第499話 さえずる娘たち その一

 落成式のパーティが順調に進む裏で、俺たちは再会を喜んでいた。

 メリーとクメトスは、


「メリー、立派になりましたね。見たところ、腕も随分上がったようです」

「クメトスこそ、別人のように美しくなって」

「まあ、あなたの口からそんな世辞が聞けるとは」

「これでも少しは社交も学んだのですよ」

「それはよい。なんといっても我らの主は、顔が広すぎて」

「それに手も速い……のでしょう?」

「いかにも」


 などと言って笑っているし、エンシュームとローンも、


「姉さま、今日からはまた……」

「ええ、昔のように共に暮らして、一緒にあの人の支えとなりましょう」

「姉さま、この日をどれほど待ち望んだことか」

「あなたにも、苦労をかけましたね」

「姉さまこそ……」


 と、かように美しい姉妹愛を見せてくれる。

 これ後で姉妹セットで頂けるやつだよな、ふひひ。

 などと喜んでいると、エディに尻をつねられた。

 俺の尻をつねるブームは一向に収まる気配を見せないな。

 そのうち、つねられるだけで勃起するようになったらどうしよう。


「ところでハニー。さっき赤光の騎士様からも報告を受けたけど、あなた狙われてるんでしょう」

「濡れ衣じゃないかなあ」

「今後は護衛なしで出歩くの禁止よ。黒竜会になんか動きがあるって話はあったから、今日はその件で赤光の騎士様と会談する予定だったんだけど、先に自分から襲われに行くってどういう了見かしら」

「すみません」

「そもそもアヌマールの件でもこっちが人手を割いて警戒してるのに、なにかってに出歩いてるのよ」

「いやまあ、それに関してはまったくもって不徳の致すところでありまして、返す言葉もないというか、反省しきりでございまして」

「まあいいわ、私は後始末があるから遅くなるけど、メリーたちの歓迎会は私も参加するから、ちゃんと起きといてよ」

「そりゃあもう。そもそも、今夜は眠れないんじゃないかな?」

「そういうところだけ調子いいんだから、まったく」


 ブツブツいいながらパーティに戻るエディに手をふって、俺はソファにふんぞり返って一息つくことにした。

 休暇に帰ったはずなのに疲れすぎだろ。

 まったく俺がなにしたってんだ。

 ナンパか。

 まあ、ナンパの一環として多少ひどい目に合うぐらいは甘んじて受け入れよう。

 その成果である新従者だが、女中のネリは忙しく屋敷の仕事で働いているし、メリーやエンシュームもまだ楽しそうに語らっているので、誰も俺の相手をしてくれない。

 これならパーティに参加してエディの機嫌でもとったほうが良さそうだな。

 鏡とにらめっこして即席で伊達男を作り上げると、慌ててエディの後を追ったのだった。




 その後はつつがなくパーティを終えて家に戻った。

 女中のネリは、まだ屋敷で仕事中だ。

 俺の従者なのになあ。

 まあ、物事には順序があるので、まずはメリーとエンシュームの二人と、たっぷり時間をかけて主従らしいことをしてみた。

 事を終えた二人は、しばし心ここにあらずといった感じでうっとりとしていたが、メリーの方は一流の騎士だけあって体力もあるのか、今度はクメトスたちと酒盛りを始めてしまった。

 一方のエンシュームは、ぐったりとした体を俺に預けて少しまどろんでいたが、俺が酒盛りを始めると、慣れぬ手付きで酌をしてくれる。

 振る舞いはだいぶ大人びていたものの、体の方はまだフルンたちとさほど変わらず、これが日本だったら確実にアウトなやつだ。

 異世界で良かったなあ。


「こうしてご奉仕する日を待ち望んでいましたが、いざ叶うと、その、恥ずかしいものですね」

「まあ、徐々に慣れるさ」

「そうでしょうか、あなたの顔を見ていると、胸が高鳴ってとてもそんな風には」


 そう言ってこぶりな胸に手をやる。

 さっき堪能したばかりで、今もスケスケの肌着一枚しか羽織ってないのだが、実にうまそうなおっぱいだ。

 というかおいしかったんだけど。


「メリーと互いにおける御主人様への思い出を語り合ううちに、もしかして自分はあなたの思い出を美化しすぎているのではないかと、そんなことを思わぬでもなかったのですが……、こうして再会してみればそんな物は全て杞憂でした。本物のあなたの素晴らしさは、言葉には表せぬほどに……」


 そう言って首筋まで赤くして、俺の胸に顔を埋める。

 こんなおっさんにそこまでべた惚れするなんて、彼女こそやばいドラッグでもキメてるのではと不安にならないでもないが、まあ、モテすぎて困ることもないので、気にしないでおこう。


「それよりも、パエからは修行に励んでいると聞いていたが、ポワイトンの爺さんと一緒に居たということは、ただの修行じゃないだろう。なにをやってたんだ?」

「お聞かせするほどのことでもないのですが……」


 と前置きしてから、


「剣は向かぬと見極めたので、得意の魔術に専念しようと志したものの、メリーと違い私はいまだ半人前。されど御主人様の試練も近いとなると、なにか普通ではない修業が必要だろうと思い悩んだ結果……」


 よりにもよって、晴嵐の魔女パーチャターチの元に突撃したそうだ。


「かの魔女は、試練を乗り越えれば大いなる力を授けてくださると聞きまして」

「まあ、そういう触れ込みだよな」

「メリーと二人、試練に挑んだところ、どうにか及第点をいただけたのでしょう。力を授かりました」


 そう言って樹脂製の腕輪を見せる。


「それは?」

「この子はフォルス。魔女より授かった、小さきしもべです」


 腕輪にふれると、たちまち変形して、手のひらに乗るサイズの小さな鷲型ロボットになる。

 かっこいい、俺もほしいぞ。

 いや、クロミちゃんがいたな。


「その際に、ポワイトン卿に協力せよ、それが私自身の望みにもつながるのだ、とのお言葉をいただきまして」

「なるほどね」

「そういえば、あちらでリィコォという娘に世話になりました。今は一緒だと聞いていたのですが」

「まだルタ島にいるよ、明日辺り、こっちにくるんじゃないかな?」

「そうですか、魔女から気にかけるようにと頼まれまして」

「あれも親バカだからな」

「あの畏怖すべき魔女が?」

「怖いのは見た目だけなんだよ」

「そうなのですか」

「リィコォと会ったのなら、カーネってご婦人は居なかったか?」

「いらっしゃいました。少し話しただけなのですが、あの方も恐るべき実力者ですね。いずれ挨拶に伺うとおっしゃっていましたが」


 ちょうど俺たちと入れ違いぐらいに魔女のところに訪れたっぽいな。

 アレな状況が続けば、カーネにもまた世話になるかもしれないなあ。


「まあ、積もる話もあるが、もうちょっと本格的にイチャイチャしようか」

「こ、これ以上……ですか?」

「もちろん、俺の従者になったからには、こんなもんじゃ済まないぞ。そりゃあもう、言葉に出来ないほどハレンチなご奉仕をしてもらうからな」

「か、覚悟はできております」


 そう言ってギュッと目をつむるエンシュームの可愛らしい唇に、ムチューっとおじさんぽく吸い付くのだった。




 夜遅くになって、エディ達も戻る。

 一緒に戻ってきた女中のネリは、なぜか花束を抱えていた。


「どうも私がどこぞの貴族様の玉の輿に乗ったという話になったようで、仕事仲間がこれを。その、たしかにそうだと言えなくもないのですが」

「ははは、まあ良かったじゃないか」

「良くないですよ、明日も仕事に出るのに、どんな顔して行けばいいのか、考えただけでもう無理ですよ、まったく」

「まあまあ、それよりも汗を流しておいで。腹も減ったろう」

「そういえば、このお屋敷って内風呂があるんでしたね。じゃあちょっと失礼して」


 浴室に消えるネリを見送った俺は、手近なミラーを呼んで、ネリのために最高にいかがわしいご奉仕ウェアを用意するように言付ける。

 でゅふふ、楽しみだぜ。

 ウキウキしていると、いつの間にか目の前にテナが立っていた。

 いつになくにこやかな笑顔を浮かべているので、俺も最大限さわやかに声をかけてみる。


「よう、お前も今戻ったのか?」

「ええ、奥様方のお世話で一日走り回っておりましたので。御主人様も今日はまた随分と励まれたようですね」

「はて、俺も一緒にパーティに行っただけのはずだけど」

「さようでございますか。ま、ネリに関してはあちらで心構えを伝えてあります。平民とは言え素性も気立ても良い娘ですから、問題が起きることはないでしょう」

「さようでございますか」

「ですがっ!」

「はいっ!」

「まあ……よいでしょう。めでたい席に水を指すほど野暮ではございません。しっかりと、かわいがってあげてください」

「かしこまりましたっ!」


 最敬礼でテナと別れて、急いで宴会の場に戻る。

 エディは手慣れたもので、さっさとシャワーですませて、すでにメリーたちと飲み始めていた。


「ほんと、あなたが来るのを楽しみにしてたのよ」

「私もです。旅を続けるほどに、恋しさが募るばかりで」

「でも今日からはたっぷり甘えるといいわ。もうかわいがってもらった? そうなの、じゃあ今夜は朝まで飲みましょう」


 と言った感じだし、ローンも俺には見せないような優しい顔で、妹と談笑している。

 俺の入るスペースがないので、ネリが戻るのをじっと待っていたら、さっそくドタバタと走ってきた。


「な、なんですかこの服! 絶対無理です!」


 無理と言いつつちゃんと着てるところがかわいいが、まあ気持ちはわからんでもない。

 なんせ用意したのはキラキラスケスケのナイトドレスで、さらに胸とか尻とか大事なところがポッカリと露出しており、そこを頑張って手で隠しているのだ。


「よく似合ってるじゃないか、さあさあ、こっち来て一緒に飲もう」

「絶対こんなの間違ってます!」

「まあいいじゃないか、ほらほら」


 恥ずかしがるネリを抱き寄せて頬ずりすると、ジタバタともがく。


「こ、こんなの絶対紳士様の従者がやることじゃないと思うんですけど!」

「そんなことないだろう。まあどうしても無理だと言うなら、無理強いはしないけど」

「む、無理ってわけじゃ、その、ないですけどぉ」

「そうだろう、そうだろう、おっしゃおっしゃ、まあ任せておきなさい」


 などと言ってムニムニしていると、ネリもだんだんその気になってきたのが、ノリが良くなってきた。


「ホント御主人様って、ただのスケベ中年じゃないですか」

「ふはは、気づいてしまったかね」

「絶対、普通の従者ってこんな事しないと思うんだけどなあ」

「普通なんてものは、主従の間に存在しないのさ。主人は欲するものを望み、従者は与えたいものを与える。その両者が自然と一致するところに、相性の妙というものがあってだな」

「私、別にこんないかがわしいことしたいと思ってないんですけど」

「それはまだ、本当の自分の気持ちに気がついてないだけさ」

「御主人様に言われると、そんな気になってくるので困るんですけど」

「なあに、なにも困らないよ、ふふふ」


 俺もなんだか楽しくなってきた。

 こういうのも新しい従者を得た楽しみだといえよう。

 それにネリは、まだリゾートを満喫してる人魚のルーソンあたりと馬が合うと思うんだよな。

 そういうカップリングによるご奉仕も、従者が増えた際の楽しみとして期待できるところだ。

 その後は再びメリーやエンシュウムも交えてくんずほぐれつして、夜が更けるまで新従者を堪能したのだった。




 翌朝。

 飲みすぎて二日酔いで重い頭を枕に押し付けてウトウトしていると、隣で寝ていたネリが起き出して支度を始める。

 どうやらエディと一緒に出かけるらしい。

 エディは今日ぐらい寝ててもいいのよ、などと言っていたが、ネリは大丈夫だと答えていたようだ。

 俺はそのまま二度寝してしまい、目が覚めるとすでに昼前だった。


「うぇー、よく寝た」


 ほんのり重い胃のあたりをさすりながらのんびりと起きだすと、昨夜の乱痴気騒ぎのあとはすでになく、家族の姿もまばらだ。

 じゃぶじゃぶと顔を洗っていると、空手メイドのキンザリスがタオルを持ってきてくれる。


「おはようございます、昨夜は特に激しかったですね」

「俺の大事な勤めだから、励まないとな」

「頼もしいことです。テナは少々、おかんむりでしたけど」

「それはあいつの勤めだからな」

「わかっていてもやめられないところが、人の業、というものでしょうねえ」

「神ならぬ身では、ままならんさ」

「ところで、今日の午後にはペルンジャ様をはじめ、何名かがこちらに来るそうです」

「そうか、メリーたちは?」

「メリー様は、朝は裏庭で稽古をしていましたが、先程白象砦に向かわれました。夜には戻るそうです。エンシューム様はローン殿とご一緒にお出かけです。ネリはエディ奥様のお供ですね」


 みんなちゃんとやってるようだなあ。

 俺はどうしよう、新たな出会いでも……と思ったが、昨日の今日ではさすがに自分でもいかがなものかと言う気がしたので、今日はぐーたらするか。

 いやでも、流れがきてる時は、うまくのるのが大事な気もする。

 そもそもペルンジャが来たら重大イベントが待ち構えてるしな。


「とりあえずメシかなあ」

「簡単なものなら用意できますが、今はほとんど出払っているので」

「そうなのか?」

「昨日の件があるので、買い物などにも多めに護衛を付けております」

「昨日?」

「ご自分が襲われたでしょう」

「ああ、そうだった」


 昨夜、頑張りすぎて、完全に忘れてたよ。

 あのあと聞いた話によると、最近になって黒竜会の残党に統一された動きのような物が見られるようになったらしい。

 そこで調査を進めた結果、奴らの首領であるダークソーズ復活の可能性と、その狙いとして紳士抹殺みたいなのが明らかになったとか。

 まったくはた迷惑な話だよな。

 ちょっと後手に回ってる気もするが、紳士を狙ってるのがわかったのは、ほんの二、三日前でまだ裏も採れていないような段階らしい。

 そもそも昨日のアレはただの偶然じゃないのかなあ、ただの思いつきであそこに居たんだし。

 でも相手も異常者集団だから、なにが起こるかわからんよな。


「この建物自体は地下のオービクロンが完全に管理してるそうなので、安全だということです」

「ははあ」

「どうなさいます? 地下の食堂というのもあるそうですが」


 オービクロンが管理してるやつだな、ジムで汗を流したあとに冷えたビールを飲むこともあるが、今は気分じゃないかなあ。


「隣で食うぐらいなら平気かな?」

「お隣の茶店ですか? この商店街はここと同様と考えていいようですよ。私もついておりますし」

「ならいくか、まだ挨拶もしてないし」


 久しぶりにお隣のルチアの喫茶店を覗くと、ちょうどテーブルが一つ空いたところだったので、キンザリスと一緒にお邪魔する。


「あら、サワクロさん。帰ってるって聞いてたけど、元気そうね」


 注文を聞きに来たルチアは、相変わらず0円にしておくにはもったいないスマイルを振りまいていた。


「そっちも繁盛してるじゃないか」

「おかげさまでね。メイフルさんはいつも店に顔だしてたし、エディさんも時々来てくれてたから話は聞いてたけど、試練ってどうなの?」

「なんかもう大変でね。ちょっと用事もあったんで、数日こっちで休暇さ」

「紳士様も楽じゃないわね」


 そう言って厨房にひっこむルチア。

 しばらく待っていると、判子ちゃんが定番のパンケーキを運んできた。

 相変わらず大金を積んでも一ミリも緩みそうにない完璧な仏頂面だ。


「よう、今日もごきげんだな」

「おかげさまで。冷めないうちにどうぞ」


 料理を置くとすぐに引っ込もうとするところを呼び止める。


「そう言わずに、世間話ぐらいしてくれてもいいじゃないか」

「あなたと話すことはありませんよ」

「まあ、俺もないんだけど。それでも話したいというのが、かわいい男心じゃないか」

「知りませんよ、そんなもの」


 そう言って引っ込んでしまった。

 今日は結構会話できたほうな気がするな。

 そんな俺達の会話を見守っていたキンザリスは、


「今の方、随分と御主人様にご執心のようですね、ちょっと素直じゃないようですがまなざしに私どもと同じような熱がこもっておりましたわ。ナンパなさいませんの?」

「したさあ、今のところ全敗だな」

「まあ、手強い」

「そうなんだ。しかしここのパンケーキはあいかわらずうまいな」

「ほんと、これは美味しいですね」


 キンザリスはパンケーキを口に運びながら、通りを見回す。


「試練が終わると、ここで暮らすことになるのでしょうか。屋敷は手狭かと思いましたが、地下は予言者の祠にもおとらぬ広大な遺跡があるのですね」

「地下も便利だから引っ越すつもりはないなあ、まあ、なにがあるかわからんから断言はできんけど、フューエルの実家も近いし、エディもそのつもりでこっちに拠点を作ったんじゃないかな」

「私などは身一つの風来坊でしたから、御主人様の居るところにはどこでもついていけますけど、所領を持つ貴族となると簡単ではありませんからね。リエヒア様やペルンジャ様だけでなく、昨日のエンシューム様なども大地主と伺っております。そうした方々の決意というものは、常に心に留めておくべきかと」

「そうなあ、俺も根っからの平民だから、なかなか難しいんだけど」

「理解までは必要ないでしょう、ただそういうものだと知っておけばよいのですよ」

「そんなもんかね」


 キンザリスも貴族の教育係だけあって、たまにテナと似たようなことをいう。

 こうして俺の足りない部分を補ってくれる従者ってのは得難いもんだよな。

 しかもベッドの上では甘やかしてもくれるし。

 甘いケーキもいいが、甘いおっぱいも食べたい気がしてきたので、切り上げて戻ろうかと思ったら、うちからペルンジャが出てきた。


「もう着いたのか、早かったな」


 隣の席を勧めると、懐かしそうな顔で腰を下ろす。


「なつかしいですね。この店も、二度と来ることはないと思っていましたが」

「そうだな、なにか食べるか?」

「では同じものを」


 というので、改めて注文しようと声をかけると、先に判子ちゃんがパンケーキを運んできた。


「気が利くなあ、さすがは判子ちゃん」

「どういたしまして。あなたもしっかりブドウ糖を脳に補充しておいたほうがよいのでは」

「え、なんで? またなんかある?」

「さあ」


 思わせぶりなことを言って奥に引っ込む判子ちゃん。

 正確な情報伝達は円滑な人間関係に不可欠だが、逆にああやって出し渋ることで俺を困らせたいという判子ちゃんの可愛らしい乙女心が感じられるので、それはそれでいいものだと思うなあ、などと甘ったるいことを考えながら、甘ったるいパンケーキを食べていたら、突然頭の天辺から抜けそうな素っ頓狂な声が響く。


「ペ、ペルンジャ! ペルンジャ、なんで!?」


 確認するまでもなく、声の主は我らが春のさえずり団リーダー、ヘルメのものだった。

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