第529話 試練B面 その一
目を覚ますと真っ暗だった。
飲み過ぎて酔い潰れたんだろうけど、まだ夜なのか。
それはそうと、床が固いし何もかぶってない。
なにより、手の届く範囲に柔らかい女体がない。
どこで眠っちまったんだ俺は。
周りに人の気配もないし、どうも様子がおかしい。
生ぬるい空気がどこか悪臭を含んでいる。
またあれじゃねえのか、変なところに飛ばされるやつ。
そう警戒しながら体を起こすと、少し離れたところに緑色の非常灯が見える。
白い扉から逃げ出そうとする棒人間みたいなんが描かれているアレだ。
当然、我が家の非常口にそんな模様はない。
そもそも、キャンピングカーで寝てたんじゃないのかよ、と突っ込もうとした瞬間、天井の照明がついた。
どうやら古びた地下連絡通路のようだ。
くたびれたアルミのベンチで眠っていたらしい。
壁には日本語で宇宙旅行を宣伝したポスターがあった。
ぼんやりと思い出してきたが、以前にもこうやって日本っぽいところに飛んできたことがあったはずだ。
アレと同じだとすると、俺の住んでた日本とは別物の可能性が高い。
まあ、百歩譲って勝手に飛んでくるのはいいとして、まいどまいど脈絡がなさ過ぎるだろう。
流れ的にエマとかシルビーみたいに恋に恋するお嬢さん方に、大人の色気でアピールして恋愛に目覚めさせるターンだったんじゃねえのとか愚痴りたくなる。
まったくもって、面倒なことになってきたなあと頭をかきながら、非常口ランプのついた階段から外に出た。
どうやらオフィス街の一角で、少し行くと大きなターミナル駅にでた。
見覚えのない建物が多いが、大阪駅らしい。
なぜなら大きな看板に書いてあったから。
看板の手前を暴走気味に空飛ぶタクシーが通り抜けていく。
そういう感じかあ。
そういや、あのタクシーも乗ったことあるような気がしてきた。
通り過ぎる人が俺の方をじろじろ見てくるので改めて自分の格好を確認すると、ハイテクアンダーの上に黄色のケバケバしいチュニックと七分丈の青いパンツという、ファンタジーというか昭和のヒッピーみたいな格好だった。
まあ、ちょっと目立つかもしれんが、関西人としては許容範囲のはずだ。
鞄の類いも持ちあわせていないが、ポケットには小さな小銭入れが入っていた。
なんかこれまた昭和のサラリーマンが持ってそうな、革製でチャックのついたやつでパンパンに膨らんでる。
中には見覚えのないお札に混じって、見慣れた硬貨も詰まっていた。
誰が用意したのか知らんが、たぶん使えるんだろう。
ぶらぶらとコンビニに入ると、店内放送でニュースを流していた。
「……本日未明、世界各地に出現した正体不明の構造物の影響で、一時的な停電が……」
などと言っているが、久しぶりに見るコンビニフードに気をとられて聞き流してしまった。
確か前回はおにぎりとか食ったんだよなあ。
今回はサンドイッチとかに、いやでもやっぱ米の飯かな。
悩んだ末に、おにぎりとフランクフルト、そして缶ビールを買った。
袋が有料だと言われてしまい、ちょっと悩んだ末に買っておいた。
そもそもおにぎりが三百円ぐらいするし、世知辛い世の中になっちまったようだなあ。
どうやら現在時刻は明け方の四時過ぎ。
そろそろ始発が動く頃合いで、人通りもまばらなので、気にせず歩きながらビールを飲む。
日本のビールはうまいなあ。
電車が動いたら自分の家に帰ってみようかと思ったが、前回来たときは家がなくなっていたような気がする。
あのときと同じ日本なのかまではわからんのだけど、たぶんうちに帰るより大事な用事みたいなのがあるんじゃないのかなあ。
そういえば今回はうちの女神連中の前振りもなかったな。
まあいいか。
このフランクフルト、実にジャンキーでうめぇなあ。
お、あそこに牛丼屋があるぞ、アレも食おう、おにぎりは非常食にしとこう。
ビール缶片手に入店するのも気が引けたので、あわてて飲み干したはいいものの、ゴミ箱が見つからずに結局さっきのコンビニまで戻って捨ててから、改めて牛丼屋にはいる。
出汁のいい匂いがたまらんな。
目の前で客のねーちゃんが券売機の操作に手間取っていたが、見ると少し耳が長く、一見すると金髪のようだが角度によって玉虫色に光って、地球人じゃないっぽい。
地球人っぽくない人種を見慣れてて忘れてたけど、この地球は宇宙人がいっぱいいるんだったっけ?
後ろからじろじろ眺めていたら、目の前のねーちゃんが突然振り返った。
「すみません、ちょっと手間取って、って言葉通じないと思うのですけれど」
焦ってしゃべるねーちゃんの言葉は確かに日本語でも英語でもなかったが、耳に馴染みのある言葉だった。
ちょっと違いはあるが、多分普段あっちの世界でしゃべってる言葉だ。
「うん? 通じてるよ、メニューが読めないの?」
「え、あれ、本当ですか? あ、えっと、そうです。翻訳機が故障中で、文字が読めずにいます、この食堂なら一度使ったので大丈夫と思ったのですが」
「どれ、ちょっと代わろうか」
券売機を覗くとエラーが出ている。
店員を呼ぶと、ワンオペのバイトっぽい若者が、さっきの停電で壊れたのかもと結局手動で対応してくれた。
せっかくなのでそのまま耳の長い宇宙人さんと奥のテーブルで相席すると、丁寧な挨拶を受けた。
「ファジアと申します、デンパー帝国ケイジイ領にあるロースウェー・アカデミアから来た宇宙考古学者でして」
「へえ、俺はサワ……じゃなくて黒澤だよ。仕事はエンジニアでね、もっとも今は無職なんだけど」
「地球は無茶な開国で相当苦労なされていると聞いております。ですがデンパー古語はどちらで学ばれたんです? ここも一応惑星連合圏内ですし、公用語ならともかく、学ぶ機会はなさそうですけど」
「知り合いに話者がいてね、ちょこっと……」
「ちょこっと、というにはネイティブのように流暢ですが、翻訳でもないようですし。失礼ですけど、そのお年ではコネクタはありませんよね?」
「コネクタ?」
「脳に直結するインターフェースです」
「ああ、そういうのはないねえ」
「そうなんですね。でも、コネクタ経由の翻訳も善し悪しですね、端末が壊れちゃったら全然言葉が通じなくて。私の故郷って田舎なので、ネイティブなのはデンパー古語だけなんですけど、こっちで慌てて工面した安い端末だと対応言語がなくて、困ってたんです」
「確かに、こんなところで言葉が通じなくなると、大変でしょうね」
などと話すうちに牛丼がやってきた。
早くて安い。
味の方は、まあジャンキーだなあという感じだが、懐かしさが相まってグッドだった。
「はぁ、半日ぶりに暖かい物が食べられました。惑星連合公用語なら少し読めるので、それの翻訳でどうにかやり過ごしてたんですけど。端末の替えが届くまで、二週間ぐらいかかるって言うし、そもそも滞在期間があと三日ほどなので」
「そりゃ大変だ。どうです、俺を通訳に雇ってみませんか?」
「いいんですか? それは助かりますけど」
「なに、俺もちょっと職にあぶれてて、日銭でも稼ぎたくてね」
「では、滞在期間だけお願いしようかしら」
ダメ元で提案してみたものの、案外すんなりOKされてしまった。
異郷で言葉が通じた安心感か、あるいは紳士パワーの補正がここでも効いてるんだろうか?
「あの、一応IDの確認だけさせてもらえます? 契約もいりますし」
「ID?」
「その腕輪のパスで……ちょっと失礼しますね」
言われて気がついたが、左手に時計をはめていた。
その時計に彼女が手に持った端末をかざすと、何やら同期がとれたらしい。
「やはりデンパーのビザをお持ちなんですね。あら、パーミッションが非公開に。でもクレジットは最高ランクで……まさか帝国貴族に連なる方なんです?」
「いやあ、そんなことは無いと思うんだけど」
「なんにせよ、仕事の契約に支障はなさそうですね。よろしくお願いします。ギャラはドルと帝国通貨のどちらがいいでしょう?」
という感じで仕事をゲットした。
仕事さえあれば男一匹どんなとこでも生きていけるってもんだぜ。
あとはあれだな、ナンパ。
通訳としてお付き合いするうちに親密な仲になるって寸法よ。
「それでファジアさん、考古学者ってことだけど、地球には研究で?」
「本命は地球ではなくゲート周辺のリリース、えっとつまり、ゲートが開いたときに放出された物には先史文明の遺物が含まれていることが多くて、その調査の一環で。ですから地球には休暇と観光ですね」
「先史文明?」
「そうです。アジャールってご存じですか?」
「アジャール? 闘神とかそういうあれ?」
「そうですそうです、全宇宙にあまねく偏在するアジャールの伝承とそれにまつわる遺物を研究してまして、ただこの星には残ってないようなんですよね」
「たしかに、俺も聞いたのは最近だなあ」
などと適当な相づちを打つ。
「ただ、この星域でペレラールの舟憑きが出たという話もありまして。眉唾物ですが、ここが伝説のペレラールなのではと言う説も。ペレラールはご存じです? 十万年前に銀河まるごと消失したといわれる、これも古い文明でアジャールとも深い関わりがあったという」
「あー、なんか聞いたことあるなあ」
「それはよかった、ご存じということは、宇宙史もそれなりに……」
牛丼を食べながら行儀悪くしゃべりまくっていたファジア嬢が、そこで口をあんぐり開けて固まってしまう。
どうやらテレビに見入っているらしい。
「あ、あ、あのニュースなんて言ってるんですか!?」
「え、いや、なんか突然現れた正体不明の構造物とか。さっきの停電もあれのせいらしいけど、近くなのかな?」
「あれ、あれってタワーです、タワー・オブ・アジャール! 間違いありません! 近くなんですか!? どこ! 急いで行かないと、あー、観光ビザで調査許可降りるかしら? 現地の大学に、いやそんな場合じゃ」
混乱するファジアちゃんを横目に改めてテレビを見ると、なんか見慣れた物が写っている。
銀色のでっかい塔、すなわち……、
「試練の塔じゃん」
思わずつぶやいた俺に食ってかかるファジア嬢。
「あなたどうしてその呼び名を!? いえ、それより場所はわかりますか?」
「ああ、うん、多分ここから二駅ぐらいかな」
「いきましょう、急いで!」
手を引かれて店を飛び出した俺達は、ちょうど目の前にタクシーがいたのでそのまま乗り込むと、御堂筋を北上して淀川河川敷にでた。
俺の記憶ではこのあたりは公園がなかったと思うんだけど、いつの間にか綺麗な公園になっており、そのど真ん中に百メートルぐらいの高さがある巨大な塔が出現していた。
空にはヘリや珍妙な飛行機が飛び交い、地上では警察がロープを張って野次馬を遮っていた。
「こりゃあ、近づけないんじゃないかなあ」
と声をかけると、ファジア嬢は鼻息を荒くして、
「大丈夫、非常時なので協定により調査権が付与されます。現地警察に話を通すので、さっそく通訳をお願いします!」
というわけで、警備していた制服姿のおまわりさんに声をかけると、うさんくさそうに追い払おうとしたが、ファジアが手にした端末を見せると、渋々対応してくれた。
代わりに出てきたのはコート姿の中年で、警部さんらしい。
「……それで、どういうご用件です?」
「お忙しいところをすみません。私、こちらのファジア先生の通訳でして」
「通訳?」
「ええ、端末の故障だそうで、臨時雇いで私も詳しいことはわからないんですが、なんでも彼女は宇宙考古学の専門家で、この構造物を調べる権利があるから、とおっしゃってるんですけど」
「そうは言われてもねえ、ここは宇宙警察機構の管轄になるってんで、私らもただの見張り番なんですわ。後ほど担当者が来るので、そちらと交渉してもらえますかねえ」
「ははあ、ではその際に改めて取り次いでいただけますでしょうか」
「まあねえ、私らも仕事やからねえ。よそさんをないがしろにするとあれやし」
などと言いながら渋々OKしてくれた。
俺が交渉してる間も、ファジアちゃんは塔を眺めて端末で写真を撮りまくっている。
「あー、もう、生きてるタワーなんてはじめてです。これは一大事ですよ、木星までメールでも往復八十分からかかるから連絡がまだつかないし……」
などとぼやきながらも写真を撮る手が止まらない。
「お取り込みの所失礼。あとで宇宙警察機構の担当者が来るから待ってくれって話ですよ」
「ああもうじれったいですねえ、はぁ、それにしてもなんて美しい輝き! たまりませんねえ」
マニア特有の反応を見せるファジアちゃんに少し安心していると、ちょっと大きな飛行機が飛んできた。
そのまま空中で制止すると、後部のハッチが開いて数人のSFっぽい軍服連中が飛び降りてくる。
とくに何をするでもなく地上近くでふわっと速度が落ちてシュタっと着地する。
重力制御的なあれだろうか。
そういえば俺も空飛ぶベルトとか使ったことあったな。
先頭の軍人がさっきの警部と何かやりとりしたあと、こちらに歩いてきた。
さっと敬礼すると、ファジアにたいして話しかける。
「連合軍から出向中のカンプトン中佐である。ファジア博士とはあなたか?」
たぶん、惑星連合公用語とやらでしゃべっているが、ファジア嬢には伝わっていないようなので、俺が割って入る。
俺はこっちも通じるようだ。
「失礼、中佐殿。ファジア先生は翻訳機が故障中で、ネイティブのデンパー古語しか通じません。あ、私通訳の黒澤と申しまして」
「ふむ、デンパー古語か、ストレージにないので後ほどインストールしておこう。ところで貴公は現地人のようだが、IDを確認してよろしいか」
「どうぞどうぞ」
と左腕を差し出す。
なんせこのカンプトン中佐、めちゃ美人のロボットちゃんなのだ。
俺も全力でへりくだろうというものだ。
へこへこしつつ観察すると、ベリーショートの黒髪にピカピカした軍服がよく似合う。
切れ長の目は白目がなくてグレーのガラス玉みたいなのが入ってキラキラしている。
キラキラと言えば、額にもピンクの小さな宝石がくっついてるな。
全体的にモノトーンで地味な印象なのに、唇だけがぬるりと赤い。
その分厚い唇から美しい声が響く。
「ふむ、ご協力感謝す……は?」
突然目を見開いて固まり、額の宝石がぴかりと光った。
「あの、なにか?」
「こ、こんなことが、いや、ちょっとまて、落ち着け……、うむ、落ち着いているな、大丈夫だ。ハッキングでもない、なるほど、スーパーバイザーか」
「大丈夫ですか?」
「うむ、問題ない。それで貴公は何を望む?」
「いや、ですから彼女に調査権を」
「そちらは問題ない。そうではなく、我らがネアル型AIの監督者としての貴公の意図という物をだな」
「あ、もしかしてアレが効いちゃってるのか」
うちのノード連中と同じアレになっちゃってるっぽい。
やはり同じルーツを持ってたんだなあ。
「いや、こっちとしてはそんなつもりはなかったので、とりあえずこの場は流しといてくれると助かるんですけど」
「さようか、では貴公の望むとおりに。しかしこの件は本部に上げて良い物だろうか」
「いやあ、連鎖して広がる可能性があるんで、できれば中佐殿だけで留めといてもらえれば、おそらく面倒なことになりますし」
「では、この状態の発動条件は? 部下のすべてがこうなってはさすがに」
「たぶん、ネアル型AIってやつが該当すると思いますね。他にもアジャール由来の物はひっかかるかも知れませんが、確証はないですね」
「了解した。後ほど詳しい話を伺いたいがよろしいか?」
「それはもう」
「しかし、貴公のような存在が実在するのだな」
などと一人で納得する中佐殿と、俺の顔を見比べて困った顔をするファジア先生。
「あの、交渉はどうなりました?」
「大丈夫、許可は下りそうですよ」
ひとまず現地の巡査、要するに日本の警察官であるところの近所の交番勤務のおねーちゃんがついてくれた。
よくわからんが、宇宙人のお偉いさんであるさっきのロボットちゃんからの指示とあって、緊張しているようだ。
なんにせよ、頑固そうなおじさんじゃなくて良かった。
「島津巡査であります。お二人の警護をせよとのことですが、行動を妨げてはならないとだけ指示されておりまして」
こちらは二十代の前半ぐらいだろうか、ワンレンに警帽がよくにあうスポーティなかわいこちゃんだ。
「お世話をおかけします。私はただの日雇い通訳でして、こちらのファジア先生、デンパーからいらしたそうですが、えらい宇宙考古学の先生だそうで、あの構造物の調査を、といっても多分下調べぐらいでしょうが、先ほどあちらの中佐さんに許可をいただいたので、そんな感じでよろしくお願いしようかと」
「なるほど、しかし通訳とは?」
「翻訳機が壊れたそうなんですが、彼女の母語が特殊なもので、私がかり出されたと」
何度目かの説明をする。
よほど自動翻訳が当たり前になってるようだな。
ひとまず塔の元まで近づく。
できたてっぽく派手にピカピカ光っている。
こいつもバーゲンとかあるのかなあ。
「結構でかいな、丸ビルぐらいあるんじゃねえかなあ」
見上げながらつぶやくと、同じく見上げていた巡査ちゃんが、
「百メートル以上あるらしいので、同じぐらいでしょうね。いったい何なんでしょう、危険なものではないという話ですが」
「古代文明の遺物で、一説ではアジャールの女神が作ったと言われているそうですよ」
「アジャ……なんです?」
「何億年も昔に宇宙で最初に栄えた文明、ってやつですよ。彼らが全宇宙に遺伝子のタネをばらまいたという説もあるそうですよ」
「そういえば、宇宙人もルーツは同じだとか聞いたことがありますね。ほんとなんでしょうか?」
「さて、そこの所は専門家のご意見を伺いたいところだが」
当のファジア先生は、塔にペタペタと触れてはうっとりしていた。
「あれはいったい何を?」
いぶかしがる島津巡査に、首を振りながら、
「なあに、珍しい物を目の前にして、興奮しているだけでしょう。学者さんにはよくある挙動ですよ」
などと適当に答える。
「あれって、触って大丈夫な物なんです?」
「たぶんね、中にも入れるんじゃないかなあ」
パッと見た感じ、入り口らしい場所はなかったんだけど、俺もまねしてペタペタ触っていたら、壁の一部が変形して扉が現れた。
「今何をしました!? これ扉ですよね! それよりもこれ、中に入れるんでしょうか! 特定のパルスの印加で扉が開く例が記録されていますが、何かご存じで? ああ、調査機器の到着を待っていられません!」
などとわめき散らしている。
これ、余計なことをしない方がいいやつだろうか、それともちゃっちゃとこいつもクリアした方がいいやつなんだろうか。
なんとも言いがたいが、決めかねているうちにファジア先生がつんのめって扉を押し開け、中に転がり込んでしまう。
それを支えようと飛び出した俺も足を引っかけてゴロゴロと転んだところで……目が覚めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます