第250話 地下道 前編
避難民を地下道に潜らせ始めて、一時間ほどが過ぎた。
何度か魔物の襲撃を受けたが、幸いクロックロンのバリアを破れるものはいなかった。
避難民の最後尾とともに地下に潜る。
残ったクロックロンには、入り口の警護を任せつつ、自分の判断で、街の外で合流してもらうことにする。
クロックロンだけなら、堀も越えられるしな。
地下トンネルでは無理して下ろしたせいか、またみんながごちゃっと詰まって、滞っている。
俺の姿に気がついたクメトスが、スィーダを伴いやってきた。
「お疲れ様です、ご主人様。上は片付きましたか」
「どうにかね。こっちはどうだ?」
「何度か襲撃を受けましたが、今のところクロックロンだけで撃退できています」
「そりゃあ良かった。しかし、進みが遅いな」
「思ったより通れる道が細いようです。クロックロンが整地中ですが、全体が抜けるには、まだ三十分はかかるでしょう」
「とにかく時間がかかるなあ」
「いえ、これだけの規模での撤退戦としては、立派な成果だと思います。クロックロンの用兵にも慣れてきたのでは?」
「そういえば、あいつらの動きも最初の頃よりだいぶスムースだよな。昔はもっとアバウトだったが」
「おそらく、毎朝のトレーニング時に、彼女たちも一緒に練習することが多かったからでしょう」
「なるほど」
遊んでばかりに見えたクロックロンたちも、ちゃんとやるときはやってくれてたんだなあ。
最後尾の警護を今しばらくクメトスに任せて、俺は地下トンネルの様子をうかがう。
あちこちに瓦礫が溢れているが、天井や壁が崩れてきたわけではないようだ。
たぶん、洪水とかで流されてきたのかな。
ほとんどがコンクリートの塊だが、よく見るとプラスチックの丸い乗り物っぽいものが転がっている。
もしかして、車のたぐいだろうか。
完全に壊れているようだが、近くにいたクロックロンに聞いてみる。
「これ、乗り物じゃないかと思うんだが、どうだ?」
「ソウナ、原始的ナ精霊石ノ内燃機関ガアルナ。直セバ動クンデネ?」
「直せるか?」
「直セルヤツニハ直セル」
「つまりお前には無理ってことか」
「ソウトモイウナ」
ダメ元で持って帰ってみるか。
精霊石を使ったエンジンがついてるなら、それを元に動力が作れるかも知れん。
俺は転がってた車もどきを数台、内なる館に取り込んだ。
それにしても、内なる館は便利だなあ。
どういう仕組みか、さっぱりわからんが。
そうやって遊んでる間にも、町の人の逃避行は続く。
「紳士様、ありがとうございます、ありがとうございます」
などと俺を拝みながら歩く老婆の手を引いてやったり、泣きじゃくる子供をおんぶして運んでやったりと、大変だ。
赤児を背負った若い人妻の肩紐が、胸元でむっちり食い込んでる所に欲情しそうになったのなんて、今日一番の大変さだった。
パイスラはやばいよな。
あと、俺も溜まり過ぎな気がする。
最後尾がトンネルの中ほどまで到達するのに、すでに三十分ぐらい経過していた。
かなり遅い。
だが焦りは禁物だ。
状況を確認すべく、クロックロンに指示を出しながら、細かい調整をしていた紅に、話しかける。
「様子はどうだ」
「通路の整備が進みました。これからはペースが上がると思います」
「そりゃあよかった」
「ただし、不確定ですが、強力な魔力のようなものを感じます。強い魔物が近づいているかもしれません」
「そりゃあよくないな。どっちだ?」
「後方、クメトスのいる側だと思いますが、断定はできません」
「ふむ、クロックロンを集めて、バリアの密度をあげるか」
「良いと思います、ではそのように指示します、マスター」
うーん、ハラハラする。
むしろ映画とかなら絶対何か起きる場面なので、かえって安心できるのにな。
なにも起きないかもしれないし、起きてほしくないけど起きるかもしれないみたいな絶妙の緊張感で、だいぶ精神が消耗してる。
だがそれは、一緒に逃げてる街の人らも同じだろう。
みんな怯えて疲れている。
こう言う時、虚勢を張らなきゃいけない立場ってのは、しんどいもんだな。
それでもまあ、俺は黙って立っていれば貫禄があるらしいので、ふんぞり返るぐらいはしておこう。
そうしてふんぞり返って威厳を保ちながら、みんなを励ましていると、突然声がかかった。
カリスミュウルだ。
先程の透明な人形も連れている。
「ふん、貴様も紳士らしい振る舞いの基本ぐらいは理解しているようだな」
「どうした、そんな憎まれ口を叩くために戻ってきたのか。アンブラールは大丈夫か?」
「すでに上に運んだ。上まで登れば、どうにか安全は確保できるようだ。であるならば、ここを守りきるのが、我らの義務、というものであろう」
「そりゃあ、殊勝な心がけだな。何か強い魔力を感じるようだ、しっかり警戒してくれ」
「うむ、それが気になって降りてきた。貴様の従者は腕が立つであろうが、当の本人は頼りないにもほどがあろう。貴様、魔法が使えぬというのは本当か?」
「そうだよ、随分と俺のことに詳しいな。俺にもお前のことを教えてくれていいんだぜ?」
「知りたくば、自らの目で確認するのだな」
そう言って、カリスミュウルは懐から小さな杖を取り出すと、何やら呪文を唱える。
彼女の魔力が高まるのを感じたので、戦闘態勢に入ったということか。
ここで俺を守ってくれるつもりなんだろうが、素直に守られるのも癪だな。
すっとぼけて、からかってみよう。
「それで、杖なんか取り出して何をするんだ?」
と訪ねると、カリスミュウルは一瞬あっけにとられた顔をして、それからみるみる顔を真赤にして、
「敵を蹴散らすに決まっておろう! 私は前を見てくる。貴様は最後尾を見張っておれ!」
そう言って歩き去った。
あのタイプのあしらいはフューエルに鍛えられたからな。
あれぐらいの憎まれ口は可愛いもんだ。
すると、そばで見ていたのであろうフルンがひょいと寄ってきて、こう言った。
「ご主人様も、あの人も、子供みたい!」
「ははは、拮抗するライバル同士の熾烈な争いというものは、時として子供じみた滑稽さを併せ持つものなのだ」
「ご主人様、たまに難しそうなこと言うけど、中身は何もない時あるよね」
「そうかな」
「うん、なにか誤魔化そうとする時はそういう風に言う!」
「ははは、フルンにはかなわんなあ。でもな、そういうことは気がついても黙っておいたほうが、色々便利だぞ」
「そうかな?」
「どうかな」
俺達の会話を聞いていたシルビーは終始呆れた顔をしていたが、おかげで俺の気もほぐれた。
「もうしばらくの辛抱だ、ここは任せたぞ」
そう言って、改めて最後尾に戻ると、クメトスと紅が警備にあたっている。
先程話したフルン、シルビー、それにコルスの三人は、列の中ほどで警備と補助を行っている。
先頭の出口付近には、エーメスがいるはずだ。
たぶんカリスミュウルもそこに向かったはずだ。
あっちは若干手薄だし、彼女らが居てくれたほうが安心かもしれない。
「おう、クメトス。調子はどうだ?」
と声をかけると、一瞬の沈黙の後に、こう答えた。
「なにかが、来ます。恐るべき力の持ち主です。ご主人様は、スィーダを連れて先にお進みください」
「む、やばそうか?」
「かなり……。我々は距離を取るために少し戻って迎え撃ちます。ご主人様はお早く」
そう言ってクメトスは長い槍を握りしめる。
「無理するなよ」
「ご心配なく、同じ失敗はいたしません。必ず無事に戻りますので」
「わかった、紅も頼むぞ」
「おまかせください、マスター」
一緒に行くと駄々をこねるスィーダを引っ張って、列の最後尾まで戻る。
祖父の形見のガルペイオンを胸にだいて、心配そうにうつむくスィーダの肩を叩き、
「大丈夫さ、クメトスがめちゃくちゃ強いことは、よく知ってるだろう」
「そうだけど……」
「うん?」
「私、全然役に立ってない。誰の役にも」
「ふむ」
「そう思うと、なんでここにいるのかとか、わからなくなる」
「そうだなあ……」
と一旦言葉を区切ってから、こう言った。
「今ここには何百人もの人が居るけどな、この脱出に役に立ってる人なんて一割もいないだろう。みんな助けてもらってばかりだ。だけどそういう人達も、普段の生活ではパンを焼いたり、服を作ったりして、きっと何かの役に立ってるんだよ。ただ、それが今じゃないってだけで」
「うん」
「スィーダの今の仕事は、クメトスの後方を支えることだ。荷物を運んだりしてな。たったそれだけと思うかもしれないが、その御蔭でクメトスは何も考えずに全力で槍をふるえるんだ」
「うん」
「だから役に立つ人ってのはな、その時やるべきことをちゃんとやる人のことを言うんだ。スィーダはそれができてるだろう」
「そうかな?」
そうだと即答してやれないあたりが、俺も頼りないな。
まあ俺の説教なんて、さっきフルンにも突っ込まれたとおり、基本的に頼りないからなあ。
そんな気持ちをごまかすように、集団に向かって発破をかける。
「ほらみんな、急がないと魔物が来るぞ。こけない程度に急げよ」
そう言い終えた瞬間、背後から爆発音が聞こえた。
振り返ると爆炎と閃光が巻き起こり、こちらまで爆風が巻き起こる。
とっさにスィーダの身を守るように覆いかぶさると、その前にクロックロンが積み上がって壁になる。
「クロックロン、どうなってる」
「敵ハ三体、強イナ。百十五号ガ真ッ二ツ!」
「大丈夫かよ」
「足ガ二本アレバ歩ケル」
「大丈夫そうだな」
「クレナイノ手ニ負エナイナ、クメトスガ一人デ頑張ッテル、助ッ人ヲ投入シタホウガ良イナ」
「わかった、それじゃあコルスを……」
と言いかけたら、スィーダがパッと走り出した。
「待て、戻れ、スィーダ!」
「私が! ちゃんと師匠の後ろにいないと!」
そう言って振り返らずに走っていく。
うぐぐ、さっきの説教が失敗だったか。
「クロックロン、止めてくれ!」
そう言いながら俺も追いかけるが、クロックロンは防御のために俺のそばに集まっていて出遅れてしまった。
頑張って追いかけるが、足場は悪いし、周りは薄暗いし、そもそも思った以上に疲労が溜まっていて足腰に来てる。
それでも必死に追いかけていると、後ろから人影が追い越していった。
見るとフルンだ。
「フルン、スィーダを止めてくれ!」
「分かった!」
そう返事を返して更に速度を上げるが、急に飛び退る。
ん?
と思った瞬間、フルンがいた地面が爆ぜた。
「ご主人様、敵っ! 下がって!」
俺は言われるままに立ち止まり、手近な岩に隠れるように下がる。
すぐに剣戟の音が響き、フルンが白っぽい敵と切り合う様子が見えた。
あれがカリスミュウルの言っていたやつか。
「困った、ご主人様! こいつ強い! 勝てないかも!」
「待ってろ、今助っ人を呼んでくる!」
「うん!」
慌てて来た道を戻ると、コルスとシルビーが走ってきていた。
「急げ、フルンが押されてる!」
「了解でござる! シルビーは三の手を!」
そう答えると、ふっとコルスの姿が消える。
振り返ると、もう敵に肉薄していた。
それを追いかけるようにシルビーも抜刀して近づいていく。
こっちはコルスがいれば大丈夫だろう。
セスがずば抜けて強いうえに、斥候任務が多いので埋もれがちだが、コルスも剣士として相当な腕だからな。
よし、俺は今のうちにスィーダを追いかけよう。
クロックロンにみっしりとガードしてもらいながら、戦闘中のフルン達を避けるように回り込んで先に進む。
激戦だがコルスが中心になって、押しているようだ。
暫く進むと、前方で再び激しい魔法の炸裂音と爆風。
小さな盾で頭部を守りながら更に進む。
「クロックロン、スィーダはどこだ?」
「今探シテル……イタ、右手ノ岩陰ダ」
見ると進むに進めず、岩陰で様子をうかがっていた。
「スィーダ、無事か!?」
「さ、サワクロさん……」
「これ以上行っても足手まといになる、俺の中に入ってろ」
「で、でも、師匠が、師匠にこれを渡さないと……」
と胸に抱えた大剣ガルペイオンを指す。
「わかった、じゃあ俺が渡しておくから……」
そう言いかけたところで、クロックロンが叫ぶ。
「アブナイ!」
叫ぶと同時に飛び上がったクロックロンに火の玉が命中する。
くそう、俺達をかばったのか。
「ヤラレター」
プスプスと煙を吐きながら転がるクロックロン。
大丈夫そうだな。
「クルゾ!」
「守ルゾ」
クロックロンが密集してバリアを発生させるが、降り注ぐ火の玉で、何体か吹き飛ぶ。
「ヒエー」
「アヒャー」
「マケター」
さっさと逃げたいが、魔法攻撃がひどくて動くこともできない。
クロックロンが吹き飛ぶと、更に新しいクロックロンがやってきてバリアを張るが、敵も強力な呪文を次々と放ってくる。
一体どこに居るんだ?
必死に周りを探すが攻撃元がわからない。
「さ、サワクロさぁん」
涙目で俺にすがるスィーダ。
「大丈夫だから、お前は早く中に……」
「だめ、それだめ」
「クメトスなら俺が」
「ちがう、サワクロさんが死んじゃ駄目。みんな、みんなサワクロさんのために頑張ってる、師匠も、フルンも、クロックロンも、サワクロさんを守る為に命がけで頑張ってる、だからサワクロさんが死んじゃうのは駄目、だめ……」
「スィーダ」
「私、わかった、自分のために、じいちゃんみたいになりたいだけで戦ってたから、だから、誰の役にもたてなかった、師匠みたいに守る人が居なかった、だから、だから……」
「うん」
「私も、サワクロさんを守りたい、そしたらきっと、フルンや、師匠みたいになれる、だから……」
そう言って泣きじゃくるスィーダの体は光っていた。
「よし、じゃあ俺の従者になるか」
「え?」
「そしてずっと俺やクメトス達のそばに居てくれ。お前がいてくれれば、俺も頑張れる」
「う、うん。なる、なる!」
「じゃあ、契約だな」
バリバリと電撃と火柱がほとばしる中で、俺はスィーダに血を与えた。
ふわっと光が消えると、それでスィーダは従者になった。
「あ、なった、たぶん、私、従者になった」
「ああ、もう従者だ」
「すごい、なんだか勇気が湧いてきた。サワクロさん、ううん、ご主人様だ、ご主人様の為に、なんでもできそうな気になってきた」
「よし、それでこそ俺の従者だ。さっそくクメトスを助けるぞ」
「うん!」
クロックロンに確認すると、先頭にいたエーメス達もこちらに向かっているらしい。
エレンはアウリアーノの所に行ったままだし、ネールやラケーラにも地上の安全を確保するために飛び回っているようだ。
追加の戦力はあまり戦力は期待できないな。
コルスとクメトスが別れて戦っているのが厳しい。
となると、俺がクロックロンの集団を連れてどちらかに加勢すべきか。
「うーん、よし、まずはクメトスのところに行くぞ」
「うん!」
どこからかわからない魔法攻撃に耐えながら、俺達はじわじわと進む。
しばらく行くと遥か前方に戦うクメトスの姿が見えた。
薄暗い中、目を凝らしてよく見ると、紅は左手を失ったまま、クメトスの背後をサポートしている。
対する敵は、二体のようだ。
双方、激しい戦いで、俺達が近づいていることにも気がついていないようだ。
俺たちに攻撃を加えているやつも最低一体居るはずだ。
ここからせめて一体でも削れればなあ。
「クロックロン、何か飛び道具はないのか? 鉄砲みたいな」
「鉄砲カ、ナイナ」
「短針銃ナラアルナ」
「あるのか」
「アルゾ」
そう言って、普段見かけない黄色い模様のクロックロンが腹を見せると、底板がパカリと開く。
中にハンドガンサイズの銃が入っていた。
銃というより、小型の電動ドリルにも見えるな。
「カーボンニードルノ麻痺銃ダ、魔法結界ハスリ抜ケルノデ、当タレバスグニ効クゾ」
「いいのがあるじゃないか、なんで早く出さないんだよ」
「今ハジメテ聞カレタゾ」
「そうだっけ?」
「ソウダナ」
「なら仕方ないな、しかしこれ、俺でも当たるかな?」
「味方ニ当テルナヨ」
「怖いこと言うなあ。ちょっと試し打ちしてみよう」
通路の端で薄っすらと光っているライトを狙う。
「これどうやって撃つんだ?」
「認証済ミ。グリップヲ握ッテ、親指ノボタンヲ押ス」
「こうか?」
パス、っと軽い音とともに、あらぬ方向に飛んでった。
「だめだこりゃ」
「コッチデ補正スルゾ、ターゲットハドレダ」
「じゃあ、あの赤いランプを」
「ヨシ、適当ニネラエ」
「おう」
改めて構えると、何やら銃身が振動して手が動く。
「モット力ヲ抜ケ、ヨシ、イイゾ」
「おう」
パスッという発射音と同時に、パリンとランプが割れた。
「おお、こりゃいける。よし、次は敵を……」
「あぶない!」
スィーダが突然俺を突き飛ばす。
同時に何処かから飛んできた石塊が、スィーダの頭部に命中した。
ガッ!
鈍い音を立てて砕ける石。
スィーダが軽くよろめいて崩れ落ちそうになる所を、慌てて抱きかかえる。
「敵ハ魔法ガ効カナイノヲ学習シタナ」
「守レ守レ」
とクロックロンが壁を作る。
「スィーダ、スィーダ! しっかりしろ」
「いたい、いたい……けど、へいき、ご主人様は?」
「俺は平気だ、しかしお前……」
みると石は角に当たったのだろう。
右の角が、真ん中で折れていた。
「お前っ…角が」
「え?」
慌てて角に手をやるスィーダ。
「角、折れちゃった……」
「すまん、俺のせいで」
「大丈夫、角も大事だけど、ご主人様のほうが、もっと大事」
そう言ってスィーダは涙を拭う。
「ボス、見ツケタ、構エロ」
「どっちだ」
「コッチダ、オロカモノメ、物理攻撃ハ見ツケヤスイノダ」
クロックロンの示す方にざっくりと構えると、再び微振動で照準が補正される。
「トリガーハコチラデ引ク、ソノママ構エテロ」
「おう」
と答えると同時に、パスパスと銃が針のような弾を連続して打ち出す。
その度ごとに少しずつ向きが補正されていく。
「アタッタゾ、三十秒様子ヲ見ル」
「お、おう」
俺にはどこに居るのかわからないが、少し間を置いてから、クロックロンが三体、今、弾を打ち込んだあたりに歩いて行く。
すぐに白い塊を持ち上げた。
魔物の首級のようだ。
「首取ッタゾ」
「取ったか、やるな、クロックロン」
「ボスモナ」
「よし、クメトスの方に急ごう」
傷ついたスィーダを支えながら、改めてクメトスの方に向かうのだった。
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