あとがき

もしもここまで読んでくださった方がいれば、思想強めの話を辛抱強く読んでくださり、本当にありがとうございます。

どうか心の広い貴方様の人生に幸多からんことを…。


この話は恋愛というよりも、生誕にスポットを当てています。中でも作る、産むという行為に着目しました。


人は一人では増えることができません。有性生殖ですから、二つの異なる性が交わることで初めて増えます。その増え方がアレです。意味がわかりません。


そしてその後の過程も意味がわかりません。どうして女の腹の中で育て、股から出すのでしょう?

そして、なぜそれが当たり前のように幸福だと思われているのでしょう?


そもそも生命の誕生をすべからく幸福と言ってよいのでしょうか?

乳児が捨てられ、虐待され、子供たちが自殺するようなこの世界で?

生まれたらどうしたって死ぬしかないこの秩序の中で?


というどうしようもない疑問と納得のいかなさから生まれたのが陽だまりのノラワラシです。


もちろん命は尊重されるべきですし、世界中の親として生きる覚悟ある方々には頭が上がりません。

しかし、だからこそです。だからこそ命を作るという行為がとてつもなく怖いのです。


別話ですがニゲカガミを書いた時に感じていた絶望は、数年経った今読み返すと「若いなー」と思いますし、これもどうせ数年経つと「何捻くれたこと言ってんだこいつ」になるんだろうと思います。


過去の自分と今の自分は同じなようで同じでない。ならば、今しかない気持ちを大事にしたい。その時にしか感じられない絶望を言葉にしておきたい。そう思っています。


たった今、私の創作の原動力は怒りと絶望であることが分かりました。そっか、だから生きづらいのか。


最後に、ここまで読んでいただいた方、あとがきから読んでくださった方、一部分だけでも読んでくださった方、皆様にありがとうございます。貴重な貴方様のお時間を少しでも私に預けていただいたこと、感謝申し上げます。


寒暖差が激しくなってきました。

皆様もどうかご自愛くださいませ。


(2023.11.3)






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陽だまりのノラワラシ 斉藤詩延 @shinamiz

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