7
火山地帯に着くと、ちと熱い。
さっさと氷魔法で熱を下げる。
「涼しい…火山なのにどうなってるんだ?」
ロジャーは急に涼しくなったのを不思議がりながらも、熱さから逃れられて安堵している。
俺はこの世界では、パーティに気付かれないような速度で魔法を出せる事に気付き、ようやくこそこそ隠れないで魔法が使えるようになった。
昨晩研究をした賜物だ。
火山を前に何処に行けばいいのか、みんなはその辺を探索し始めた。
俺も探索してる振りをして、火山に少しずつ火魔法を送ってみた。
少しすると、ダメージの回復が叶い、晴れて神化した赤い髪の女が現れた。
俺は喋らなくて済む念話で女に話すよう告げた。
『貴方が私を?』
『ああ。詳しくはリタリアかシルヴァに聞いてくれ。』
『お礼に私を捧げ…。』
『この世界に力を送ってくれ。捧げるならそっちだ。』
『…わかりました。イザナと申します。』
イザナは名乗ったが、俺の名前は聞かなかった。
既にリタリア達と連絡が取れたのだろう。
パーティメンバーは、急に火山が活性化してビビりだしている。
「まだ何もしていないのに、火山が力を取り戻すなんて…。」
ロジャーが信じられないという風に言いながらも、パーティを撤退させるように動く。
ロジャーの指導力は本物ようだ。
火山地帯を出ると、次は何処へ行けばと相談が始まる。
俺はみんなの話を聞きながら、後はと思考する。
今までの属性から、残るは土だと思う。
土……何かが引っ掛かった。
「大地を回復する必要があるわよね?あの毒の沼地に…。」
ネネが言い掛けた言葉で思い出した。
俺は既に毒の沼地を正常化していた。
余りにテンプレだったから淡々とこなしてしまっていたのだった。
みんなは場所を知っていそうだったから、黙っていても目的地に行けそうだ。
「毒の沼地が無い!?」
ネネは自分が言い出した場所だから、宛てが外れたと思ったようで、必死に辺りを見回す。
俺は今まで通り、既にそこに居た女に念話で語りかけ、リタリア達に連絡を取ってこれからの事を聞くように伝える。
『確かに貴方が私を救いました。私の名はエイレン。急いで行かれてしまったので、声を掛けてはいけないのだとばかり…。』
『過ぎた事はいい。それよりもラスボスの居場所だが…。』
『らすぼす…?今皆が力を使います。貴方方を彼女の元に転送します。』
ラスボスの潜伏先がわかったのか、まあ詳しい事はどうでもいい。
漸く楽に行ける…。
エイレンの言う通り程なくして、転送の光が俺とパーティメンバーを包む。
エイレンが見えないみんなは何が起こっているかわからず、驚いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます