あとがき・解説
【あとがき――という名の簡単な解説】
はじめましての方ははじめまして、そうではない方はいつもお世話になっております。
吹井賢です。
この『一話のモブが強すぎる!』は、タイトル通り、一話のモブが強すぎる話です。それ以上でも、それ以下でもありません。様々な思惑が交差する場所にたまたまいる一般人Aが滅茶苦茶に強く、結果として、あらゆる悪巧みや策略が台無しになってしまう。そんな話です。まあ、思考実験的な作品です。吹井賢は特撮をよく見るのですが、大体、冒頭で研究員や警備員が殺害されてベルトなりなんなりが奪われるので、その襲撃を返り討ちにしたら面白いよね、的な。物語は始まらないけど。
さて、そんな「一話のモブ」こと『高瀬壮太』ですが、作者的には長い付き合いのキャラで、『「ちょっと死ぬから、あとよろしく」』の主役(語り手じゃないよ)も、実は彼だったりします。彼は本当に、ちょっと尋常じゃないほど強いのですが、その理由の一つは「他人の痛みが全然分からないから」だったりします。容赦や加減みたいなものがないんですね。ただ、そんな彼が人の大切さを学んだのが、先に挙げた『「ちょっと死ぬから、あとよろしく」』なので、良ければそちらもよろしくお願いします。
もう一つ裏設定を明かしておくと、彼は御陵真希波の唯二の弟子です。先輩後輩の関係なんですね。銃の解体方法や変則的な蹴り技はマキナに教わったものです。マキナは神の如き万能の天才ですが、そんなマキナが「暴力の天才」として認めたのが高瀬壮太です。「コイツがもっと強かったら面白いな」とちょっとした技術を仕込んだのでした。
いつか、彼がマキナの策略を止めることになったら、皮肉が効いてていいですね。
この作品が、皆様の一時の楽しみになれば、それが作者にとって最高の喜びです。
それでは、吹井賢でした。
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