第389話 試練へ

「えー、ご存じの方もおられるかと思いますが、私サワクロは商売のかたわら、紳士などというものをやらせていただいておりましてー、その関係でこの度ルタ島まで試練とやらに出向くことに相成りました。つきましてはしばらく家族ともども留守にするかと思いますがー、商売に置きましてはなるべく支障がないように取り計らってまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いしたい所存であります」


 出発の前夜に商店街や街の友人連中をあつめて壮行会というか、正体をばらしておくと言うか、そういう会を開こうという流れになったので、このような演説をぶったわけだが、結局の所、俺が紳士だとまったく知らなかったのはエブンツだけというオチだった。

 顔の広い喫茶店のルチアはフューエルとの関係だけでも予想がついていただろうし、料理人のハッブも同様だ。

 漁師だったホム親子だって、元白象騎士エーメスの主人が誰なのか、ぐらいはわきまえているわけだ。


「まじかよ、おかしいと思ってたんだ、いくらなんでも普通そんなにモテないよな、と思ってたんだよ、何だよ紳士ってお前よう」


 などと最初のうちはくだをまくエブンツだったが、


「しかしあれか、お前がそのなんとかって称号をもらってくれば、この商店街も紳士のいる商店街みたいな感じで商売繁盛なんじゃねえか?」

「逆にやりづらいんじゃねえか? そもそも、今でも十分繁盛してるじゃねえか」

「それもそうだな」


 それで納得するのが、エブンツのいいところだ。


「ところで試練ってやつ、たまに新聞に乗ってるけど、なんかすげー強い紳士とかが苦戦するぐらいすげーんだろ、お前でだいじょうぶなのか? それともホントはすごい力を隠してるとかあるのか?」

「いや、別にそういうのはないな」

「ないのかよ、まああったら気がつくよな」

「うちは人材が豊富なのでそこのところから攻めたいという気持ちはあるが、でもなんか心配になってきた、まじで俺なんかが試練なんて行って大丈夫なんだろうか」


 などとつい弱気になってグダグダと飲んでいたが、他の連中もとくに変わらずいつものような宴会だった。

 つくづく、ここはいい環境だなと思う。

 他の連中にも個別に挨拶をして回るが、商店街でも新入りの珈琲豆屋フリージャちゃんなどは、俺の肝いりで出店したようなものなので、やはり不安を隠せないようだ。


「こうして機会を頂いただけでもありがたいのですが、やはり社長がいらっしゃらないとどうにも……」


 まだ軌道に乗ってるとはとても言えないので、その気持はわかる。


「なあに、メイフルをはじめ、店の連中はこまめに戻ってくるし、ミラーも何人かは常駐してる。そもそも、コーヒーが根付くまで何年でも頑張る覚悟で、国をでてきたんじゃないか、君ならやれるさ」


 などと無責任な事を言ってみたら、納得したようだ。

 ポジティブだなあ。

 もっとも、起業しようなんて若者は、基本的にポジティブが極まってるもんだしな。


 冒険者ギルドのサリュウロちゃんは、幼馴染のパルシェートと別れを惜しんでいたが、俺が声をかけると、こんな話をしてくれた。


「今朝、本部の方から届いた話で、まだ裏は取れてないんですけど、どうもルタ島の試練の塔を、一般の冒険者にも開放する、って話らしいんですよ」

「へえ、そもそもあれって紳士が独占してたのか?」

「少なくとも去年の段階ではそうでした。ですが、紳士だけでは盛り上がりに欠けるという話で、あちらの神殿でお伺いを立てたところ、一度紳士が頂上までたどり着いた塔は開放しても良いとのお告げがあったとかなかったとか。おそらくは、明日の海開き以降、続々と冒険者が集まってくるのではないでしょうか」

「ふむ、まあにぎやかな方がいいよな、別に金目当てで潜るわけでもないし」

「うちが最寄りのギルドになるので、状況によってはあちらに視察に行くかもしれません」

「聞きたいことがあったら、留守番のミラーに言付けてくれれば調べとくよ」

「ありがとうございます。いやあ、それにしても、サワクロさんもいよいよ試練に。うちの常連さんからホロアマスターがでれば、ここも箔が付きますねえ」


 などとほろ酔い加減で笑っていた。

 サリュウロちゃんも、随分貢いできたおかげか、すっかり明るくなったな。

 初めてあった頃はもうちょっと大変そうだったもんな。


 ついで声をかけたのは、本屋のネトックだ。

 その正体は俺と同じく別の宇宙からやってきた異邦人なわけだが、その実態はただの自堕落な半引きこもりだ。


「もう最近は諦め気味ではあるんですけど、なにか進捗はあったんでしょうか」


 手酌でやりながらぞんざいに聞いてくるネトック。

 自堕落が過ぎて、ちょっと目が死んでるように見える。

 そのたるんだ目でチラチラ盗み見ているのは、ちょうど部屋の反対側で談笑している判子ちゃんだ。

 判子ちゃんは、最近ではすっかり商店街の一員として普通にコミュニケーションを取っているようだ。

 どういう風の吹き回しだろうな。

 それはそれとしてネトックだが、彼女のいう通り、依頼された船の捜索はまったく進んでいない。


「一応な、いくつかの遺跡を使えるようになったから、そこに頼んで探してもらってはいるんだよ」


 そう言うと、ネトックは眉間にシワを寄せて、


「そればっかりじゃないですか、そもそもこの星の文明は上位次元にライズするだけの技術はなかったのでしょう。果たしてそれで見つけうるのかどうか」

「今度の旅でうまく行けば、ここの遺跡の大元であるマザーってのが復活するかもしれないんだ、そうすりゃさらに詳しく調べられるかもしれん。あるいは南極に住んでる巨人みたいなのは、女神とか闘神って言われてる連中の仲間みたいだから、もう少し違った話も聞けるかもしれん。まあわからんのだけど」

「期待はしませんが、あてにはしてますよ。そういえば、フルンちゃんに頼まれてた本ですけど、入荷に一月ぐらい掛かりそうです。届き次第ミラーさんに渡しておきますから」

「そりゃあ、たすかる。あいつらも本が大好きだからな」

「魔法とやらのおかげで印刷技術が発展しているとはいえ、このレベルの文明で子供が存分に読書できるというのは、贅沢なことなのでしょうねえ。私がファーツリー上に住んでいた頃は、あらゆる情報は常に意識の近傍に流れ続けるものでしたが、今の有機生命体の形態では、とてもあの量の情報は処理しきれません。結局は本のようなものが、ちょうどよい情報密度なのでしょうね……」


 最後の方はほとんど独り言のような感じだったが、どうやら飲みすぎて酔いつぶれたようだ。

 後のことはミラーに任せて、俺は宴会の輪に戻ったのだった。




 翌朝。

 いつものように目覚めると、まだ早朝だった。

 昨夜は自重しておいたので、宴会の翌日だと言うのに珍しく二日酔いもない。

 表通りに出ると、お向かいのオングラーが店を開けるところで、隣のルチアも店の前を掃除していた。

 しばらくこの景色ともお別れかと思うと、ちょっぴり寂しくなってくるが、ルタ島にいけば、まだ見ぬ従者がいるかも知れない。

 そのことを思えば、それなりにワクワクもするのだった。

 試練の大変さは、今は考えないことにしておこう。


 うちの中ではすでに大半が起きて支度をしている。

 あと三時間もすれば住み慣れた家を出て、試練の島へと旅立つわけだ。

 思えば去年エツレヤアンを旅立ったときも、試練を目指してたわけだが、あの頃とは随分とかわっちまったなあ。

 それでいて試練自体はまだ始まっても無いわけだけど。

 とにかく、この年末年始はスケジュールが超ハードだったので、試練はなるべくマイペースにのんびり行きたいところだ。


 軽めに食事を取り、身支度を終える。

 皆がおそろいのコートを羽織っている。

 エツレヤアンを出る時に用意したやつだが、スポックロンに頼んでいい素材で作り直してあったりする。

 ミラーの分も全員分仕立ててあり、しめて三百着以上になるので、そもそも業者に頼むのも難しいしな。

 みんながおそろいの格好をしていると、なんか一体感があって引き締まるな。


「さあ、いよいよその時が来ました。あとはただ、成すべきことを成すだけです。では出発しましょう」


 アンの音頭で、俺達は家をでる。

 商店街の連中は仕事があるので、見送りは家の前ですませた。

 アンを始めとして従者連中はみんな気合を入れまくっているようで、それにつられて若干緊張していた気もするが、別れしなにエブンツが、


「おみやげ頼むぞ、ルタ島って柑橘系の果物とかが有名なんだよ、あとオリーブもいいらしいな」


 などとおよそ偉大な試練の見送りとは思えないことを言ってくれたおかげで、いつもの気分に戻れたようだ。

 やはり持つべきものはゆるい友人だな。




 港には見学というか野次馬連中があふれており、すごい人混みだ。

 よくわからん横断幕などもかかっていて、よほどの人気者が旅立つと見える。

 その人気者はついさっきまで街の商工会とか地元貴族やらが集まった送迎会みたいなので、一発演説をぶたされたり、若い娘さんから花束を贈られて鼻の下を伸ばしたりと忙しかったが、やっと出発できるようだ。

 人が多すぎて見送りの友人連中がどこにいるのかもわからないが、まあ事前に別れは済ませておいたのでいいだろう。

 そもそも、たまに戻るつもりだし。

 雑に手をふるうちに、船はあっという間に港を離れた。

 四、五時間ほどの船旅だという。

 大きな帆船は、ゆるい向かい風の中を悠々と進んでいた。

 一番上の上等のデッキは貸し切りで、テーブルで酒など飲みつつのんびり目指す先を眺める。

 空は晴れ、海は凪、実に素晴らしい出港日和とでも言うか、まあそういう感じだ。


「ねえ、なんで風が前から吹いてるのに、船は前に進むの?」


 俺の向かいでジュースを飲んでいたエットが唐突に尋ねると、隣で酒のおかわりを頼んでいたカリスミュウルが、


「む、言われてみれば不思議なものだな。追い風を帆に受けて走るのはわかるが、みれば帆は横に膨らんでおるではないか。風は前から吹き、帆は横に膨らみ、船は前に進む、まるであべこべだな」

「うん、前から不思議だった、道場のあとに、船を見に行ったりすると、風は海から吹いてるのに船はてんでバラバラの方に船が進むの、なんで?」

「むう、私にもわからぬ。おいクリュウ、なぜだ?」


 早々に諦めたカリスミュウルにかわって、答える。


「こう、帆は風を受けると膨らむんだけどな、その両側を通り抜ける風の速さが変わることで揚力ってのが生まれてだな……」


 ぐだぐだと説明してみるが、いまいち要領を得ない。


「俺も説明下手だな、スポックロン、なんかちょっと映像入りで説明してやれんか」


 丸投げすると、待ってましたとばかりに、どこからともなく取り出した立体映像装置でゴージャスな教育番組が始まった。

 しばらく見とれているうちに、フルンが走ってきた。


「見えた! 島! 島見えた!」


 いつの間にか、水平線の向こうに大きな島が見える。

 ここから見ると、島というか山が海から突き出してるような感じで、しばらく眺めていると、徐々に全貌が見えてきた。

 海岸沿いに僅かな平地があってそこに大きな街と、試練の塔らしきものも見える。

 船室から出てきたレーンが早速うんちくをぶつ。


「あれがエトア山ですね。島を東西に横断して二分する山脈で、あの山頂付近に見えるのが東の端に位置するウル神殿です。ここから左手前に見えるのがシーナの港町でして、あの湾内では養殖が盛んで、夏場はあそこから運ばれてきた魚もアルサで多く水揚げされるそうです」


 それを聞いていたネールが、


「ウル神殿があんなに立派に。先の大戦で焼け落ちたあとも、私がいた頃まではまだまったく手つかずだったはずですが」

「あれは二百年ほど前に工事が始まり、八十年かけて今の形まで復興しました。立派な神殿だと聞いております」

「シーナの村も、随分と大きくなったのですね。あれも小さな漁村だったのに」

「現在のルタ島においては、グリエンド、オルミナと並ぶもっとも大きな街の一つです。やはりウル神殿へのアクセスが容易なので、観光で訪れる客が多いことも影響しているでしょう」


 事前に地図で勉強してたはずなんだけど、すでに綺麗サッパリ忘れている。

 まあ、任せておけば勝手に連れてってくれるだろうからいいんだけど。


「船はこのまま島の南岸沿いに進み、南西のグリー半島にあるグリエンドの街から上陸します。ここは隣接するネアル神殿と合わせて、ルタ島でもっとも大きな街となります。こちらの神殿で、試練に挑む宣誓の儀式を行い、朱印帳を授かります。それを持って八つの塔を周り、最上階にある印をすべて押し、最後に再びネアル神殿に戻ると、ホロアマスターの称号を授かる、という寸法です。すでに何度も説明したかと思いますが、ご主人さまはすっかりお忘れのご様子なので改めて申し上げた次第」

「よくわかったな、まあまた忘れそうな気もするけど、どうにかなるだろ」

「そうですね、細かいところは気になさる必要はないでしょう」


 船上から見る島は緑が生い茂りなかなか美しい形をしている。

 島の中央を横断するという山並みは、高さにして三百メートル程度だろうか。

 生まれ故郷の里山がちょうどあれぐらいだったなあ。

 西の方に一際高いところもあるな。

 山裾には豊かな森が広がり、所々に小さな集落もある。

 海岸沿いには多くの漁船が出ており、途中、大きめの船ともすれ違った。

 島内を周回する船らしい。


「島の北側は、暗礁と強風で一年を通して船が通れません。南回りで往復するそうです」

「ふうん、それも冬の間、島が閉ざされるのと関係してるのかな?」

「どうでしょうか、島の最北端の平原では夏でも雪が溶けぬといいますから、何らかの超常現象ではあるのでしょうね」

「今でもこんなにあったかいのになあ」


 海上を吹き抜ける南からの風は、ちょっと蒸し暑さを感じるほどだ。

 暖流の影響だが、そのおかげで漁業も盛んらしい。

 アルサ以上に豊富な魚介類も、観光の目玉だという。

 たのしみだなあ。

 などと思わず舌なめずりしていたら、スポックロンがやってきた。


「ご主人様、例のお弟子さんが到着したようですよ」


 弟子とは無論、若き男装の紳士ガーレイオンのことで、彼女……じゃなくて彼とその従者リィコォちゃんがやっと追いついたようだ。

 出発に合わせて迎えを出そうとしたら、リィコォちゃんの親分である例の魔女が、断ったらしい。

 代わりにあちらで足を用意すると言ってたそうなので、ほっといたのだが、なんとあの二人は巨大人型ガーディアンとともに飛んできたのだった。


 船の上空で止まると、たちまち乗客がパニックになる。

 そりゃあ、そうなるよな。

 慌ててうちの連中が沈めて回るが、ガーレイオンは上空から俺を見つけると嬉しそうに手を振っていた。

 あの図太さは、俺の弟子としては合格だと言える。

 それを見たスポックロンは、


「子分とはいえ、いわばプライベートな旅に殲滅級ガーディアンを持たせるなどと、言ってることとやってることがバラバラですね、あの自称魔女は」

「親馬鹿なんだろう、気持ちはわかる」

「なるほど、親馬鹿」


 まあ、それは置いといて降りてきたガーレイオンと再会を喜ぶ。


「おう、ガーレイオン。少し見ない間に男ぶりが上がったんじゃないか、やはり従者を持つと紳士は変わるからな」

「はい、僕もいろいろと覚悟が決まった気がします」


 そう言って嬉しそうに無い胸を反らす。

 一緒に降り立ったリィコォちゃんも、少し大人びた雰囲気だ。


「おつかれさま、リィコォちゃん。長旅は大変だっただろう」


 というと、少し表情を緩めて、少女らしくはにかむ。


「こんな遠くまで来るのは初めてで、パーチャターチは、外の世界は危ないから気をつけろって、色々持たせてくれたんですけど、あの、やっぱりダストンパールって目立ってますよね?」


 そう言ってキョロキョロする。

 やっぱりあの魔女の親馬鹿だったか。

 まあ、こんなかわいい子を手元から送り出すとなると、心配にもなろう。


「たしかに、いいとは言えないな。ちょっとまってなよ、おいスポックロン、あれを上空のなんとかに回収してやれんか? どうせ上に待機してるんだろう」

「あれはちょっと大きいので収納は無理ですね。外部ハンガーに吊るすことならできますけど、下から見えそうなので。それよりも、海に沈めておけばいいのでは? このあたりならちょうど海溝もありますし」

「ふむ、じゃあそうしてもらうかな?」


 俺の返事が聞こえたのかどうか、巨大ガーディアンは船から少し離れた海に、静かに沈降していった。

 直立不動の巨大ロボがジワジワと沈んでいく姿はなんとも言えずシュールだった。

 船の乗客もパニックはおさまったものの、みんなビビりながら様子を見ている。

 まあ、先入観抜きだと、かなり怖いよなあ。


「も、申し訳ありません。皆様にご心配をおかけしたみたいで。そもそもガーレイオンが朝寝坊するからだめなんです。本当はこちらが出港する前に着くはずだったのに」

「しょうがないじゃないか、いよいよ試練だと思うと、緊張して眠れなかったんだから!」


 と拗ねるガーレイオン。


「まあ、間に合ったんだから良いじゃないか。それよりも、まずはテーブルについて、一息入れよう」


 二人を座らせて、お茶を準備させる。

 その間にフューエルを捕まえて、


「下の騒ぎが収まったら、お客さんに酒でも振る舞っておくか。まだ入港まで時間があるんだろう」

「それはもう、船長に頼んでおきました」

「頼りになるねえ」

「それにしても、紳士とは皆、並外れた何かを持っているそうですが、他の紳士の方々もこんな調子で突拍子もないことをしでかすとしたら、今度の旅は、大変かもしれませんね」

「なるべく、関わらずに過ごしたいもんだな」


 そう言ってついたばかりの紳士コンビを見ると、ガーレイオンが出されたケーキにガブガブと食い付き、リィコォちゃんが行儀が悪いと叱りつけていた。

 かわいいカップルだなあ。

 それはそうと、二人はよく見るとかわった服を着ているな。

 登場時のインパクトに目が奪われて気が付かなかったが、つるつるした樹脂っぽいコートで、たぶんこちらの装備も古代遺跡由来のものだろう。

 あの魔女も、よほど入れ込んでいると見える。

 スポックロンに尋ねると、


「あれは当時の宇宙警察機構に支給された戦闘服の一つですね。ご主人様のインナーと同じようなものですが、外見のカモフラージュがない分、あちらのほうがワンランク高性能ですね。あれだけで剣や魔法に限らず重火器、光学兵器、放射線や宇宙線、爆風から精神攻撃のたぐいまで、ほぼ防ぐことができるでしょう。ヘルメットとブースターユニットを装備すれば宇宙での船外活動も短時間可能なスーツです。また肩についた小さなユニットは、クロミと同様の小型ガーディアンですね。まったく、非干渉が聞いて呆れますね。私も早速追加装備を投入しようと思いますが、よろしいですね」

「まあ、程々にな」


 魔女に愛されている弟子のリィコォちゃんと、その主人は、美味しそうにおやつを食べている。

 いつの間にかよってきたフルンたちとも、楽しくやっているようだ。

 他の乗客たちも、酒が入ったのか、どこからともなく歌なんかも聞こえてきて、船旅はいよいよ盛り上がってきた。

 さて、いよいよ上陸か。

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