その夜。

俺はすぐパーティメンバーが休んでいる周囲をサーチし、見えない位置で結界を張る。

夜営場所に戻ろうとすると、川の方から水飛沫の音がする。

「ひゃー、気持ちいいわね!」

「でもモンスターに気を付けないとね。」

「居なそうだよ。」

ダリアとクララの声がする。

一瞬静かになって、再び会話が始まる。

「ねぇ……ダリアは本気なの?」

「ええ、本気。クララもそうでしょう?」

これはフラグのようだ。

これ以上聞いても益は無いので、水遊びフラグとかをぶち壊すべく、夜営地に戻った。


戻ったら戻ったで、ロジャーとネネが居ない。

まあ結界からは出られないだろうから、放っておこう。



翌朝、俺は夜中中探索及び、結界外のモンスターを倒したりしていたので、パーティが何をやってたかは知らない。

俺がみんなの元へ戻ると、既に集まっていた。

「もう、どこ行ってたのよ!」

「…ちょっと魔法の練習を。」

一番最初に駆け寄って来たのはクララだった。

何だか少々怒っている様子だ。

「夜中も明け方もウェルナートの所に行ったのに居なかったんだもの!」

何をしにそんな時間に来たのか…。

「べっ、別に心配してたわけじゃないんだからねっ!」

ツンデレ属性か。

妻と逢う前の俺だったら喜んでいただろうな…惚れはしなかったが。

「まあまあ、みんな無事だったし、先を急ごうよ。」

まとめ役なのかリーダーなのかわからないが、ロジャーはぐだぐだ感を纏めてくれる良い存在だな。

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