暴君幼女は愛されたい! テキトーにLUK≪幸運≫に全振りしたら、ステータス壊れちゃいました~女神様からもらったチートスキル『構造把握』『創作』を使って、玉の輿でハーレムな無双ライフ……スローライフを♪
第61話 アリシア、お手製の服でラダリィとナタヌをプロデュースする
第61話 アリシア、お手製の服でラダリィとナタヌをプロデュースする
「ブドウ狩りー♪ ブドウ狩りー♪」
今日は楽しいブドウ狩りー♪
「アリシア、ご機嫌ですね」
ラダリィが微笑む。
今日のラダリィさんはちょっと軽装だよー。何度勧めても絶対に着てくれなかったわたしのお手製ドレスに身を包んでくれているのですよ! さすがに今日は暑すぎたのかな?
エメラルドグリーンのワンピースなんだけどね、これがドロストデザインにしているんだー。胸のところのリボンをキュッと縛れば、服の中に仕込まれた紐が胸の形にフィットして超セクシー♡
布の素材も超薄く作ってあるし、ちゃんと涼しいから……エロいだけじゃないよ? ホントだよ⁉
「うへへへへ♡」
「そんなに見つめないでください……」
恥じらっているラダリィさん……最高ですわ♡
「む……」
ナタヌがわたしとラダリィの間に、無理やり顔を割り込ませてくる。口をへの字に曲げて不機嫌さをアピールしているね。
「なーに? 今ちょっとラダリィの服を調整するのに忙しくて! ほら、もうちょっと紐を引いたほうが涼しいかも!」
「もういいです! 十分ですから! ちょっと! これ以上は上から出ちゃいますから!」
もうちょっとだけ谷間をうへへへへへへへへ♡
「アリシアさん!」
ナタヌに腕を引っ張られる。
もうー、良いところなのに、なーに?
「私も! アリシアさんのデザインした服を着たいです!」
「お、おお! 着てくれるの⁉ そのローブ、めっちゃ高価な術式がかかってるし、脱ぐ気がないのかと思ってたよー。そういうことなら早く言って! ナタヌにぴったりの服があるよ!」
ナタヌを路地に誘い、アイテム収納ボックスから簡易更衣室を取り出す。さあさあ、かわいらしいお嬢さん、こちらへどうぞ♡
「これもいいなー。こっちかな……うーん……いや、やっぱり大胆にこれを! これに着替えてみて!」
「え……これはいったい……?」
わたしの手渡した薄い布を見て、ナタヌが固まる。
「ビキニの水着だよー。水色で涼しげでしょ? トップはかわいくフリル付きで、ハイレグビキニはサイドを紐で縛るタイプね。大丈夫大丈夫。わたししかほどけないように魔術制御してあるから♡ あとはこっちのパレオをつければ街中で着てもおかしくないと思うよー」
「いえ……こんな裸同然のかっこうで人前には……」
水着を持つ手が震えている。顔も真っ赤。
「えー。ナタヌのスタイルならバッチリ着こなせるよー。ビーチの男たちの視線はナタヌに釘付け♡」
「ビーチってどこですか……」
「あー、ここに海はないかー。でも温泉はあるから似たようなものじゃない?」
「ぜんぜん違います……。それに――」
「それに?」
「アリシアさん以外に私の肌を見せるつもりはありません!」
キュンッ♡
ナタヌ好き!
「わかった! じゃあ更衣室の中でわたしだけに見せて! さあ、早くこのビキニを!」
早くその隠れナイスバディをわたしの前にさらけ出して!
見たい見たい見たい!
「ちょ……っとだけですよ……」
真っ赤にゆで上がったナタヌが、水着をもって更衣室に入っていく。
ピッピッピー!
大きな笛の音が耳元で――。
「それ以上の行為は禁止です! ラダリィチェックでアウトです!」
こめかみに青筋を立てたラダリィが、わたしの耳元で何度も笛を吹く。
う、うるさい……。
「ラダリィチェック……。水着を見るだけなのに?」
「2人で更衣室に入るのは禁止です!」
「触らないよ? 水着を見るだけ?」
ピッピッピー!
うるさい……。
「ケチィ。ラダリィだってエッチぃかっこうしてるくせに!」
「エッチぃって……。私は誰に見られても恥ずかし……いですけど、街中で歩けないようなかっこうはしていません!」
100人中102人がラダリィの胸を3度見してるのに?
たまに拝んでいるおじいさんもいたよ? もう今やエロ女神様の化身だよ?
「とにかく! ナタヌ様がそのかっこうで街中を歩けるというのなら許しましょう。そうでないなら、アウトです!」
「む、無理ですぅ」
更衣室の扉から、首だけ出してプルプルと横に振るナタヌ。
「いけるって! 今ならラダリィを超えられるかもしれない!」
「超えたくないです……。どうか別の服をお願いします……」
ナタヌがとうとう泣き出してしまった。
しかたないな……。更衣室に仕込んだ隠しカメラの映像を後で楽しむとしてー。
「じゃあ、こっちのワンピースでどう?」
肩のところにリボンをたくさんあしらったキャップスリーブのワンピース(ミニスカート丈)を手渡す。オレンジ色でかわいいでしょ♪
「ナタヌ様、少々失礼します」
「え、ラダリィさん急に入ってきてなんですか⁉」
なぜかラダリィが更衣室に乱入。ガタゴトと大暴れしている。いったい何事⁉
「これでよし、と」
ラダリィが更衣室から出てきて――ああっ、わたしの監視カメラが!
「アリシア……これは人としてどうかと思います!」
「防犯の都合上……」
「本気で怒りますよ!」
「ごめんなさい……」
マジックミラーの裏に仕込んでおいた小型カメラの存在が……なんでわかったの……。ラダリィはカメラなんてものは見たこともないはずなのに……。
「着替えましたよ~。どう……ですか……? 変じゃないですか?」
ナタヌが恥じらいの表情を浮かべながら、更衣室から出てくる。
「おーブラボー! わたしのかわいいナタヌ! 白い足を惜しげもなく露出させて……天使で小悪魔! そうやってわたしを惑わそうとしてくるのね!」
「アリシアさんが何を言っているのか……。でも喜んでもらえているならうれしいです」
ナタヌがわたしの手を取って微笑む。
マジ天使!
わたしだけの天使ちゃん!
「お~い、まだか~。ブドウ狩りに行きたいんだが……」
木陰で佇んでいるスレッドリーがぼやく。
うっせ! 今良いところなの!
そんなにブドウが食べたいなら、そこに生えてる紫色のヨウシュヤマゴボウでも食ってろ!
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