暴君幼女は愛されたい! テキトーにLUK≪幸運≫に全振りしたら、ステータス壊れちゃいました~女神様からもらったチートスキル『構造把握』『創作』を使って、玉の輿でハーレムな無双ライフ……スローライフを♪
第21話 アリシア、みんなからアイディアを引き出す
第21話 アリシア、みんなからアイディアを引き出す
引き続き、レインお姉様のアイドルグッズ制作会議を進行中。
「ほかに質問やアイドルグッズのアイディアはありませんかー?」
些細なことでもほかの人の思考のきっかけになるから、どんどん発言してきましょう!
「姉上は……これからも1人でやっていくのか?」
スレッドリーがぼそりと呟く。
「ん、それはどういう意味?」
「少し気になってな。エリオットさんたちはチームで活動していただろう。姉上は1人なんだなと思っただけだ」
スレッドリーが言っているのは、『ガーランド』でわたしがプロデュースするローラーシューズショーのパフォーマー集団≪チームドラゴン≫のことだ。
メインパフォーマーは、エリオット、セイヤー、エデンの3人。そこに、今は結婚して活動休止状態のロイスを加えた4人で活動をしていた。未確認だけど、わたしがいない間に新人さんも入ったらしいから、もうちょっと大所帯になっているかもね。
「はいはい、なるほどねー。アイドルにはソロの人とグループの人がいるから、どちらもおかしくはないと思うわよ」
その目的次第かなー。
絶対に複数人でないとダメってことはないと思う。
「まあ♡ 私と一緒に活動してくださる方がいらっしゃるの? でもセンターは私よ♡」
センター⁉
レインお姉様! なぜそんな特殊なアイドル用語をご存じなのですか……。まさか転生者⁉
「えーっと、レインお姉様がアイドル活動を行う主な目的は、この『グレンダン』を盛り上げることですよね。いわゆるご当地アイドル的なノリでしょう。そうなってくると、もし誰かとグループを結成するとしても、この土地に関係した人物でないと筋が通りません」
全国から希望者を募ってオーディションしたりとか、もしくは五つ子のアイドルグループを結成したりするのはご当地アイドルのコンセプトからズレますね。
「つまりソンちゃんとグループを結成すればいいのかしら♡」
「えっ、おいらがアイドルでやんすか?」
素で驚くステンソン。
「それは……プロデューサー権限で却下します。いくら夫婦でも男女のペアはアイドルとは認めません!」
「え~♡ 良いアイディアだと思ったのに~♡」
レインお姉様が体をくねらせて悔しがる。
それにヤンスはアイドル向きの顔じゃないから……とは言えない。きっとレインお姉様にとってみたら、すっごいイケメンに見えているんだろうし? 人の好みに口出ししてはいけないですよね。
≪アリシア、それは思うだけでも普通にひどいです≫
はい、無視無視。何も聞こえませーん。心の中で思っただけなのでセーフですぅ。
「はい! アリシアさん! 私、良いことを思いつきました!」
ナタヌが右手をピンと伸ばして挙手。
さっきまで死んだ魚のような目をしていたのに、今はランランと輝いている。どうやら相当自信があるアイディアっぽい? 表情が目まぐるしく変わって、ホント見ていて飽きない子ね。
「はい、ナタヌさん! どうぞ!」
「えっとですね~。……えへへ♡」
くぅ、前置きですでにかわいい!
アイドルオーディション合格決定!
「レインさんのファンの方は、レインさんとたくさんの時間を過ごしたいと思うんですよ!」
「そうだね、きっとそうだと思うよー」
「だから、一緒に旅行するのはどうでしょうか⁉」
「旅行?」
「ファンの方たちと、たとえば……お隣の『ラミスフィア』に行って、温泉に入ったり、ブドウ狩りをしたり!」
「おー、なるほど! アイドルバスツアー!」
前世の知識にもありました!
≪アイドルバスツアー。データベースにヒットしました。補足します。アイドルと一緒に「バス」という乗り物で観光地等をめぐる旅をする企画のことです。アイドルバスツアーでの食事は1人につき、肉は1枚、ソーセージは1本、バナナは1/3本という決まりがあるようです≫
少なっ! 何かの修行なの? あの足湯カフェで豪勢に食事しようよー。
「アリシアさんの馬車で移動すれば、移動中も楽しくおしゃべりができると思います!」
「ナタヌのアイディア最高! あ、でもレインお姉様の負担がけっこう大きいかも……」
長時間拘束だし、その間ずっとファンの人たちに囲まれていると気疲れがすごそう……。どうかなー。
「とても楽しそうなアイディアね♡ 私はそのバスツアーをぜひやってみたいわ♡」
意外と乗り気なレインお姉様。
「ずっとファンの方が周りにいることになるので、アイドルっぽい所作を求められると思います。それが半日か1日か……。おそらくけっこう疲れちゃいますよ」
「それは大丈夫だと思うっすよ」
ヤンスが笑う。
「レインはこの状態が素でやんすから。普段と夜会の時で態度を変えたりしていないでやんす」
すごい……。
まさかの天然系アイドル!
もしかして、最初にわたしの面接をした時だけちょっと威厳ある感じに作っていたってこと?
「ああ、アリシアが言いたいことはわかる。姉上はな、ほかの姉上たちが一緒にいると、少しだけ姉っぽい振る舞いをされるんだ」
姉っぽい振る舞いとは……。
「そうでございますね。レインお嬢様がほかのお嬢様方とお話される時は、長姉としての威厳をお見せになるので、非常に頼もしく見えます」
ラッシュさんも同調する。
こんなかわいらしい感じなのに、姉属性もお持ちなのねー。
「いやん♡ ドリーちゃんもラッシュもそんなところ見ないで~♡ 恥ずかしいわ♡」
なるほど、これは王宮裏事情だー。
レインお姉様は五つ子の中でもセンターでいるためにちょっとかっこつけていらっしゃる……えっ、待って。素敵すぎない? これは……アイドルグループ結成もありね! ソロの時と違った魅力が引き出せそう。
「ちなみにーの世間話なんですけど、レインお姉様は、もしアイドルグループを結成するとしたらどんな人たちと一緒に活動したいですか? あ、女子限定で」
男子禁制です。ダメ、ゼッタイ。
いやいやドリーちゃん?「俺はダメか……」じゃないよ? まさかアイドルになりたかったの? 隣のラッシュさんもうなだれて⁉ 2人のことが急にわからなくなりました……。
「そうね~~~。あまり考えたことがなかったですわね……」
そう言いながら、レインお姉様がチラリチラリと周りに視線を送る。
ラダリィ。小さく首を振って拒否。
ナタヌ。顔の前で両手をバッテンにして拒否。
わたし。いや、わたしはプロデューサーさんですからね?
最後エヴァちゃん。
≪仕方ありませんね。私が一肌脱ぎましょう≫
「ちょっとエヴァちゃん? 安請け合いしたり、ふざけたりはなしですよ?」
≪私は真面目なことしか言ったことがありません。ロボですから≫
なんの説得力もないんですが。
≪アリシアの許可があれば、今すぐにでも47体のエヴァシリーズを派遣いたしましょう≫
「なぜに47体なの?」
≪レインさんと合わせて48人。これで『GLD48』結成です≫
「却下で……」
人数が多すぎるとレインお姉様が目立たなくなる。
「ええ~! 私は47人のエヴァちゃんと活動してみたいわ♡」
「いいえ、却下で……」
「ああん♡ アリシアのイジワル~♡」
≪アリシア、横暴です。レインさんが喜んでいるのに≫
ダメなものはダメ。
多くても3人くらいじゃないと、人数が多すぎると、ファンの人も混乱すると思うので……。
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