へー、なんの音もなく現れるんだ。


ブラッドが唱えると彼の目の前には水色の半透明な板と文字が現れる。


・・・・・・・・・・・・・・


種族:人間

名前:ブラッド

年齢:16

HP:20/20

MP:15/15

パワー:13

スピード:17

器用:15

装備:

スキル:鑑定1

自然治癒1

魔力回復1

料理上手1

麻痺無効

毒無効

称号:(転移者)


・・・・・・・・・・・・・・・


種族まででるんだね、結構細かいな。年齢は16歳か。確かに大人に心配される歳だ。


スキルの鑑定ってあれだよな、いろんなものの詳細がわかるやつ。試しに何か鑑定できるかな。自然治癒とか魔力回復は何となくわかるし、これも基礎知識の一部かな?…転移者を鑑定しよう。


–––称号転移者の鑑定結果です。


うぉ、急に音声はびっくりするな。


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転移者:異世界から転移したものに与えられる称号。他の者よりステータス上昇や魔法の上達速度、スキルの熟練度が上がりやすくなる。


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…えー、まじで漫画の世界すぎる。ようは、成長速度が速いわけでしょ、チートじゃん。


うーん、ステータスが分かってもなぁ…。したいことはまだはっきりしないから、レイブさんにいろいろ話を聞こうかな。


今後の事だがまだ奥さんと息子さんと話していないし、決定まではしてないけど、一緒に住まないかと提案されてただの居候にはなりたくない。


恩返し、と言っていいのかわからないが、せめて何かできることはしたい。MPは魔力量だから、魔法が使えるはず。なら、魔法を使ったり、あとはスキルの料理上手で料理はある程度できるはず。あ、でも急に見ず知らずの他人の料理を食べるのは怖いか。なら…雑用かな。家に置いてもらえるだけでも、野宿回避だから感謝しないとだよな。


・・・・・・・・・・・・・・・


–––コンコン。


「ブラッド。そろそろ夕飯だよ。部屋の外にメイドを待たせておくから、準備が整ったら出てくるんだよ。」


「わかりました、レイブさん。」


もう夕飯の時間がきた。ブラッドは寝癖を直し、部屋を出た。服はレイブと会った時には転移前の服とは変わっていたため、着替えることはせずにそのまま。部屋の外に待ってもらっていたメイドに挨拶をし、彼女のあとをついて行く。


・・・・・・・・・・・・・・・


食事の部屋のドアの前まできた。廊下を歩いていると外の景色や、廊下の装飾などでだんだんとこれが現実だと実感してきたため、ブラッドは緊張している。ちゃんと会話ができるだろうか、身だしなみは大丈夫だろうか。もし、住むことが許されなかったら…。しかしもうここまできてしまったからには入るしかないだろう。


–––ふぅ。


ブラッドはどうぞ、とメイドに言われて足を進める。ここに座りなさい、とレイブの指示に従い、息子さんの横の席にに座る。あまりにも緊張して少し俯いていたブラッドは息子さんの顔をはっきりとは見ることはしなかったが、とても美形であった。


ブラッドが席に着く。それを確認したレイブは「せっかくの料理が冷めてしまうのはよくない。まずは食べよう」と。また「いただきます。」ととても穏やかな声で言った。妻も息子もそれに続き、ブラッドは緊張があらわれた声で「い、いただきます…。」と続ける。


ブラッドは作法についてはほとんどわからないため、見よう見まねで食事をする。頭の中でただずっと不安がぐるぐる回るブラッドは味を十分に味わえなかったため、レイブに「どうだ、うちのシェフの料理は、すごくおいしいだろう?」と問われても「は、はい、おいしいです!…」と言うことしか出来なかった。


ほとんど皆が食事をし終えたところで、レイブが話を切り出す。


「2人に概要は話したがまずは自己紹介からだな。もう伝えてはいるが改めて、レイブ・バンディア、バンディア家の当主だ。それと、この2人が私の妻と息子だ。」


「レイブ様の妻リーシャ・バンディアです。よろしくお願いします、ブラッドくん。」


「長男のアリム・バンディアだ。よろしく、ブラッド。」


「えっと、ブラッドです。リーシャ様、アリム様、よろしくお願いします。」


リーシャさんはアッシュブロンドのボブでとても美人。優しそうな雰囲気で少し落ち着く。アリムさんは21歳だそう。2人の息子っということでやっぱり美形だ。リーシャさんの髪色を引き継ぎ、アッシュブロンドのセンター分け。リーシャはさらさらとした髪質だが、アリムさんはどちらかと言えばふわふわした髪質でイケメンだが可愛くも見える。


「経緯は省略するが、ブラッドを家族のもとに返すことは困難であり、歳も若いため、この家で引き取ることにした。是非仲良くしてやってほしい。」


「えっと、拾ってくださりありがとうございます。何ができるかわかりませんが、一生懸命働きます!えと…」


「あ、そうだ。ブラッドには伝えていなかったな。ブラッドはこの家に養子として迎え入れられるんだ。従者というわけではないから、安心してほしい。」


「…え?」


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作者です。

皆様、読んでいただきありがとうございます。

読んでいただけるだけですごくありがたいです!

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次回も是非読んでください。

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