第11話 アリシア、キャッチコピーを考える
マーちゃんは、その後もお酒や料理をたくさん楽しまれた後、大層ご機嫌な様子で帰っていかれましたとさ。
解体ショーではソフィーさんの肩に乗って一緒に踊っていたし、それはそれは上機嫌で良かったですよー。
しっかし驚きましたね……。
マーチャン様が実は水の女神・マーナヒリン様で、わたしに加護を与えたがっていて、マーちゃんになった……。
展開が急すぎてついていけない!
「あら、アリシアもマーチャン様から加護をいただいたの?」
「そうなんですよー。なんか気に入っていただいて。水の加護かー」
それと女神の羽根、涙を貯めた小瓶もいただきましたよ。
「水の加護って便利よね♪」
ソフィーさんの声が弾んでいる。
ちょっとまだわたしにはその実感はないけど……。
「そうなんですか? でも水関係のスキルとは違いますよね」
女神の加護はギフトスキルではないから、アクティブに行使するようなスキルではないはず?
「ええ、直接何かをするわけではないのだけれど、何かと水関係でご利益があるのよ~」
「何かと……だいぶざっくりですね」
具体的に教えてくださいよー。
「たとえば外出した時に雨に降られにくいとか、喉が渇いた時に水場がすぐに見つかるとか」
「地味、ですね……」
水の加護……地味だな……。
「干ばつが起きずに畑の作物が安定して収穫できるとか」
「おお、それはちょっと加護っぽい!」
「でもこれは水の加護持ちが半径1km以内に100人以上集まらないと発動しない加護なのよね」
「なにその発動条件……」
「大雪を防ぐためには1000人以上が」
「うわー、超めんどう……」
1000人ってだいぶ密集状態に……あ、なんかわかったかも!
たぶんそれ、マーちゃんがおしくらまんじゅうを見て楽しんでるだけだわ!
『そうじゃ。よくわかったの!』
ほーらやっぱり。
マーちゃんってば、いっつも信徒たちで遊んでるんだわー。もしかしてマーちゃんに限らず、女神様ってそんな方ばっかり?
『私はそのような趣味は持ち合わせていません』
ミィちゃんはほかの女神様とは違うのよねー♡
おっぱいは柔らかいけど、頭は固い女神様だって知ってるから♡
『またそれですか……。それひっぱってますけれど、私のキャッチコピーにしようと企んでも無駄ですからね』
バレテーラ♪
≪おっぱいは柔らかいけど、頭の固い女神・ミィシェリア≫
ばばーん!
これはだいぶ引きがあると思うんだけどなー。
『却下です』
ちぇっ。頭固いんだー。
『我のキャッチコピーも考えよ』
マーちゃんのほうはこんなにノリノリなのにー。
マーちゃんのキャッチコピー……そうだなー。
≪ショタ好きの幼女女神・マーナヒリン≫
ちょっとパンチが弱いかな?
『気に入ったぞよ』
気に入ったぞよか⁉
これでいいんだ……気に入ったならまあいっか♪
『アーちゃんも暴君幼女だし、おそろい幼女じゃな』
いや、暴君幼女は認めてないんですけど。って、アーちゃん?
『我はマーちゃん。汝はアーちゃんじゃ』
めっちゃかわいい! 良いと思います!
みんなー、わたしのことは暴君幼女じゃなくてアーちゃんって呼んでね♡
マーちゃん&アーちゃんってなんかアイドルコンビみたいねー。
今度一緒にローラーシューズショーでもどうですか⁉
『我がショーに?』
フリッフリの魔法少女コスプレ用意しておきます♡
『よし出よう』
やったー!
街中の大きいお友だちが大集合しちゃったらどうしよう♡
『マーナヒリン。安請け合いはやめておいたほうが良いですよ……』
ミィちゃん嫉妬? もしかしてミィちゃんも一緒に出たいの? 魔法少女になりたい?
『私はけっこうです……』
そうだよねー。ミィちゃんがわたしたちと同じコスプレしたら、ぱっつんぱっつんのぶるんぶるんで別のショーになっちゃうもんね……。
『いえ、そういう意味で断ったのではなく……』
投げ銭システムを確立したら成人限定枠でミィちゃんにも出てもらおうっと♪
『いえ、女神はお金を稼ぐ必要はないので……』
≪ポロリもあるよ⁉ エロの女神・ミィシェリア≫
バイーン!
『信徒が増えそうじゃの』
増えそうじゃの♡
『私はエロで売っているわけではないので、そういう形で信徒を増やしたいわけではなく……』
会場限定で新規信徒になった方にはもれなく直筆サイン入り限定ブロマイドをプレゼント!
さらに会場では全101種の中からランダムで5枚が封入されたブロマイドセットを販売!
ミィちゃんのあんな姿のSSRブロマイドが、世界でたった1枚だけ入っているよ!
これはやばい!
全世界からブロマイドを買い求めて人が押し寄せちゃう! ガーランドがパニックになっちゃったらどうしよう⁉
大雪が降ってきても防げちゃうね!
『アリシア……ブロマイド販売は禁止ですよ』
うわー、そうだったー!
ねえ……この世界にどうやったら写真を普及させられるの⁉
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