暴君幼女は愛されたい! テキトーにLUK≪幸運≫に全振りしたら、ステータス壊れちゃいました~女神様からもらったチートスキル『構造把握』『創作』を使って、玉の輿でハーレムな無双ライフ……スローライフを♪
第20話 アリシア、アイドルグッズ制作会議を再開する
第20話 アリシア、アイドルグッズ制作会議を再開する
「アリシアさん、どちらへ⁉」
ナタヌが慌てた様子で呼び止めてくる。
でもちょっと今は応える気力も……。わたしとエヴァちゃんってそっくりなんだ……。周りから見たらこんな感じに振る舞っているように見えているのね……。
≪ショックを受けすぎではありませんか? そこまでショックを受けられると私も悲しいです≫
えー、でもわたしはもっと大人なつもりで……。
≪私はアリシアのことをとてもかわいいと思っています。アリシアそっくりだと言われることをうれしく思っています≫
そんなにまっすぐに言われると……照れる。
わたしってそんなにダメじゃない?
≪胸のサイズ以外は完璧かと≫
外見じゃなくて内面のほうの評価をお願いします。
≪それはみんなの顔を見たらわかりませんか? みんなアリシアのことが大好きなのですよ。あなたが一声かけたらすぐにこんなにもたくさんの人が集まってくれているのに、それでもまだ不満ですか?≫
それを言われると……。
「アリシアさん! さっきからどうして黙って……またエヴァちゃんと秘密のお話をしているんですか⁉ ずるいです! 私ともお話してください!」
ナタヌがわたしの腕をつかんでブンブン振ってくる。
黙っているだけで嫉妬してくれるの、めっちゃかわいい!
「ごめんね。エヴァちゃんがちょっとイジワルしてきてさー、ショックを受けていただけだからー」
わたし、ちゃんと大人な態度が取れるようになるもん。
エヴァちゃんだけずっと子どもっぽい性格のままでいなさい!
≪私がアリシアの性格をモデルに進化したことに、なぜかショックを受けているようです≫
エヴァちゃんがそう言うと、みんなが一様に不思議そうな顔をする。
その中で、ラダリィだけがちょっとだけ口角を上げて微笑み、口を開いた。
「なぜショックを受けているのですか? 意図的に似せているのだと思っていました。それくらいエヴァ様はアリシアにそっくりです。目をつぶったらどちらが発言したのかわからないほどです」
「さすがにそれはウソでしょ⁉……声もぜんぜん違うし!」
「私はアリシアさんとエヴァさんはぜんぜん違うと思いますよ。アリシアさんはずっとかわいいですけど、エヴァさんは……たまにちょっと攻撃的ですし」
「そうか? 俺はアリシアがかわいいことしかわからないな」
ナタヌとスレッドリーはわたしのことを中心に見てくれているから、きっとほかの人たちとは見え方が違うのね。でもスレッドリーはもうちょっと周りも見て!
「何かトラブルかしら? 私のアイドルグッズのお話は始まらないの?」
と、レインお姉様が話に入ってくる。
「そうでしたそうでした。ちょっとショックを受けて脱線するところでした! すぐに『第1回・レインお姉様のアイドルグッズ制作会議』をやりましょう! こちらをご覧ください」
事前に用意しておいた資料を配布して回る。
「これはなんでやんすか?」
「わたしが事前に骨子を考えておきました。どんなグッズが必要か、目的などを書き出しておいたので説明します」
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シチュエーション:ライブ(夜会)
目的:ライブ(夜会)で盛り上がる。一体感を演出する。
全体方針:そのライブ(夜会)限定で購入できる。
グッズ案:
・うちわ
・ペンライト
・Tシャツ
・タオル
・レインお姉様デザインの小物
シチュエーション:日常
目的:プロモーション活動。布教活動。
全体方針:普段使いできる。ファンであることをアピールできる。
グッズ案:
・髪飾り
・チャーム
・ポスター
・食器類
・レインお姉様デザインのドレス
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「まずは大きく分けて2つのシチュエーションでグッズを考えていきたいなと思っています。ライブ中に使用するグッズ。そしてそれ以外の日常で使用するグッズの2つです」
目的や全体方針も書いてあるから参考にしてみてね。
何かここまででわからない人は……。
「こんなにたくさんのグッズが必要なんですの?」
「はい、レインお姉様。良い質問です! これはあくまでもアイディアなので、全部作りましょうという話ではないです! ほかのものでも良いですし、これは作る、作らないを決めても良いですし、その辺りを話し合っていきたいなーと」
まだあくまでアイディア出しの段階ですからねー。
「木細工を入れてもいいでやんすか?」
「良いでやんすよ。色々なアイディアは大歓迎。ただし、売るのか、配布するのか、量産できるものか、数をうんと絞って限定グッズとするのか、そこら辺も意識してアイディアは出してください」
「難しいです……」
「食べ物は売らないのか?」
「お、スレッドリー、なかなか良い意見ね! 先日の夜会は時間も短かったし、とくに何もお食事などの提供がなかったけれど、わたしは食べ物があっても良いと思うよ!」
今日のスレッドリーは冴えているスレッドリーなのかな⁉
ちょっと期待しちゃうかも。
「うぅ……。私は……」
ナタヌがんばる。
何とかアイディアを絞り出そうと、脳がフル回転している様子が見て取れる。悩んでいるナタヌもかわいいなー♡
「先日の夜会に参加いたしまして、僭越ながら感じたことを申し上げても良いでしょうか」
「はい、ラダリィさんどうぞ!」
冷静な目で俯瞰して見られるラダリィの意見は貴重だからね!
きっとわたしが気づかなかったことにも気づいてくれているはず!
「ローラーシューズ講座への参加のクジ引きをしていましたが、あれは有料販売すると良いのではないでしょうか」
「キタコレ! 握手券付きCD販売! アイドル業界の闇に切り込みましたね! すごく良いと思う!」
みんなが「CD?」「CDって何?」みたいな反応を見せている。
実はわたしもよくは知らないですよ? でも前世の知識によると、握手券とはあくまでおまけであるらしいんですよね。『CD』という音楽が鳴る魔道具を購入した特典として握手をするチケットが同梱されているだけですよ、だから握手券を販売しているわけではないですよ、という言い訳をしているんだとか。法律ってムズカシイネ。
「CD……は流通させられないと思うので、ほかのグッズにおまけとしてつけるのが良さそうかな。グッズを買ってチケットを手に入れた分だけ抽選のボールを引ける、みたいな」
ほかにはほかには?
どんどん意見を出していこう!
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