暴君幼女は愛されたい! テキトーにLUK≪幸運≫に全振りしたら、ステータス壊れちゃいました~女神様からもらったチートスキル『構造把握』『創作』を使って、玉の輿でハーレムな無双ライフ……スローライフを♪
第17話 アリシア、レインお姉様のファンサに感動する
第17話 アリシア、レインお姉様のファンサに感動する
「2人ともなんで惨敗してるのよ……」
惨敗も惨敗、大負けですよ……。
まさかね、1人の連絡先もゲットできないなんて……。
「私は悪くないです」
≪私も悪くないです≫
口答えしないの!
わたしはラダリィに勝ってきなさいって言ったのよ⁉
「レインお姉様が、『私の主催する夜会で個人的な連絡先の交換はいけませんよ♡』っておっしゃって、男の方たちをたしなめられたので……」
≪禁止されなかったら今頃100や200の連絡先くらい余裕でした。とても残念です≫
くぅ。
最大の関門はレインお姉様だったか……。
「いやいやいや! そんなのにはごまかされないよ! じゃあラダリィのあれは何⁉」
「アリシア……なぜか貴族の男性方からこんなにたくさんの連絡先をいただいてしまって困りました……。『私は使用人ですのでお気持ちだけで』と申し上げたのですが、どうしても受け取ってほしいと……困りました……」
ほらこの顔!
ホントに困っていない時の顔です! テストに出ますからね、みんな絶対覚えて帰ってください!
≪データベース照合。ヒットしました。『モテる女の「あらあら困りました」顔』と完全一致しました≫
「これが噂の『モテる女の「あらあら困りました」顔』ですね! 勉強になります!」
そうよー。
ナタヌはこういうところをしっかり勉強して次に活かすのよ!
「いくらレインお姉様がルールで縛ろうとしても、男たちの欲望は止められない。そういうものなの。だから、ルールに抵触する程度で連絡先を渡されなかったあなたたちの負けってこと! いい! 深く反省して、もっとフェロモンが溢れ出すようなアッピールの仕方を勉強して!」
ラダリィ……今回はわたしたちの負けを認めるわ!
でも次は絶対に勝つから!
「私の知らない間に、いったい何の戦いが行われていたのですか……?」
≪アリシアの発作のようなものですから、ラダリィさんはお気になさらずに≫
「ラダリィさんはお気になさらずに」
発作って何よ!
わたしはいつだって正気よ!
きーっ! 悔しいっ!
* * *
という戦いの一幕が終わり、夜会後半のお楽しみイベントが開始する。
「それではみなさん、アリシア先生から直接ローラーシューズを習いたい方を若干名募集いたしますよ~♡」
希望者の中から抽選で数名、レインお姉様と一緒にわたしの指導を受けられる、ということらしい。
もちろん初耳。
まあそれくらいぜんぜんかまわないですけどね。
おっと、思っていた以上にたくさんの手が上がったね。
みんなローラーシューズに興味があるんだ? それともレインお姉様と一緒に滑りたいってことかな?
「あらあら♡ 大人気で困っちゃいましたね♡ アリシア先生、何人くらいまでなら同時に指導できます?」
と、レインお姉様がこちらを振り返る。
「そうですねー。このホールの広さから言って……5人までですかね。お姉様含めの人数なので、お客様は4人でお願いします」
初心者があんまり大人数で滑ると、ぶつかったりして危険だし。まあ、レインお姉様を入れて5人くらいがちょうど良さそう。
「シクロ、いつものクジを用意してちょうだい。アタリは4本よ」
レインお姉様のそばに控えていた執事の方に何やら指示を出す。
いつものクジ。
こういう時はクジ引きで抽選するルールにしているのですね。公平で良いかと。
「レイン様。準備が整いました」
「ありがと♡」
レインお姉様はにこやかに微笑みながら、上部に丸い穴の開いた正方形の箱、そして箱と同じくらいの大きさの籠を受け取る。
「みなさ~ん。恒例のクジ引きのお時間ですよ~♡ ローラーシューズの体験会に参加希望の方は、私の前に1列で並んでちょうだいね~。アタリは4人ですよ。アタリのボールを引いた方はこの場に残ってくださいね♡」
レインお姉様の簡単な説明の後、とくに混乱もなく、きれいな列ができる。
総勢50名くらい。参加者の半分くらいの人たちが並んでいる計算だ。
その中の4人かー。けっこう倍率が高いね。
「あら残念♡ また次回お願いね♡」
レインお姉様は、楽しそうに笑いながら、1番に並ぶも残念ながらハズレのボールを引いてしまった男性の手を握った。ハズレのボールは籠の中へ。
あー、そういうこと?
外れると握手会に参加できるんだ! すっごーい! 良いシステム!
「アタリ~♪ 今日最初の当選者ね! 運が良いわね~。本当におめでとう♡ ほかの参加者が決まるまで、しばらく待っていてくださいね♡」
おお、8人目の女性がアタリを引いた。めっちゃうれしそう! わたしと同い年くらいかなー。レインお姉様の熱烈なファンなのね。すごく良いと思う!
「あら~残念♡ 今回もハズレね。次回こそは当たりますように。ギュッギュッ♡」
すごい認知されているファンの人だ。
外れてもうれしそうなのがまた良い!
「はじめましての方ね。なんというお名前か聞いてもよろしくて? はい、覚えました♡ あら、ざんね~ん♡ また次回いらしてね~」
もしかしてレインお姉様って、ファン全員の顔を覚えている?
と、即席の抽選会&握手会が進み、レインお姉様は並んでいたファン全員と触れ合った。
「は~い。今日はこの4人の幸運な方たちと一緒に、アリシア先生にローラーシューズを習っていきたいと思いま~す。みんなケガしないように少し離れて応援していてね♡」
おし、わたしの出番だね。
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