第3話
「あ・・・どうも、お邪魔いたします」
前に会った時よりも少し控えめな感じがするのは学校でのやり取りがあったせいだろうか。私も控えめに挨拶をした。朱璃唯は私の後ろに立っている。
朱璃唯の担任である佐倉先生はこちらに挨拶をしてからパンプスを揃えてゆっくり我が家に上がってこられた。
「朱璃唯、先生をテーブルにご案内しておいて。ママもすぐ行くから」
朱璃唯からの返事はない。玄関から先生を無言で誘導してリビングに通し、先生が座る席を指さしただけだった。
朱璃唯がキッチンにいる私のところに来て私の腰に抱き着いてきた。
「大丈夫だよ、悪いことじゃないんだから。朱璃唯は見ているだけでいいんだからね」
私は小さい声で朱璃唯の頭をなでながら伝えた。朱璃唯はもう泣き出しそうな顔をしている。
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