第8話 登校準備

 学校へ行くための準備をするって、元の世界と同じなんだな。


 みんな揃って朝ごはんを食べる。

 朝ごはんは、お米だったし。

 良い旅館の朝食って感じで、とっても美味しかった。


 こんなにちゃんと朝ごはん食べたことなくて、一個一個のおかずに対して美味しいって感想言いながら食べてたら、皓君に怒られちゃったりして。


 最終的には、「早く学校行かないと遅刻するぞ。早く食べて着替えろ」って言ってくるし。


 皓君は、私のお父さんじゃないんだからさ。



 そんなことをしながら、ワイワイと朝食を食べ終わって、学校へ行くための服を着ている最中。

 着るのは、巫女服らしくて、鏡の前で着付けをしてくれていうる。


 妖魔を倒した時のものとは別の巫女服だった。

 何着も種類があるらしくて、これが登校用の巫女服らしかった。


 上下の服は共に巫女服の雰囲気がありながらも、少しラフな雰囲気をしている。

 光の巫女姫らしさなのか、黄色いミニスカート。

 上は、少し薄めの白い巫女装束。


 私の意識が戻った時に傍にいてくれた女性が着付けをしてくれている。


「千鶴子様、安心してくださいね。これを着ることでも、巫女の力を使えますし。通学路で、なるべく妖魔に見つからないような、『まじない』がかかっております」


 妖魔を倒した時の巫女服はちゃんと着れてなくて良く分からないけれども。

 こっちの服はしっくりくる。


「やっぱり、千鶴子様はこの服がお似合いになります」


 この可愛い服に対して、そう言われると嬉しい。

 この服、私は何回も着たことあるんだろうな。

 使用感がすごいある。


 着付けが終わったので、鏡の前で一回転してみる。

 黄色いスカートがふわっと膨らむ。

 高校の制服とは大違いで、すごく可愛いし。


 ずっと着てただけあるんだろうな、我ながら似合う気もするし。

 可愛い服を着るって、なんか気持ちがアガるね。



「千鶴子、準備は出来たか?」


 部屋の入口の方から、皓君の声が聞こえてきた。

 皓君にも、この服を見せてあげよう。


 くるっと振り向いて、皓君の方へ向けてポーズを決める。

 スカートの裾を持って、英国の貴族が挨拶をする感じ。

 確か、カーテシーって言うんだよね。



「どうかな? ‌この服、私に似合ってるかな?」


 皓君は、私の方から目を逸らして答える。


「……いつも通りだよ。……に、似合ってるよ」

「ふふ。それって『可愛いよ』って言ってくれてるって受け取っていいのかな?」


「……どうとでも受け取ってくれ。それよりも、早く学校行くぞ!」

「はーい」



 皓君も投稿用の服なのか、きっちりとサイズの合った着物を着ていた。


「皓君も、カッコいいよ!」

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